✔ 暗号資産(仮想通貨)の確定申告の注意点を知りたいという方
✔ 暗号資産(仮想通貨)の確定申告について、税理士の本音を知りたいという方
暗号資産(仮想通貨)で利益を出したら、確定申告をして税金を払わなければいけませんが、やり方がわかりくいし面倒ですよね。
そこで今回は、暗号資産(仮想通貨)の確定申告について、高木誠税理士にインタビューを行いました。
確定申告において注意しなければいけない点や、暗号資産(仮想通貨)の確定申告におけるポイントなどを語っていただいていますから、ぜひ参考にしてくださいね。
- 今年は、国内取引所から年間取引報告書が送られてくるため、その記載事項を基に国税庁の計算書に入力すれば簡単に損益計算(総平均法のみ)ができる
- どれくらい利益が出ているかある程度把握し、また納税分のお金をきちんと確保しておこう
- 確定申告をしないと、納税額にさらに上乗せしてペナルティが課せられる
- 暗号資産(仮想通貨)に精通した税理士は少ないかもしれないが、長い付き合いができるよう自分に合った税理士を見極めよう
目次
高木誠税理士のプロフィール
法人名 | 高木誠税理士事務所 |
代表 | 高木 誠 |
所在地 | 〒860-0072 熊本市西区花園7-1752-70 メゾンドテテC等 |
Webサイト | https://makotax.com/ |
営業時間 | 平日 8:30~17:30 |
事業内容 | 会計税務顧問 経営計画・事業計画策定コンサルティング 個人確定申告業務 暗号資産(仮想通貨)の利益計算 金融機関対応 資金繰り表(資金繰り予測表)の作成支援 |
高木先生は「高木誠税理士事務所」の税務相談室に所属する税理士です。
得意分野は法人税とのこと。
Webサイトには税金等に関する多様なテーマで記事が掲載されていますが、暗号資産(仮想通貨)の投稿は高木税理士が多く執筆されています。
暗号資産(仮想通貨)関係のお問い合わせは多いですか?
高木税理士:相談自体は10件くらいですかね。実際に申告までしたのは5件くらいです。お一人だけ後に法人成りした方もいらっしゃいますが、みなさん個人の方ですね。
高木税理士:引き続きの方はいらっしゃいます。今年は利益が出ていない方もいらっしゃると思うので、新規の方から相談があるかどうかはわからないですね。
高木税理士:早い人だと1月からですが、3月15日ギリギリという方もいらっしゃいます。
高木税理士:一応そうですね。僕自身は勉強のためにやっているくらいで、そこまで興味があるというわけではないです。でもホームページで手順を書いて、早いうちから発信していました。
高木税理士:はい。基本的には熊本県の方が多いですが、福岡県の方もいらっしゃいます。問い合わせは他県からもあったりしますね。
暗号資産(仮想通貨)関係の税金に関してよく受ける質問はありますか。どんな内容でしょうか。
高木税理士:やはり税理士報酬が多いですね。「報酬いくらかかるんですか?」「申告いくらですか?」みたいな相談が一番多いです。
高木税理士:昨年は利益計算が今年よりも整備されておらず、他の税理士事務所の相場も分かりませんでしたが、利益額に応じて報酬規程を設けていました。おおよそですが、基本料金5万円+所得に応じてという感じでご案内していました。
高木税理士:法人にするメリットやデメリットですかね。どういう基準で、どういうふうにやったらいいのかといったところです。
暗号資産(仮想通貨)の確定申告に関して、どんなことに注意しておいた方がよいでしょうか?
高木税理士:国税庁から出たFAQの内容と、平成31年度税制改正大綱についての内容ですね。年間取引報告書というのが国内の取引所から送付されるので、それに基づいて国税庁の書式に記載をして提出するという点です。昨年より簡単になっている感じですね。ただし、総平均法のみ対応です。
税制改正の成立は平成31年3月頃だと思うのですが、法人の場合は時価評価で計算しないといけなくなります。但し、しばらくは経過措置があります。
高木税理士:ツール提供会社でそのまま税理士まで紹介します、といったサービスがあるようですが、紹介された税理士が暗号資産(仮想通貨)についてあまり知らず、ひどい目にあったというケースもあるそうです。
高木税理士:実際に話をして、自分の目で確かめた方がいいですね。あと税理士とは長く付き合っていく可能性もありますから、自分に合うか合わないかも見た方がいいと思います。
確定申告を見据えて、日頃から準備しておいた方が良いことはありますか?
