✔ 板取引とはどういうものなのか知りたい方
✔ 板取引の方法を知りたい方
「暗号資産(仮想通貨)の板取引って? そもそも板ってなに?」といったように、暗号資産(仮想通貨)に興味があるけれど、板取引についてよくわからないという方もいるかもしれませんね。
板取引は暗号資産(仮想通貨)だけでなく、さまざまな投資に共通する用語で、それほど難しいことではありません。この機会に覚えてみてはいかがでしょうか。
そこで今回は、暗号資産(仮想通貨)取引に興味がある方へ向けて、板取引の意味や特徴についてご紹介していきます。
- 板取引とは発注価格が並んでいる板をもとに取引を行う方法で、取引所形式の暗号資産(仮想通貨)取引所で行う
- 板取引では買い注文をしたユーザーと売り注文をしたユーザーがマッチすることで、はじめて取引が成立する
- 板取引のメリットは「適正価格で約定できる」「指値注文などさまざまな注文方法がある」「レバレッジ取引ができる」、デメリットは「約定に時間がかかることがある」
- 板取引を行うなら、5種類の暗号資産(仮想通貨)で板取引ができ、手数料も安い「GMOコイン」がおすすめ
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目次
- 1 そもそも板取引とは?
- 2 暗号資産(仮想通貨)取引所と販売所の違いは?
- 3 暗号資産(仮想通貨)板取引の2つの注文方法を解説
- 4 暗号資産(仮想通貨)の板取引の3つの特徴
- 5 暗号資産(仮想通貨)板取引のメリットとデメリット
- 6 暗号資産(仮想通貨)・ビットコインの板取引におすすめの取引所ベスト3
- 7 暗号資産(仮想通貨)の板取引のやり方は?
- 8 暗号資産(仮想通貨)板取引の読み方(買い板・売り板)を解説
- 9 暗号資産(仮想通貨)の板取引は2020年以降規制される可能性がある
- 10 暗号資産(仮想通貨)の板取引には見せかけがあるため要注意
- 11 暗号資産(仮想通貨)の板情報はどこで確認できる?
- 12 暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン・リップルのリアルタイム(今)の板の動きは?
- 13 暗号資産(仮想通貨)・ビットコインの板取引は国内取引所でしよう
そもそも板取引とは?
取引所での暗号資産(仮想通貨)の取引には「取引所」形式と「販売所」形式の2つの形式があります。
板取引というのはこのうち「取引所」形式で採用されているものです。板取引とは、発注価格が並んでいる板をもとに取引を行う方法のこと。売りたいユーザーの注文と、買いたいユーザーの注文をマッチングして売買を行います。
一方で、「販売所」形式は暗号資産(仮想通貨)取引所から直接、暗号資産(仮想通貨)を売買する方法。そのため板取引という考え方はなく、買い価格と売り価格、2種類の表示のみしかありません。
画面右側に、購入価格と売却価格のみ大きく表示されています。注文方法は成行注文のみで、ユーザー側で希望の売買価格は設定できません。
「取引所」形式と「販売所」形式は形式そのものの他にも多くの違いがあります。そのため両者の違いを理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
板の「厚み」とは?
板取引をするときには、板の「厚み」と言われるものに気をつけます。板の厚みとは、注文価格と注文量の数を見るときの考え方で、多いときには「板が厚い」、少ないときには「板が薄い」と表現します。
板が厚ければ、それだけ多くの人がその取引所を利用していることと等しいです。自分が注文をしても、より早く約定するでしょう。
一方板が薄いと、取引の約定も遅くなりますし、取引するときの価格がその暗号資産(仮想通貨)の価格とかい離してしまうおそれもあります。なるべく板の厚い取引所を選ぶことが大切です。
取引所のみ板取引ができる
暗号資産(仮想通貨)取引所には、取引所と販売所という2つの形式があります。しかし板取引は「取引所」形式でしか利用することはできません。
販売所形式は、暗号資産(仮想通貨)取引所と直接暗号資産(仮想通貨)を売買する方法です。この形式では、暗号資産(仮想通貨)は今買うか、今売るかという1つの注文方法しかありません。
一方、取引所形式では注文に対してさまざまな方法が用意されています。うまく方法を活用することで、より利益を出しやすい取引が可能です。
取引所形式は方法が多いぶん、知識が求められ、やや複雑です。本当に初心者の方であれば、シンプルな販売所形式を選んでもいいでしょう。
暗号資産(仮想通貨)取引所と販売所の違いは?
