✔ 暗号資産(仮想通貨)ETFの動向が気になる方
✔ 暗号資産(仮想通貨)投資を始めようとしている方
暗号資産(仮想通貨)取引をするうえで、今後押さえておきたいのが暗号資産(仮想通貨)ETFです。
様々な要因で価格が変化する暗号資産(仮想通貨)市場ですが、ETFの如何はとても大きな要素になりえます。
今回は暗号資産(仮想通貨)ETFとは何か、そしてETFを巡る動きと今後の予想を紹介していきます。
今後暗号資産(仮想通貨)取引に参加したいと思っている人も要チェックです。
- 暗号資産(仮想通貨)ETFの実現は取引方法にバリエーションができ、価格の上昇も見込める
- 暗号資産(仮想通貨)ETFは金融商品で「上場投資信託」と言う投資信託のひとつである
- 2019年12月時点ではビットコインETFの上場申請はまだ承認されていない
- 暗号資産(仮想通貨)ETFは暗号資産(仮想通貨)市場へ好影響を与える要素になっている
暗号資産(仮想通貨)・ビットコインETFとは?
ではまず気になるのが暗号資産(仮想通貨)・ビットコインETFとは何か、という点でしょう。特に暗号資産(仮想通貨)でしか取引をしない人だと、いまひとつピンと来ないかと思います。
暗号資産(仮想通貨)ETFは金融商品のひとつです。どういう性質を持つかを知ることで、それがどういった影響を与えるのかを見ることができます。
まずETFとは何か、そして暗号資産(仮想通貨)ETFとは何か、を見ていきましょう。
ETFとは?
ETFとは「Exchange Traded Funds」の略で、日本語では「上場投資信託」と言います。その名前の通り、投資信託のひとつです。
投資信託とは投資家から集めた資金を専門家が株式や債権など複数の銘柄で運用して利益を出し、その利益を投資家へと還元する金融商品です。
ETFは投資信託の中でも、東証株価指数(TOPIX)などに値動きが連動するように運用され、金融商品取引所へと上場されるものを指します。
普通の投資信託は銀行などで手続きをしないと購入できませんが、ETFは上場しているために、株式などと同じ要領で売買することができます。
暗号資産(仮想通貨)・ビットコインETFの仕組み
暗号資産(仮想通貨)ETFは文字通り、暗号資産(仮想通貨)を用いたETFです。ビットコインETFであれば、専門家が他の商品と共にビットコイン(BTC)を運用します。
暗号資産(仮想通貨)は総じてハイリスクハイリターンですが、暗号資産(仮想通貨)ETFは指標と値動きを連動させるので安定感が増します。
更に暗号資産(仮想通貨)ETFなら暗号資産(仮想通貨)に投資しつつ、他の金融商品にも投資できるためひとつの金融商品で分散投資が可能です。投資の世界には「卵をひとつのカゴに盛るな」という言葉があり、リスク管理のために分散投資がよく勧められます。
また暗号資産(仮想通貨)ETFはそのETFが参照する指数全体に投資するのと同じ意味合いを持ちます。そのため理屈の上では水準以上の価格推移が見込め、儲かります。もちろん実際に利益をあげられるかはそのときの市場環境にも依存します。
ビットコインETF導入による影響とは?
暗号資産(仮想通貨)ETF、ビットコインETFの実現はただ取引方法にバリエーションができるだけではありません。ビットコイン(BTC)にとってプラスの材料になる要素があり、もし実現すれば価格の上昇を見込めます。
ではどういった要因でプラスの影響が出るのかを見ていきましょう。
信用取引が可能となる
ETFは信用取引ができます。ETFは何らかの指標に合わせて値動きをする金融商品のため値動きが非常に分かりやすく、レバレッジを効かせたり、売りから取引に参加できる信用取引と非常に相性がいいです。
現在暗号資産(仮想通貨)の信用取引は暗号資産(仮想通貨)取引所によってできるところとできないところがあり、充分に取引環境が整備されているとは言えません。
ビットコインETFが導入されれば、間接的にビットコイン(BTC)での信用取引が増え、多くの資金がビットコイン(BTC)へ流入するようになります。
機関投資家の市場参入による相場の高騰
現状、暗号資産(仮想通貨)は暗号資産(仮想通貨)取引所か個人間で手に入れるしか入手方法がありません。そのためどうしても個人単位での取引が多くなってしまいます。
ビットコインETFは一般の金融商品取引所にも広く上場しているため、機関投資家の参入が見込めます。
機関投資家がビットコインETFを売買することで間接的に多額の資金がビットコイン(BTC)の取引に使われるため、相場が高騰する可能性があります。
取引利益に対する税負担の減少(申告分離課税の適用)
暗号資産(仮想通貨)の取引であげた利益は雑所得に分類されます。そのため他の所得と合わせた金額が課税対象となり、最大でなんと45%も課税されてしまいます。
一方暗号資産(仮想通貨)ETFで得た利益は株式と同じで申告分離課税が適応され、税率は一律で20.315%です。
暗号資産(仮想通貨)ETFは間接的に暗号資産(仮想通貨)へ投資することができる金融商品ですが、同じ暗号資産(仮想通貨)への投資でもETFなら税負担が減少します。
よりお得に暗号資産(仮想通貨)を取引できるようになり、価格に好影響を与えます。
ビットコインETFの承認を巡る動き
ここまではビットコインETFが暗号資産(仮想通貨)市場にいい影響を及ぼすことを紹介してきました。これがすべて本当であれば、既にビットコインETFは承認されていそうなものですが、現状ではまだ承認されていません。
実はビットコインETFの承認を巡ってはこれまでも色々な動きが見られました。ではその動きと、どうして承認されないのかということを見ていきましょう。
SECがビットコインETFを承認しないワケとは?
