✔ 暗号資産(仮想通貨)投資の確定申告が必要な方
✔ 暗号資産(仮想通貨)投資で利益が出ている方
「そういえば暗号資産(仮想通貨)投資に関係する費用は、経費にできないのかな?」暗号資産(仮想通貨)投資を始めたら、なるべく費用を抑えて投資の利益を伸ばしたい所ですよね。
そこで今回は、暗号資産(仮想通貨)投資の経費として認められるものと、認められない可能性のあるものをそれぞれご紹介していきます。
暗号資産(仮想通貨)投資の利益を伸ばすために、経費として計上したいものがある方は今回の記事を参考にして改めて検討してみてください。
- 暗号資産(仮想通貨)投資は経費として計上できる内容がある
- 暗号資産(仮想通貨)投資に関連性がなく証明できないものは経費にできない
- 線引きが分からない場合は税理士や税務署にて相談するとよい
- 経費として計上するためにも帳簿付けは必要
目次
暗号資産(仮想通貨)における経費の重要性をおさらい
まずは暗号資産(仮想通貨)における経費の重要性を理解するために、税金や経費の基本についてお伝えします。
経費とは事業活動に関する支出
そもとも経費とは、事業活動に関係する支出のことを指します。
たとえば仕事に使用するパソコンやデスクの購入費用などです。
そして経費は収入から差し引くことができるので、所得税を節税するために非常に重要な要素ということが分かります。
所得税は年間20万円もしくは38万円を超える金額になると納税義務が発生
所得税の納税義務の金額や条件は、以下のようにいくつかのケースに分かれています。
- 給与所得があり、給与所得以外の年間所得が20万円を超えると後者の所得に関して確定申告義務が発生
- 給与所得がなく、給与所得以外の年間所得が38万円を超えると所得に関して確定申告義務が発生
他にも給与所得者でも、年間収入2000万円が超えていると確定申告しなければいけないケースもあります。
特に給与所得者は、国税庁のホームページや問い合わせにて確認することが大切です。
暗号資産(仮想通貨)の所得区分
暗号資産(仮想通貨)の所得区分は雑所得で、所得税の計算方法は「収入-経費」に税率に応じた控除額を差し引いたシンプルな内容です。
そして暗号資産(仮想通貨)に適用される雑所得にも、経費を計上できるので次の項目で必要経費について覚えておきましょう。
暗号資産(仮想通貨)投資で必要経費にできるもの【以外と多い】
暗号資産(仮想通貨)投資を始めるにあたって、初期費用0円で始められた方もいるかもしれませんが、中には仮想通関連の出費が発生した方もいるでしょう。
暗号資産(仮想通貨)投資にパソコンは勿論ですが、マイニングを行う場合はマイニングマシンを購入する必要があります。
また、暗号資産(仮想通貨)の勉強をするために書籍を購入したり、暗号資産(仮想通貨)セミナーや集まりに参加したりすることもあります。
こうした暗号資産(仮想通貨)に関連する支出の中には、必要経費として計上できるものがあるので事前に確認しておきましょう。
それでは、経費として計上できる内容をご紹介していきます。
経費①マイニング作業にかかった費用
国税庁のHPでは、2018年に暗号資産(仮想通貨)に掛かる経費について説明した資料を発表しました。
その中で所得の計算方法に関して、マイニング作業に関連する費用を所得から差し引くことができると解説しています。
暗号資産(仮想通貨)の経費として計上できるマイニング関連の費用は、
- マイニングマシンの機材費
- マイニングを稼働させるための電気代
- その他維持費
が可能となっています。
マイニングの機材費は、マイニングのために購入・自作したパソコンやマイニングマシンを指します。マイニングマシンは、パソコンと共通する部品で構成されていますがモニタやキーボードなど一部の部品を除いた構成です。
マイニングを稼働させるための電気代を計上する際の注意点は、日常生活で使用している電気代と明確に分けて計算していることを示すため、証明できるよう領収証などを保管しておきましょう。
経費②ビットコイン・アルトコイン等の暗号資産(仮想通貨)の取得価額
暗号資産(仮想通貨)の取得価額とは、原価のことです。
簡単に説明しますと、暗号資産(仮想通貨)の購入価格のことです。
こちらも国税庁のHPにて、暗号資産(仮想通貨)の所得計算方法に関して差し引くことができる経費として説明されています。
- 1回の購入であれば、単純に購入価格を経費とします。
- 複数回購入した場合は、移動平均法を用いるのが一般的です。
経費にするための計算方法は、購入時の価格を足して暗号資産(仮想通貨)の平均単価で割ります。
しかし、総平均法という計算方法もあり、こちらは1年間の購入価格を1年間に取得した仮想通貨(ビットコインやイーサリアムなどの単位)で割ります。
平均取得価額は、購入ごとに計算する方が実際の金額に近くなるので、国税庁でも移動平均方法をすすめています。
経費③ビットコイン・アルトコイン等の暗号資産(仮想通貨)の売却手数料
ビットコインやアルトコインを売却した際に発生した手数料についても、暗号資産(仮想通貨)の収入を得るために必要な経費として計上できます。
しかし、厳密に定義されていない部分が多く、独自の判断で全て計上してしまうと確定申告後に、指摘・説明を求められる可能性もあります。
確定申告前に、税務署へ相談するのがおすすめです。
経費④暗号資産(仮想通貨)関連の書籍やセミナー代
暗号資産(仮想通貨)に関連する経費として計上できるものは、他にもまだまだありますが代表的なのは書籍やセミナー費用などの、暗号資産(仮想通貨)を学ぶために掛かったコストです。
例)
- 暗号資産(仮想通貨)入門本
- 暗号資産(仮想通貨)の技術本
- 暗号資産(仮想通貨)セミナー代