取引所形式と販売所形式には多くの違いがあります。取引の方法から、方法の違いによって生じる違いなどさまざまです。
暗号資産(仮想通貨)を取引する場合は、これらの違いを踏まえて取引形式を選ばなくてはなりません。具体的な違いを見ていきましょう。
手数料やスプレッドの設定額
暗号資産(仮想通貨)の取引には2種類の手数料が発生します。直接的な手数料である売買手数料と、間接的な手数料であるスプレッドです。
スプレッドとは、買値と売値の差額のことです。暗号資産(仮想通貨)取引所は売値を買値より安く設定することで差額分を利益とします。
販売所ではスプレッドが取引所よりも大きく設定されています。そのため売買で支払う手数料が大きくなります。手数料で言えば、取引所のほうがお得に取引ができます。
注文方法が異なる
販売所は暗号資産(仮想通貨)取引所が提示する買値や売値で取引をするかどうかを決め、注文をします。注文方法はその場で取引をするかどうかという1つだけです。
しかし取引所では通常、複数の注文方法が用意されています。販売所のようにその場の価格で取引をすることができますが、注文にいくつかの条件を課することで自分の思うように取引ができます。
暗号資産(仮想通貨)板取引の2つの注文方法を解説
板取引にはいくつかの注文方法があります。販売所と比べると注文方法が複雑になっている分、自分が思うような取引をしやすく、戦略性があります。
注文方法は暗号資産(仮想通貨)取引所によって異なりますが、中でも最もよく使うであろ2つの取引方法を紹介しましょう。
指値注文(自分で価格設定をする)
ひとつめが指値注文です。指値注文とは自分で買いたい価格、売りたい価格を指定して注文をする方法です。自分で価格を指定できるぶん、価格の変動に強いというメリットがあります。
しかしただやみくもに指定をすればいいというわけではありません。
普段買い物をするときには少しでも安く買いたいですし、反対に売るときは少しでも高く売りたいものです。そのため自分が買いたいとき、買い注文を出すときには一番高い買い注文と安い買い注文に注目します。
とにかく早く買いたいと思うのであれば、801728円より高い買値を設定すればいいです。最も高い買値より安く設定すればするほど約定は遅くなりますが、その分お得に買うことができます。自分が何を重視するかを考え、価格を決定しましょう。
成行注文(自分で価格設定をしない)
成行注文は自分で価格や数量を指定しない注文方法です。販売所でできる注文に近いものですが、販売所の注文が暗号資産(仮想通貨)取引所の提示した価格で約定するのに対し、取引所の成行注文は板に載った注文から約定します。
成行注文では買値はそのときの最高値に、売値はそのときの最安値となります。そのため上の画像では
- 買い:最高値の801728円で約定
- 売り:最安値の801995円で約定
となります。
成行注文のメリットは、必ず即座に約定することにあります。暗号資産(仮想通貨)市場は一瞬で価格が大きく変動することがあります。
指値注文では価格をあらかじめ設定するため、急変する相場に対応できない場合もありますが、成行注文であればそうではありません。相場が急騰すれば、その時点の板に載った最高値でも割安になる可能性があります。
テイカーとメイカーとは?