ビットコインETFは金融商品なので、当然上場に当たってはその国の証券取引に関する機関に上場の承認を受けなくてはなりません。アメリカではSEC(証券取引委員会)がこれに該当します。
SECにはこれまでいくつもビットコインETFの上場申請が来ていますが、いずれも承認はしていません。
問題点は主に2つです。
ひとつは暗号資産(仮想通貨)が金融商品として性質があまりに他と異質な点です。暗号資産(仮想通貨)はデータ上の存在のため、適正な価格というものが存在しません。また発行枚数も限定されており、流動性が低い点も他とは異なります。
もうひとつが暗号資産(仮想通貨)取引への規制が不十分な点です。まだ歴史の新しい暗号資産(仮想通貨)は法的な規制が進んでいません。そのため詐欺や価格操作などが起きる危険性が指摘されています。
これらの点から他の金融商品とまとめてETFとして扱うことが難しくなってしまうのです。
CBOEによる申請取り下げ
ビットコインETFの申請はCBOE(シカゴ・オプション取引所)を通して行われます。過去にはウィンクルボス兄弟などもCBOEを通して申請しています。しかしその多くが審査期間中に否認されました。
そうした中で残っていたのが、アメリカの運用会社のVanEck社とSolidX社がCBOEを通して2018年6月20日に申請していたものです。
しかしCBOEは2019年1月23日にこの申請を取り下げました。この背景にはトランプ大統領の意向で1ヶ月以上SECが閉鎖され、交渉が進まなかったことがあります。
CBOEは取り下げた1週間後の1月30日に再度ビットコインETFを申請しています。
SECがビットコインETFを否認(2019年10月10日)
また2019年10月10日、SECはBitwise社と暗号資産(仮想通貨)取引所NYSE Arcaが申請していたビットコインETFを否認しています。否認理由は他のETFと同様に市場操作などのリスクを解消できていない点などです。
VanEck社が1月30日に出していた申請も9月には取り下げられており、ビットコインETFの申請は全滅してしまった形になりました。
ですが2019年11月19日にBitwise社の申請したビットコインETFの再審査が決定しています。再審査とはいえ審査基準は変わらず、依然厳しいままですがまだ希望は残されている形となっています。
暗号資産(仮想通貨)・ビットコインETFまとめ
- 暗号資産(仮想通貨)ETFの実現は取引方法にバリエーションができ、価格の上昇も見込める
- 暗号資産(仮想通貨)ETFは金融商品で「上場投資信託」と言う投資信託のひとつである
- 2019年12月時点ではビットコインETFの上場申請はまだ承認されていない
- 暗号資産(仮想通貨)ETFは暗号資産(仮想通貨)市場へ好影響を与える要素になっている
今回は今後の暗号資産(仮想通貨)市場を左右する要素のひとつである、暗号資産(仮想通貨)・ビットコインETFについて紹介しました。
暗号資産(仮想通貨)ETFは多くの要因から暗号資産(仮想通貨)市場へ好影響を与える要素となりえます。また暗号資産(仮想通貨)ETF自体も堅実に利益をあげられる仕組みのため、多くの暗号資産(仮想通貨)投資家にとっては実現が期待されるものになっています。
ただこれまで多くの暗号資産(仮想通貨)ETFがSECに申請され、却下されている現状を踏まえるとまだまだ実現は厳しいと言わざるを得ません。現在はBitwise社による申請が再審査されていますが、一度否認されている以上承認へのハードルは高いです。
暗号資産(仮想通貨)ETFの否認は規制が整備されていない状態が最も大きな原因です。今後市場が整備されれば承認される日も来るかもしれません。大きなニュースであるために、必ず見落とさないようにしましょう。
仮想通貨の今後