- 暗号資産(仮想通貨)の勉強会の参加費用
ただし線引きは難しいので、セミナーや情報収集のための集まりであれば、いつ・どこで・誰と・何をしたか証拠を提示する必要があります。
例えば、領収書に内容を記載するなどしておくとよいでしょう。また、領収書だけでなく具体的なセミナー内容を記した資料なども保管しておくことをおすすめします。
経費⑤暗号資産(仮想通貨)の情報収集を目的とした集まり
暗号資産(仮想通貨)の情報収集を目的として集まりについても、経費として計上できる場合があります。
しかし、こちらも④と同じく、具体的な内容や日時、本当に暗号資産(仮想通貨)の情報収集を目的としているのか証拠を提示できる状態にしておかなければいけません。
特に情報収集に関しては、曖昧な部分が多く証拠提示が難しい可能性もあります。
やみくもに経費として計上していると、後から指摘・確認を受けることになるので気を付けましょう。
経費⑥暗号資産(仮想通貨)取引に使用したPC、スマホ、タブレット、マウス、キーボード等
暗号資産(仮想通貨)取引に使用した端末や周辺機器も、暗号資産(仮想通貨)で利益を得るために必要な経費といえるでしょう。
また、端末自体が証拠として提示できるので、比較的計上しやすい可能性があります。
たとえば暗号資産(仮想通貨)取引のために、以下のような機器を購入した場合も経費と計上可能な場合があるので、購入した方はリスト化しておきましょう。
- パソコン
- スマホ
- タブレット
- モニタ
- キーボード
- 自作の場合は、マザーボードやGPU、PCケースなど各部品
経費⑦インターネット利用料
暗号資産(仮想通貨)取引では、インターネットの利用は欠かせません。
そのため暗号資産(仮想通貨)取引やマイニングのために使用したインターネット利用料も経費として計上可能です。
しかし、インターネット利用料は、1ヶ月の総使用量で計算されるので暗号資産(仮想通貨)取引とそれ以外で金額を分けるのが難しいところです。
そのため1度税務署にて、インターネット利用料について相談してみると後々確認や指摘を受けるリスクを抑えられます。
経費⑧家賃・水道光熱費
暗号資産(仮想通貨)取引を行うのは、個人であれば自宅がほとんどでしょう。
その場合、家賃や水道光熱費も一部暗号資産(仮想通貨)に関する経費として計上できます。
しかし線引きがあいまいなため、経費として計上した金額の合理的な説明ができるよう準備しておかなければいけません。
たとえば個人事業主の確定申告の例を用いると、暗号資産(仮想通貨)取引に使用した床面積から考える方法もあるでしょう。
経費算入時には「家事按分」の考え方が重要
経費を参入する時は、家事按分の考え方を理解しておくことが重要です。
暗号資産(仮想通貨)取引などは自宅で行うことが多く、家賃や水道光熱費などは生活と混ざっています。その線引きを明確にするための方法の1つが、家事按分です。
しかし、具体的な割合や計算方法は定められていないため、都度税務署に相談するなど確認作業も必要です。
たとえば電気料金の場合は、使用時間・日数、暗号資産(仮想通貨)取引に使用した端末を記録しておき、出来る範囲で経費に計上できる金額を算出します。
暗号資産(仮想通貨)の経費に関するQ&A
続いては、暗号資産(仮想通貨)に関する細かな経費に関する悩みについて、いくつか解決策をご紹介します。
レバレッジ手数料や取引手数料は経費になる?
暗号資産(仮想通貨)取引には、レバレッジ手数料や取引手数料が発生します。
いずれも基本的に経費として計上しても問題ないのが、一般的な解釈です。
借入金で暗号資産(仮想通貨)を購入したら、利息は経費にできる?
暗号資産(仮想通貨)を借入金、つまり借金した資金で購入した場合の利息は、税務署に対して合理的な説明ができれば可能と考えられます。
合理的な説明とは、経費として計上する利息の元となる借金が、本当に暗号資産(仮想通貨)取引を目的としたものなのかといった点です。
しかし、必ずしも経費として認められるかは分からない部分も多く、可能であれば借金しないことを第一に考えましょう。
ICO投資をしたら初期投資金は経費になる?
ICO投資の場合は、投資資金は経費ではなく取得価額として考えるのが合理的ですので、経費として計上はできない可能性が高いです。
また、経費は支出であれば何でも計上できる訳ではないので、ICO投資など法的な取り扱いも明確でないケースは、慎重に検討しましょう。
一定額以上の利益がでたら確定申告を忘れずに
- 暗号資産(仮想通貨)投資は経費として計上できる内容がある
- 暗号資産(仮想通貨)投資に関連性がなく証明できないものは経費にできない
- 線引きが分からない場合は税理士や税務署にて相談するとよい
- 経費として計上するためにも帳簿付けは必要
暗号資産(仮想通貨)の経費として計上したいと考えた際は、まず直接的に関係するモノやサービスだったか整理しましょう。
分かりやすいところでは、暗号資産(仮想通貨)のマイニングや取引に必要な機材費や電気代などです。その次に書籍やセミナー代などを検討しましょう。
ICO投資やあまりに曖昧なケースは、矛盾なく説明できないことがほとんどのため、経費として計上しても後々問題になるだけなのでやめましょう。
暗号資産(仮想通貨)の取得価額を経費として計上する場合は、移動平均法が一般的ですが、総移動平均法という別の方法もあるので、税理士や税務署にて相談するのがいいでしょう。
経費は節税するための方法として役立ちますが、簡単に計上できる訳ではないことも理解し、慎重に考えることをおすすめします。
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