ビットコイン取引所によっては「サーキットブレーカー制度」を導入している場合があります。
価格が大きく動いた時に、注文が一時的に通らなくなるためサーキットブレーカーへの理解が必要です。実は、私達の資産を守る重要な働きをサーキットブレーカー制度は担っています。
本記事では「サーキットブレーカー制度」をテーマに、具体的に何ができなくなるのか?どの取引所で採用されていて、誰が使うべきなのか?まで分かりやすく解説します。
目次
「サーキットブレーカー制度」とは?
「サーキットブレーカー制度」とは、相場に急変動が起きた時に取引を一時的に止める仕組みのことです。
サーキットブレーカー発動時では、強制的に取引が停止され、新規注文ができません。また、あらかじめポジションに設定された指値・逆指値といった予約注文がサーキットブレーカー発動時に有効かどうかは取引所によってことなります。
ビットコイン取引所だけでなく、もともと株式や指数の市場でサーキットブレーカー制度から生まれました。
サーキットブレーカー制度の役割
サーキットブレーカー制度は、相場の急変動によって予期しない価格で注文が約定し、顧客が損失を抱えるリスク軽減の役割があります。
また、日常的な相場では起こりえないイレギュラーな動きから、投資家・トレーダーが冷静を取り戻すといった効果もサーキットブレーカー制度の重要な役割です。
例えば、10万円・30万円・15万円と連日価格を上げている相場で、唐突の80万円ほど暴落しました。おそらく、連日上げている事実から80万円安く買えると判断する人もいるかも知れません。
しかし、本来はイレギュラーな暴落ですから一旦は様子見をするのが安全です。大きな金額が動けば、冷静さを失い間違った投資判断をしやすくなります。
サーキットブレーカー制度は、冷静さを失った危険な投資判断を止めるといった重要な役割と言えるでしょう。
ビットコイン取引所のサーキットブレーカー制度
日本国内の暗号資産取引所では「bitFlyer(ビットフライヤー)」がサーキットブレーカー制度を導入しています。
bitFlyerのサーキットブレーカー制度の詳細は以下の通りです。
サーキットブレーカー発動条件 | 制限値幅の範囲外における価格での約定が見込まれる発注が行われた場合 |
対象サービス | Lightning 現物 (BTC/JPY) Lightning 現物 (XRP/JPY) Lightning 現物 (ETH/JPY) Lightning 現物 (XLM/JPY) Lightning 現物 (MONA/JPY) Lightning 現物 (ETH/BTC) Lightning 現物 (BCH/BTC) Lightning FX Lightning Futures ビットコイン取引所 |
基準価格 | 10分前の約定価格 |
制限値幅 | 基準価格の上下20% |
中断時間 | 約5分間 |
再開方法 | 中断時間経過後、板寄せ方式により取引を再開 |
bitFlyerのサーキットブレイカー制度は、10分前の価格を基準に、上下20%の変動があると発動します。
つまり、10分で20%動けばサーキットブレイク発動、約5分間取引停止です。サーキットブレーカー発動中では、あらかじめ設定された予約注文のみが有効になります。
サーキットブレーカー発動中に新規注文は行えないため注意が必要です。また、サーキットブレーカーによる取引中断が解除されても、価格の変動が終わらない場合、サーキットブレーカーは継続します。
サーキットブレーカー制度の注意点
サーキットブレーカー制度の「機会損失のついては補填しないルール」には注意しましょう。
自身の予想通りの方向へ、大きく価格が動き、サーキットブレーカー発動中に取引できないといった機会損失が考えられます。
サーキットブレーカー制度の役割は、相場の急変動によるリスク軽減です。しかし、サーキットブレーカーは、熟練したトレーダーにとっては機会損失になると言った考え方もできます。
なぜなら、サーキットブレーカーの発動する相場は、価格が大きく動くからです。例えば、ビットコインFXや暗号資産のレバレッジ取引では、空売りによって暴落相場でも利益が得られます。
暴落時は、短時間で大きく価格を下げるためサーキットブレイカーが発動しやすいです。暴落時の空売りは、短時間で利益を上げやすく、サーキットブレーカーが取引の邪魔になる場合もあるでしょう。
ただし、あくまで熟練トレーダーにとってサーキットブレイカーが機会損失になるといった話です。
初心者には、やはり暴落を予期すること自体が難しく、急変動相場で無暗に取引するのはリスクが高くなります。
サーキットブレイカーのない暗号資産取引所
機会損失を避けるために、あえて「サーキットブレーカー無しの暗号資産取引所」を使いたい方も多いです。
ただし、サーキットブレーカーが無いだけでなく、約定力に強い暗号資産取引所を使いましょう。
なぜなら、サーキットブレーカーの有無に関係なく、約定力が弱いと急変動相場で注文が通らない可能性が高いからです。
GMOコインとDMM Bitcoinが、国内の暗号資産取引所でサーキットブレイカーがなく、安定した約定力を提供しています。
いずれも、企業母体が大きく、金融業界ではブランドの知られている運営です。
例えば、GMOコインのGMOグループには、FX取引高で世界一位を記録したGMOクリック証券はあります。
また、DMM BitcoinのDMMグループは、口座開設数が日本で最も多いDMM FXの運営元です。大きな取引量を十分にこなせる、大手のインフラが約定力の高さを実現します。
GMOコインの概要
- 世界トップクラスのGMOグループが作った「GMOコイン」
- シンプルで分かりやすい取引画面
- スマホ&PCの両方で専用取引ツールが使える
取り扱い銘柄 | 12種類 |
取引プラットフォーム | PC・タブレット・スマホ |
取引方法 | 現物・FX(レバレッジ取引) |
DMM Bitcoinの概要
- 暗号資産交換業者登録 関東財務局長 第00010号
- 誰もが知るDMMグループ運営の安心体制
- スプレッドを気にせず取引「BitMatch注文」
取り扱い銘柄 | 11種類 |
取引プラットフォーム | PC・タブレット・スマホ |
取引方法 | 現物・FX(レバレッジ取引) |
【DMM FXでお馴染み】DMM Bitcoinの口座開設ページへ
【まとめ】ビットコイン取引所のサーキットブレーカー制度
今回は「ビットコイン取引所の「サーキットブレーカー制度」とは?役割と注意点」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 「サーキットブレーカー制度」は急変動時に取引を停止する仕組み
- 急変動による誤発注や損失のリスク軽減や投資家・トレーダーの冷静さを保つ効果がある
- 熟練トレーダーにとってサーキットブレーカーが機会損失になる場合もある
- 国内の暗号資産取引所ではbitFlyerがサーキットブレーカーを導入
- サーキットブレーカーが不要な方は、約定力の高い「GMOコイン」「DMM Bitcoin」を使う
サーキットブレーカー制度について解説しましたが、おそらく必要・不要で意見が分かれるかと思います。
筆者自身は、暗号資産(仮想通貨)の短期トレードが中心なので、サーキットブレーカーは不要派です。
同じように短期トレードで、ある程度リスクを取り、短期間の利益を狙う方はGMOコインやDMM Bitcoinなどサーキットブレーカーのない取引所を使うのが良いでしょう。
あるいは、長期投資や初心者で急変動相場で冷静さを保つ自身がない場合は、やはりサーキットブレーカー導入済みのbitFlyerが安心です。
レバレッジ取引入門