暗号資産(仮想通貨)取引所によっては、取引をテイカーとメイカーと言う風に分けるところがあります。
テイカーは英語で「Taker」、「取る人」、「受け取る人」です。成行注文を指します。一方メイカーは英語で「Maker」、「作る人」です。指値注文を指します。
テイカーとメイカーで取引を分ける暗号資産(仮想通貨)取引所では、メイカーの手数料がテイカーより安い場合が多いです。なぜならばメイカーは板に注文を載せるため、メイカーが増えれば増えるほど板が厚くなるためです。
暗号資産(仮想通貨)取引所としても板が厚いほうが好ましいため、メイカーを優遇して増やそうとしているのです。
暗号資産(仮想通貨)の板取引の3つの特徴
板取引には、販売所形式にはない特徴がいくつもあります。取引所形式も販売所形式も一長一短がありますが、板取引では販売所にない特徴を活かすことで取引に役立てることができます。
板取引の特徴を見ていきましょう。
指値、逆指値注文が出しやすい
ひとつが指値注文と逆指値注文を出しやすいということです。
指値注文は先ほども紹介したように、価格と数量を指定する方法です。価格が指定したレートに乗ったタイミングで約定します。
例えば1BTC=100万円のときに、1BTC=95万円で買いの指値注文を出しておけば、相場が95万円まで下がったときに約定をします。相場が変動しても、指値注文であれば高値掴みなどをするリスクが低いです。
一方逆指値注文は基本的には指値注文と同じですが、指値注文とは異なり自分に不利なレートを指定する注文方法です。
例えば1BTC=100万円のときに、1BTC=95万円の売りの逆指値注文を入れます。もしこの注文が約定してしまうと、5万円の損失を負ってしまいます。
一見するとただ不利にしか思えませんが、5万円の損失が確定するということは、それ以上の損失は負わないということです。10万円、20万円という多額を失わずに済みます。
暗号資産(仮想通貨)市場は大きく変動するため、逆指値注文を使ってあらかじめ許容できる範囲の損失を先に設定しておくことが効果的です。この考え方を「損切り」と言います。
需要と供給のバランスがわかる
先ほど紹介したように、板には買い注文をまとめた買い板と売り注文をまとめた売り板があります。
買い板と売り板を比較したとき、買い板のほうが充実していればその通貨を欲しがっている人が多く、売り板のほうが充実していればその通貨を手放したがっている人が多いということです。
この買いと売りのバランスは、ある通貨の需要と供給のバランスと等しくなります。暗号資産(仮想通貨)は純粋に需要と供給のバランスによって価格が変動します。
今この瞬間の価格は変わっていなくとも、買いと売りのバランスが崩れた暗号資産(仮想通貨)はじきに価格が大きく変動するだろうという予測が可能です。板を見るだけで、価格予測ができるようになるのです。
成行注文は想定より高くなる場合がある
先ほど、成行注文は即座に約定できるメリットがあると紹介しました。しかし実はこのメリットは半分誤りです。というのも基本的に、板取引で優先されるのは板に反映された取引であるためです。
成行注文は価格だけを指定する注文方法であり、板には反映されません。相場が激しく変動するとまず先に指値注文をしていたいた人から約定して成行注文が後回しになってしまい、指定した価格よりも購入価格が高くなってしまう可能性があります。
確かに成行注文には迅速に購入できるメリットはありますが、相場の急変に対応できない可能性があるというデメリットもあるのです。
暗号資産(仮想通貨)板取引のメリットとデメリット
板取引の主なメリットは以下のとおりです。
- 市場の適正価格で売買できる
- 指値注文と成行注文を選ぶことができる
- レバレッジ取引も利用できる
販売所形式の場合は見えないスプレッドが価格の上に乗せられていますが、取引所の場合にはそのコストがかかりません。適正価格で暗号資産(仮想通貨)を売買できるのが大きなメリットです。
また注文方法も、指値注文だけの販売所形式に比べて、指値注文や逆指値注文など多くの選択肢があります。
続いて板取引のデメリットをご紹介します。
- スピーディに約定できない場合がある
板取引は、自分が発注した価格に対して売り注文が出なければ約定されません。そのため、約定に時間がかかってしまうことがあるのがデメリットです。
