仮想通貨Horizenとは、ZenCashというアルトコインが新しいブランドとして立ち上げたプロジェクトです。
ZCashの優れた匿名性を引き継ぎ、他のブロックチェーンと相互的な運用を可能にしたのがHorizonになります。
多くのアルトコインが急騰を始めた、2020年末からHorizenの独自トークンは30倍の価格となりました。
本記事では「仮想通貨Horizenとは?」をテーマに基本~最新情報、価格推移から今後の予想まで徹底解説をお届けします。
仮想通貨Horizenとは?
Horizenは元々ZenCashという名前の仮想通貨でしたが、2018年8月にリブランディングを実施し、名前を変更したものです。
ZenCashも元をたどるとZCashという仮想通貨に行きつきます。HorizenはこのZenCashと同様に、匿名性の高さを特徴とする仮想通貨です。zk‐SNARKという技術を用い、2者間の取引内容を外部から秘匿することができます。
またHorizenはZendooというサイドチェーン機能を実装することで、現在のブロックチェーン技術が抱えるスケーラビリティ問題という問題を解決しました。Zendooは高スケーリングであり、クロスチェーン転送プロトコルという技術を用いることでHorizenのメインチェーンはもちろん、他のブロックチェーンと相互運用が可能です。
加えてHorizenは40000を超えるノードを抱えており、BitcoinやEthereumのような分散化されたガバナンスを実現しました。サイドチェーンを実装する仮想通貨は中央集権的なモデルを採用するケースが多いですが、Horizenは非中央集権的な体制を実現しており、他の仮想通貨にはないメリットとなっています。
仮想通貨Horizenに関する最新情報まとめ
リリース日 | 概要 | 情報ソース |
2020年12月3日 | HorizenとGenesis Custodyが提携 | |
2021年3月1日 | HorizenはIOTAとの提携を発表 | |
2021年3月8日 | HorizenはStakeHoundと提携を発表 |
仮想通貨Horizonは、圧倒的に多いノードを抱えられ、他のブロックチェーンとつなぎ、匿名性や中央集権でない公平な運用を可能にします。
したがって、Horizonの発展は単体のシェア拡大ではなく、既存のブロックチェーンと提携し、分散的にユースケースを拡大することが重要です。
急騰の起点となった2020年からジワジワと2021年初頭にかけて、多くのブロックチェーンと提携する動きが見られました。
最終的には30倍の価格へと押し上げた、重要な好材料が多くあったと言えます。
それでは、仮想通貨Horizenに関する最新ニュースを見てみましょう。
HorizenとGenesis Custodyが提携
2020年12月3日、Horizenは仮想通貨カストディプラットフォームであるGenesis Custodyとの提携を発表しました。仮想通貨カストディサービスは投資家の代わりに投資した仮想通貨を保管・管理するサービスです。
Genesis Custodyはアメリカの大手仮想通貨取引所Genesis Tradingのカストディアン部門です。2020年9月29日に設立が発表されました。Genesisは2015年にVo1tというカストディアンを買収しており、ビジネスを統合した形です。
カストディサービスは企業や機関投資家など、より多額の資金を運用する投資家向けのサービスです。Genesis Custodyと提携することでHorizenが機関投資家の目に止まる機会も増え、より多額の資金が流入することが期待できます。またHorizenの技術を導入したいと考える企業にとっても好材料と言えるでしょう。
よりHorizenの取引額が増え、ユースケースが拡大することにより、価格の上昇につながる可能性があります。
HorizenはIOTAとの提携を発表
2021年3月1日、HorizenはIOTAとの提携を発表しました。この提携により、HorizenのサイドチェーンであるZendooにIOTA Oracleが導入されました。Zendooの利用者はIOTA Oracleを利用することで、オフチェーンのデータを活用することができます。Horizenのロードマップ上にも、独自の価値を提供しています。
IOTAは分散型台帳技術としてブロックチェーンではなく、DAG(有向非巡回グラフ)という技術を採用した仮想通貨です。DAGの導入により現在のブロックチェーン技術が抱えるセキュリティとスケーリング、非中央集権を実現しています。
IOTAはChrysalisというアップデートを実施して以来、他のエコシステムとの橋渡しを行い、独自の技術を用いてユースケースの拡大に焦点を当ててプロジェクトを進行させています。Horizenは実用的なユースケースを拡大させる目的でIOTA Oracleを導入した初めてのプロジェクトとなりました。
HorizenはStakeHoundと提携を発表
2021年3月8日、HorizenはStakeHoundと提携を発表しました。StakeHoundがHorizen用のDeFiブリッジを立ち上げることで、Horizenの利用者がStakeHoundのエコシステムに参加することができます。
StakeHoundはEthereumをベースとした仮想通貨カストディサービスを提供するプロジェクトです。PoSを採用する通貨をStakeHoundに預けると、預けた金額の1:1の割合で独自に発行されたStakedトークンを受け取ることができます。カストディサービスを利用しながらステーキング報酬を受け取れるほか、流動性プールやイールドファーミングなどのDeFiサービスも利用可能です。既にEthereumやDASHなどがStakeHoundに対応しています。
