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仮想通貨Polygonとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ

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Polygonとは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する目的で誕生した仮想通貨プロジェクトです。

2021年アルトコインの中では、次期イーサリアムを狙うプロジェクトが多く、覇権争いの雰囲気すらあります。

しかし、Polygonは独自の技術を使い、イーサリアムの問題を解決する「共存」が軸です。

本記事では「仮想通貨Polygonとは?」をテーマに、最新情報・価格推移と今後の予想まで徹底的にまとめました。

仮想通貨Polygonとは?

イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決し、よりストレスフリーにイーサリアムプラットフォームを使えるようにするプラットフォームをPolygonは構築します。

イーサリアムは今やdApps開発の主流です。またDeFi(分散型金融)が注目を浴び、イーサリアム自体の価格が上昇したことによって、トランザクションの量が増大しています。その結果GASの料金が高騰したり、データ処理に遅延が出ています。

PolygonはPlasmaというサイドチェーン技術とPoSを使い、トランザクションをオフチェーンで処理することでデータ処理を高速化し、GAS代を抑えることが可能です。1秒当たりで最大65000ものトランザクションを処理することができます。

また現在のイーサリアムではトランザクション問題対策のために多くのスケーリング技術が登場しています。Polygonはそれらのスケーリング技術を包括し、相互運用性を持たせています。

Polygonの利用者は従来の中央集権的なネットワークに匹敵するほどの速度で、次世代の分散型ネットワークを利用することができるようになるでしょう。

仮想通貨Polygonの最新情報【2021年】

2021年2月10日株式会社スマートアプリと提携
2021年3月8日日本企業とPolygonの提携
2021年4月29日Polygonを使いファッション業界とNFTをつなぐ
2021年8月13日Hermez NetworkとPolygonが統合
2021年8月29日
Polygon August Adrenalineで多くのプロジェクトと活動

2021年9月時点の仮想通貨Polygonに関する最新情報をまとめました。

仮想通貨Polygonの2021年は、従来のイーサリアムのスケーラビリティ問題改善だけでなく、新しい独自分野への取り組みが目立ちます。

価格推移への懸念材料としても、イーサリアムに依存しするのは良くない印象です。
現在のトレンドである、NFT業界への参入を含めて比較的好材料が多くあります。

日本企業とPolygonの提携

2021年3月8日、日本暗号資産市場株式会社は自社で提供する日本円のステーブルコインJPYCをPolygonとxDAIに対応させたことを発表しました。

併せて「xDAI・MATICプレゼントキャンペーン」と称し、公式サイトからJPYCを購入したユーザーにxDAIかPolygonをプレゼントするキャンペーンを実施しました。

JPYCは1JPYC=1円で取り扱うことができる通貨建ての資産です。資金決済法上は自家型前払式支払手段、すなわち商品券などに近い存在であり、暗号資産ではありません。

ただしERC20を採用しているため、イーサリアムのブロックチェーン上で取り扱うことができます。そのため正式対応以前からJPYCをPolygonにブリッジするユーザーもいました。

PolygonのブロックチェーンでJPYCを扱うことで、高速・低手数料での取引が実現し、少額決済などをより快適に行うことが可能です。

JPYCは日本の仮想通貨愛好家に根強い人気があります。PolygonがJPYCに対応することで日本人のニーズを獲得することもできるでしょう。

Polygonを使いファッション業界とNFTをつなぐ

2021年4月29日、PolygonはデジタルファッションプロジェクトDIGITALAXとのパートナーシップを締結しました。

DIGITALAXはファッション業界とNFTをつなげるプロジェクトです。DIGITALAXでは衣服と共に「ミーム」という名称のNFTが発行されます。服を購入した人は服と対応するミームを手に入れます。