暗号資産(仮想通貨)取引所のメリットとデメリット
暗号資産(仮想通貨)取引所のメリットは以下の通りです。
- 販売所に比べてスプレッドが安い
- 注文方法を選べる
取引所はその取引所を利用する人同士で暗号資産(仮想通貨)を取引する仕組みです。そのため暗号資産(仮想通貨)取引所が利益を出すためのスプレッドを抑えることができます。その分手数料は安くあげることができます。
またただ目の前の売値・買値で注文するほかにも、取引所にはさまざまな条件を設けた注文方法が設定されています。自分のニーズなどに合わせて注文方法を選ぶことが可能です。
一方取引所のデメリットは以下のものです。
- 希望額で購入できない場合がある
- 販売所よりも考えることが増える
取引所はどうしても自分の希望額よりも、約定しやすいかしにくいかという観点で価格を設定してしまいがちです。そのため希望額と実際の注文がかい離し、思ったような取引ができないこともあります。
また価格の設定や注文方法など、考えることが一気に増えてしまい、慣れるまで時間がかかるのもデメリットのひとつです。初心者の方がいきなり挑むにはハードルが高いと言えます。
暗号資産(仮想通貨)販売所のメリットとデメリット
暗号資産(仮想通貨)販売所のメリットは以下の通りです。
- 注文すると購入が確約されている
- 数量指定と金額指定のみで注文がシンプル
取引所はどうしても取引から約定までにタイムラグが発生するうえ、確実に約定するという保証はありません。その点、販売所は暗号資産(仮想通貨)取引所と取引をするため確実に取引が約定します。
また取引に必要な情報も購入数量と金額のみとシンプルで分かりやすいのが魅力です。これから暗号資産(仮想通貨)取引を始める人、投資に縁がなかった人には販売所形式はおすすめです。
ただし販売所形式には以下のデメリットがあります。
- 取引所よりもスプレッドが高い
- 販売所の言い値でしか購入できない
販売所は暗号資産(仮想通貨)取引所と直接暗号資産(仮想通貨)を売買する方法です。暗号資産(仮想通貨)取引所は手数料で利益を出しているため、販売所に高いスプレッドをかけます。その分取引の効率は悪くなってしまいます。
また販売所では販売所の言い値でしか購入できないため、取引の選択肢が狭くなるのも欠点です。取引に慣れてきたら、販売所ではなく取引所の利用をおすすめします。
暗号資産(仮想通貨)取引所名 | 板取引のできる暗号資産(仮想通貨) |
---|---|
Liquid by Quoine | BTC、ETH、XRP、BCH、LQC |
bitFlyer | BTC、ETH |
bitbank | BTC、ETH、XRP、BCH、LTC、MONA |
VCTRADE | BTC、ETH、XRP |
GMOコイン | BTC、ETH、XRP、BCH、LTC |
Huobi | BTC、ETH、XRP、BCH、LTC、MONA |
BTCBOX | BTC、ETH、BCH、LTC |
BITPoint | BTC、ETH、XRP、BCH、LTC |
Coincheck | BTC、FCT |
楽天ウォレット | BTC、ETH、BCH |
Zaif | BTC、ETH、BCH、MONA、XEM、FSCC |
暗号資産(仮想通貨)・ビットコインの板取引におすすめの取引所ベスト3
日本国内だけでも、板取引ができる暗号資産(仮想通貨)取引所はいくつもあります。しかしどれも同じというわけではありません。
特に板取引をするときには、取引所選びを慎重にしないと板の厚みなどによって余計な損益を負うリスクなどもあります。板取引におすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所を紹介します。
1.bitFlyer(ビットフライヤー)
bitFlyerは日本でも大手の暗号資産(仮想通貨)取引所のひとつです。国内の暗号資産(仮想通貨)取引所でサービス利用率No1、ビットコイン取引高No1を誇ります。
※ Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2021 年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