高木税理士:今どれくらいの利益が出ているかをある程度把握しておきましょう。ウォレットの利益と実際に申告する利益は異なりますので、申告ベースの利益をある程度把握しておくことが重要です。所得が出るのであれば納税額を確保しておくことも重要です。
高木税理士:国からはないですね。暗号資産(仮想通貨)税務研究会という全国的な組織があって、そこで情報共有などをしています。運営している会社が利益計算のソフトを出していて、税務調査や新しい税制に対する解釈などの情報を共有しています。
法人の暗号資産(仮想通貨)の確定申告に関して注意しておいた方が良い点はどこでしょうか?
高木税理士:これは先程もお話しした、FAQと税制改正大綱ですね。(2018年12月14日に公表)昨年は個人事業主扱いで事業所得として申告している人が多いという記事はよく見かけましたね。
形式的に開業届を税務署に出せば事業所得として認められるかというと、すでに認められないと明文化されました。副業レベルの個人事業ではなく、きちんとそれで生計を立てていないと事業として認められないので注意が必要です。
また、先程も述べたように、法人の場合は時価評価で計算しないといけなくなると思います。
確定申告をしなかった場合、どんなリスクがあるでしょうか?
高木税理士:無申告の場合は最大20%の無申告加算税があります。しかし調査が来る前に自主的に申し出れば5%となります。これにプラスして延滞税といわれているものがあります。最大で年利14.6%です。この2つのペナルティに加えて、さらに悪質な場合は重加算税が最大40%加算されます。
すべてのペナルティが重なると全部で50%以上ペナルティが課される可能性があります。
高木税理士:期間は決まっていません。無申告で心配な方はまず税理士に相談した方がいいでしょう。
高木税理士からのメッセージ
高木税理士:やはり自分に合った税理士を見つけましょう、ということですね。暗号資産(仮想通貨)に精通した税理士もまだあまりいないので。
高木税理士:ネットですべてできる方ならいいのですが、そうでない場合は資料のやりとりなどをしないといけないところですね。あと税務調査で税理士に立会を依頼する場合、税理士の旅費負担も検討しなきゃいけないでしょう。
高木税理士:基本的には利益が出ている方と考えていいでしょう。出ている利益が大きい方は特に。暗号資産(仮想通貨)の申告が増えたのは去年からの話ですから、具体的な基準についてはわからないので、準備をしておくことが重要ですね。
高木税理士へのインタビューを終えて
- 今年は、国内取引所から年間取引報告書が送られてくるため、その記載事項を基に国税庁の計算書に入力すれば簡単に損益計算(総平均法のみ)ができる
- どれくらい利益が出ているかある程度把握し、また納税分のお金をきちんと確保しておこう
- 確定申告をしないと、納税額にさらに上乗せしてペナルティが課せられる
- 暗号資産(仮想通貨)に精通した税理士は少ないかもしれないが、長い付き合いができるよう自分に合った税理士を見極めよう
さて、高木税理士へのインタビューはいかがだったでしょうか。
高木税理士からの言葉で印象的だったのは、暗号資産(仮想通貨)に限らず、やはり自分に合った長い付き合いのできる税理士を選ぶことが本当に重要だということ。
もしかすると、何年も付き合いが続きかもしれないパートナーだからこそ、しっかりと話をして選びたいですね。
また確定申告をしなかった時のペナルティも詳細に語っていただいています。暗号資産(仮想通貨)で利益が出たという方は、忘れずに確定申告をしておきましょう。
高木先生、この度はインタビューにご協力いただきましてありがとうございました!!
税金対策