またミームはファッション業界のサプライチェーン向上に留まりません。ミームはDIGITALAXはゲームやVR、eスポーツなど多くの分野で応用される予定です。

ファッションからDIGITALAXに興味を持った人は法定通貨を用いてミームを手に入れることができるため、気軽に仮想通貨に関わることができます。

DIGITALAXはPolygonのブロックチェーンの上でミームを発行し、活用します。Polygonはイーサリアムをより快適に使うためのソリューションを提供しており、DIGITALAXの利用者は自由なDeFiを体験できます。

Polygonが株式会社スマートアプリと提携

2021年2月10日、株式会社スマートアプリはPolygonを提供するMatic Network PTE. Ltd.とプラットフォーム事業およびNFTマーケットプレイス事業においてパートナーシップを締結しました。

スマートアプリは日本国内でNFTを用いたブロックチェーンプラットフォームサービス『GO BASE』を提供しています。

GO BASEは「GO! WALLET」というウォレットの機能をオープンソースに公開したもので、ブロックチェーン事業者向けにイーサリアムの決済機能やトークンの販売機能など、各種機能の提供を行うサービスです。

GO BASEはイーサリアムに対応するサービスですが、近年はGAS代の高騰に悩まされていました。そこでPolygonと提携し、GAS代を抑えようとしたのです。

またスマートアプリは2021年3月22日に日本初となるクリプトアーティスト登録制NFTマーケットプレイス『nanakusa』のβ版をリリースしています。nanakusaではNFTをイーサリアムおよびPolygonで出品・購入可能となっています。

Hermez NetworkとPolygonが統合

PolygonがHermez Networkを買収し、PolygonHermezとして統合されました。

Hermez Networkは、ゼロ知識証明の技術を取り入れた暗号資産プロジェクトです。
Polygonによる他のプロジェクトとの統合は初めての事例ではありません。

しかし、PolgonとHermesz Networkの統合は、HermezのトークンHEZも一緒に行われたことで大きな注目を集めました。

HEZトークンは、PolygonのMATICトークンと置き換えられ、業界初となるトークンの統合も行われたのです。

トークンは、1HEZ=3.5MATICに統合され、HEZトークンは今回の統合で消失しました。
本来は、トークン保有者のガバナンス問題もありトークンの統合は難しいです。

今回の統合は、Hermez Networkが新興プロジェクトでありトークン90%は一部の保有者が独占していたため実現できたと考察されます。

Polygon August Adrenaline

2021年8月に「Polygon August Adrenaline」が実施されたました。

Polygon August Adrenalineは、Polygonのプラットフォームを使ったゲーム、NFTプロジェクトを推進するプロジェクトです。

Web3.0も意識しており、Polygonのプラットフォームを使って作成されたDappsやNFTマーケットプレイスを8月中は定期的に宣伝活動を行っていました。

Polygon August Adrenalineのイベントは、Polygonが新しく立ち上げたPolygonゲーム・NFT部門であるPolygon Studiosが主体となります。

500以上のDapp、最大5億6700万以上の送信、および1日あたり最大600万以上の送金で大規模なシェアを誇るPolygonの実用性が証明されました。

仮想通貨Polygonの将来性は?

将来的にはPolygonは「レイヤー2ソリューション」としてイーサリアムのエコシステムをより拡大していくことが想定されます。

「レイヤー2」とは、本家のブロックチェーン(レイヤー1)でトランザクションを生成すると処理が遅い問題を解決する技術です。レイヤー2では、別のブロックチェーン上で決済等を行い、1つのブロックチェーンに依存せず、スピーディに処理が行えます。

イーサリアムのスケーリング技術にはサイドチェーンとレイヤー2の2種類があります。サイドチェーンは元の仮想通貨に依存しない、独立性の高いシステムです。

一方レイヤー2はネットワークの運営などに元のブロックチェーンを活用するシステムです。

サイドチェーンによるスケーリング技術が増えすぎると、イーサリアムのエコシステムは次第に寸断されるような形となり、相互運用性を欠いたまま尻すぼみに衰退してしまうおそれがあります。