※暗号資産(仮想通貨)取引サービス利用者 20-59歳男女1,000人を対象に、インターネットによるアンケートを実施。調査実施日は2021年6月11-14日。調査機関:(株)インテージ
板取引では板の厚み、すなわち積極的に取引が行われているかという点がとても大切です。どんなに手数料などの面が優れていても、板が薄いと相場とのかい離などのリスクが生じてしまいます。
その点bitFlyerは利用率も高く、充分な流動性が確保されています。板取引に対応する暗号資産(仮想通貨)はビットコインとイーサリアム、ビットコインキャッシュ、モナコイン、リップル、ステラルーメンと多様に取り扱いがあり、特にビットコインを板取引したい場合には一番おすすめです。
2.GMOコイン
GMOコインは入金や出金、取引手数料など板取引に必要な手数料が一切かかりません。手数料は安ければ安いほど、手数料分だけ効率のいい取引ができます。
たとえ0.01%の差でも、100回取引をすれば1%の差となって表れます。取引を繰り返すことを考えれば、手数料のかからないGMOコインはおすすめです。
また板取引も5つの銘柄に対応しており、ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)を板取引したい場合も利用できます。
3.bitbank(ビットバンク)
bitbankは手数料がメイカーとテイカーに分かれているのが特徴です。特にメイカー手数料では手数料がマイナスに設定されています。
普通、取引をするとこちらが手数料を支払うものなのですが、bitbankの場合指値注文をするとわずかですが手数料分だけ暗号資産(仮想通貨)をもらうことができます。取引を繰り返せば、手数料分だけ多くの通貨を保有できます。
板取引の対応銘柄も6種類と多く、2020年2月には暗号資産(仮想通貨)取引量日本一になるなど流動性も充分です。
暗号資産(仮想通貨)の板取引のやり方は?
ここまで板取引について紹介し、実際に暗号資産(仮想通貨)の板取引に興味を持った方も多いでしょう。しかしいざ始めるとなると難しいのではないかと思うかもしれません。
しかし板取引を始める方法は各暗号資産(仮想通貨)取引所で共通の部分も多いです。
板取引を始めるには、まず取引所に登録しなくてはなりません。登録自体は早ければ5分で完了し、次のステップに進むためには数日ほどかかります。
登録のためにはメールアドレスやSMSに対応した電話番号、免許証や保険証などといった本人確認書類が必要なので事前に用意しておきます。
登録が完了したら、取引に用いる資金を取引所内の口座に入金します。入金方法は暗号資産(仮想通貨)取引所ごとに多少異なりますが、取引所指定の銀行口座に入金する方法が多いです。
入金が反映されたら購入したい暗号資産(仮想通貨)の板を見て、注文方法と数量を決め、購入します。わずかこれだけのステップで板取引を始めることができます。
暗号資産(仮想通貨)板取引の読み方(買い板・売り板)を解説
では実際に板取引で用いる板の読み方を紹介しましょう。
これは実際の暗号資産(仮想通貨)取引所で利用される板を示したものです。
上側の「売」と書かれたものが売り注文を並べた「売り板」、下側の「買い」と書かれたものが買い注文を並べた「買い板」です。
縦に3列マス目があり、
- 左に売りの数量
- 右に買いの数量
- 中心にそれぞれの価格
が表示されます。つまり売り注文(数量と価格)を見るときには向かって左側を、買い注文を見るときには向かって右側を見れば分かります。
板は取引状況によってリアルタイムで内容が更新されます。しかし見方の基本さえ押さえておけば、慌てることなく取引が行えるはずです。
暗号資産(仮想通貨)の板取引は2020年以降規制される可能性がある
実は板取引の将来は安泰とは言えません。2020年5月頃に施行予定である「改正金商法」によって、板取引が規制される可能性があるのです。
改正金商法では暗号資産(仮想通貨)のデリバティブ取引、つまりレバレッジ取引などが金商法の規制下に入ります。このときネックとなるのが、デリバティブ取引での板取引が金商法における「市場開設行為」に入るかという点です。
市場開設行為については厳密な定義は存在しませんが、多対多の売買で価格が決定される場を提供することが当てはまります。イメージとしては東証などが近いです。現在の金商法では市場開設行為を行うためには「取引所」という免許が求められます。