Polygonはセキュリティをイーサリアムのブロックチェーンに依存しています。あくまでイーサリアムを中心としたエコシステムを構築しようとしているのです。

またPolygonは各スケーリング技術を取り込むことで、イーサリアムのエコシステムの拡大を目指しています。

イーサリアムのエコシステムは現在のDeFiにおいて多くの人に選ばれる優れたシステムです。Polygonはあくまでイーサリアムのエコシステムを発展させ、Web3.0の普及に務めています。

Polygonはトランザクション処理が早い

Polygonは最大で1秒に65000件ものトランザクション処理を可能にしています。高速処理の秘密は、トランザクションのオフチェーンでの処理とPolygonが採用する独自のPoSです。

イーサリアムはイーサリアム2.0と言われるアップデートでコンセンサスアルゴリズムをPoSに改めています。

しかしイーサリアムでマイニングに参加するには32ETHをステーキングしなくてはなりません。(現在価格で約1000万円ほど)

しかしPolygonのPoSは誰でもバリデーターになることができます。Polygonではトークンをイーサリアムのブロックチェーンに預けた人に一定回数ブロックを承認する権限を与えます。

当然承認回数はより多額のトークンを預けた人に多く与えられます。しかし連続して与えられるわけでなく、ある一定期間内でシャッフルされ、ランダムに与えられます。また不正を働いたバリデーターは預けた金額を減らされてしまいます。

独自のPoSによってPolygonは機会の偏りをなくしつつ、高速処理を可能としているのです。

仮想通貨Polygon(MATIC)の価格推移と今後

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Polygon/MATICの基本情報
Polygon/MATICの価格¥287.91
一日の出来高¥847,047,515,883
マーケットドミナンス0.78%
市場ランキング14位
時価総額¥1,759,118,186,388
直近1年間の高値/安値¥291.84/¥1.28
最大供給10,000,000,000 MATIC

※2021年5月19日時点のCoinmarketcapより抜粋

Polygonの独自トークンである「MATIC(マティック)」は、仮想通貨の中で14位のシェアを誇るアルトコインにまで成長しました。

取引は主に、海外取引所のBinanceにてMATIC/USDTのペアで行われてます。BinanceのMATIC/USDTは、全体の3割以上を占め、市場への影響力が高いです。

Polygonの将来性自体は、対イーサリアムではなく、イーサリアムのトランザクション処理の改善目的を掲げた「共存」。

プロジェクトの堅調な遂行と共に、価格にも年初から44倍と好影響を起こしました。

仮想通貨MATICは「強いアルトコイン」

polygon-price-chart-1MATIC/USDT 日足

Polygonの独自トークン「MATIC」の価格推移から今後の展開を考察してみましょう。
2021年5月現在は、ビットコインが急落したことで多くのアルトコインが暴落しています。

しかし、MATIC自体は保管のアルトコインと比較して「強い銘柄」です。

4月の安値水準まで下がるアルトコインが多い中、MATICは5月中旬の安値で買われ、現在は半分近く値を戻しています。

今後の展開としては、5月中旬の安値1.62USDTを守り、再び史上最高値に接近できるかか重要です。

仮に、5月中旬の安値を下回ると、4月の急騰前水準が節目となり、現在価格から半値まで落ちる可能性があります。

仮想通貨Polygon(MATIC) まとめ

今回は「仮想通貨Polygonとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。

仮想通貨Polygonは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決し、分散型取引所などイーサリアム軸の経済圏へ好影響が期待されます。

とは言え、逆転の発想をすればイーサリアムが衰退すれば、Polygonの将来性も危うくなるといった考え方も可能です。

2021年では、日本企業との提携からNFT分野への参入も明らかとなっています。
良い意味で、イーサリアムに依存しない独自サービスの展開も今後は重要です。

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この記事のライター
大学卒業後、大手外資系コンサルティング会社でPMOとして勤務。暗号資産やFXなどの金融商品を題材としたライターとしても活動。pythonやjavascriptを活用し、暗号資産の自動売買プログラムの開発も行う。
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