しかし現在の暗号資産(仮想通貨)取引所はほとんど取引所免許を有していません。そのため改正金商法によって、事実上暗号資産(仮想通貨)のデリバティブ取引における板取引が規制されてしまうおそれがあるのです。
暗号資産(仮想通貨)ビジネスの健全な発展を目指す団体である一般社団法人日本暗号資産(仮想通貨)ビジネス協会(JCBA)は板取引を認めるような提言書を提出しています。
また金融庁も2020年4月3日にパブリックコメントに対する回答を行う中で「今般の改正は、暗号資産関連デリバティブ取引についていわゆる板取引を禁止するものではありません」とコメントしました。
暗号資産(仮想通貨)の板取引には見せかけがあるため要注意
暗号資産(仮想通貨)の板取引は売り板、買い板を見てそのときの暗号資産(仮想通貨)の需給のバランスや適正価格を推し量って取引をすることができます。
しかしときに悪意ある利用者によって「見せかけの板(見せ板)」と言われる相場が作られることがある点には注意が必要です。
たとえば板に1BTC=100万円から95万円までの価格が表示されているとします。このときに1BTC=98万円などの適当なラインで、あまりにも圧倒的な数量の買い注文が入ることがあります。
するとどうなるかと言うと、この1BTC=98万円の買い注文が処理されるまでは売り注文が1BTC=98万円を下回ることができなくなり、相場が固定化されます。つまり98万円のラインで相場に蓋がされるような状態です。
そしてこの大量の買い注文の処理が完了するなり、あるいは唐突に注文がキャンセルされるなどして蓋が外れると、それまで押さえ込んでいたぶん一気に相場が動きます。
このように買い注文などで相場を意図的に操作する行為を見せ板と言います。見せ板によって相場が混乱すると思わぬ損失を負う可能性があるため、見せ板が疑われる状況の際は慎重な判断が必要です。
暗号資産(仮想通貨)の板情報はどこで確認できる?
その暗号資産(仮想通貨)取引所の板がどうなっているか、厚いのか薄いのか、今の価格がどうなっているのかというような板情報は、暗号資産(仮想通貨)取引所から直接確認することができます。
このとき気になるのが、登録しておかないと見られないのかという点です。しかしほとんどの暗号資産(仮想通貨)取引所では登録していなくても板を見ることができるため、登録を検討している暗号資産(仮想通貨)取引所の板はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン・リップルのリアルタイム(今)の板の動きは?
また板取引をしたい暗号資産(仮想通貨)、たとえばビットコインやリップルの最新の価格やチャートの動き、価格の決定に関わるよう最新のニュースは、以下の記事から確認できます。
板取引においても最新の価格などは大きな影響を与えるためこまめに確認しておきましょう。
また個別の取引所における板取引の様子は、それぞれの暗号資産(仮想通貨)取引所で確認してください。
暗号資産(仮想通貨)・ビットコインの板取引は国内取引所でしよう
- 板取引とは発注価格が並んでいる板をもとに取引を行う方法で、取引所形式の暗号資産(仮想通貨)取引所で行う
- 板取引では買い注文をしたユーザーと売り注文をしたユーザーがマッチすることで、はじめて取引が成立する
- 板取引のメリットは「適正価格で約定できる」「指値注文などさまざまな注文方法がある」「レバレッジ取引ができる」、デメリットは「約定に時間がかかることがある」
- 板取引を行うなら、5種類の暗号資産(仮想通貨)で板取引ができ、手数料も安い「GMOコイン」がおすすめ
今回は暗号資産(仮想通貨)の板取引や取引所と販売所の違いなどを紹介しました。
板取引は利用者間で暗号資産(仮想通貨)を売買する仕組みであり、慣れれば手数料を抑えつつ適正価格での取引が可能です。一方セキュリティリスクや見せ板のリスクなどはどうしてもゼロにはできません。
これから板取引を始めたい人は、適切に規制が行われ、安全性の高い日本国内の暗号資産(仮想通貨)取引所を利用するのがおすすめです。考えることは多いぶん、知識をきちんと身につけてから取引に臨むようにしてください。
仮想通貨の仕組み