この提携により、近年利用が拡大しつつあるDefiエコシステムにHorizenも参加しました。StakeHoundの発行するStakedトークンはSushiswapをはじめとする他のDefiサービスにも既に対応しており、今後の利用拡大も期待できます。
仮想通貨Horizenの将来性
Horizenの将来性は高いと言えるでしょう。仮想通貨による支払いはアドレスから追跡ができるため、企業などへの利用が遅れていました。そのため匿名性の高いHorizenの需要は高いです。
加えてHorizenには他の匿名性の高い仮想通貨にはない、サイドチェーンという特徴があります。サイドチェーンを利用することで他の仮想通貨と容易に接続できるうえ、その通貨のトランザクションも秘匿することが可能です。
そのためプライバシーの保護を求める企業と企業への利用を進めたい仮想通貨プロジェクトとの間の橋渡しとして機能することで、Horizenのエコシステムが拡大することが期待できます。
一方、Horizenのような高い匿名性を有する仮想通貨は犯罪利用が懸念されます。Moneroという匿名性の高い仮想通貨は過去にダークウェブの決済手段として利用されたこともありました。Horizenの将来性は匿名性を維持しつつ、悪用をされないような対策が求められるでしょう。
高度な分散化を実現した「ZENトークン」
Horizenは40000を超えるノードと、ノードを多層化することでサイドチェーンを実装しながら高度に分散化されたガバナンスを実現しました。
HorizenではノードをSecure NodeとSuper Nodeの2つに分けています。Secure Nodeになるには42ZEN、Super Nodeになるには500ZENをウォレットにステーキングしなくてはなりません。
またSuper Nodeはより要求されるスペックが高く設定されています。この2つのノードがそれぞれ異なる役割を果たすことで安全かつ確実なデータ処理を実現しました。
またHorizenではメインチェーンとサイドチェーンでコンセンサスアルゴリズムが異なります。
サイドチェーンは2つのノードによるPoS、メインチェーンはPoWを採用しました。ネイティブトークンのZENはメインチェーンのPoWによって発行されており、2層のノードに加えてマイナーが監視することでネットワークの安全性を保っています。
仮想通貨Horizenの価格推移と今後
Horizen/ZENの基本情報 | |
Horizen/ZENの価格 | ¥6,306.76 |
一日の出来高 | ¥3,133,473,462 |
マーケットドミナンス | 0.05% |
市場ランキング | 89位 |
時価総額 | ¥69,166,451,264.81 |
直近1年間の高値/安値 | ¥18,495.11/¥557.68 |
最大供給 | 21,000,000ZEN |
※価格等の情報は2021年07月15日時点のCoinmarketcapより引用
仮想通貨Horizenのネイティブトークン「ZEN」は、海外の主要取引所に上場済みです。
日本国内の取引所で取り扱いはないものの、仮想通貨市場の規模は全体の89位と決してマイナー過ぎる銘柄ではありません。
ZENトークンは、ZEN/USDTのペアが多く取引されており、全体の2割近くをBinanceによる取引が占めています。
価格推移に注目すると、2020年末から2021年5月までの急騰相場が印象的です。
史上最高値169.23USDTを更新し、急騰前の2020年末からは30倍以上の価格になりました。
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ビットコインの下げにより、売られ過ぎ?
史上最高値を更新した5月以降、ビットコインの明確な下落相場への展開を受け、ZEN/USDTも日足レベルで下降トレンドを描いています。
やはり、他の仮想通貨との提携が好材料となっていた事もあり、仮想通貨全体に影響するビットコインの下落は、ZENトークンの価格にも反映されました。
しかしながら、3ヵ月ほどで30倍の価格へ成長したZENトークンは、長期的には上昇トレンドを継続する可能性が高いです。
直近の急騰相場と現在の下降トレンドでは、明らかに速度感が異なります。
チャートの形状からは、下降ウェッジとなる可能性も見えてきました。
ウェッジ上限は、売りの起点となっており、上限を超えるタイミングで史上最高値を目指す大きな上昇も期待できそうです。
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仮想通貨Horizeとは? まとめ
今回は「仮想通貨Horizenとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 仮想通貨Horizenは、アルトコインZCashから新しく立ち上げられたプロジェクト
- サイドチェーンの実装により、高度な分散化に成功
- 多くの仮想通貨と提携し、順調に活動できる市場を広げている
- 2020年末から3ヵ月で30倍に上がったネイティブトークン「ZEN」
- 史上最高値更新後は、下落トレンドだが再上昇の兆しが見えている
- 価格推移からは下降ウェッジの成立と共に、史上最高値が視野に
サイドチェーンの実装に限らず、高度な分散化と他のブロックチェーンを繋ぐ仮想通貨プロジェクトは数多く存在しています。
企業や既存のプラットフォームと提携する競合が多い中、Horizenは提携先の大半が仮想通貨プロジェクトというのが印象的です。
仮想通貨の中で、仮想通貨と共に進化を目指すというのが投資家に好感を与え、30倍という大規模な急騰相場となったのかもしれません。
価格推移からは、次の史上最高値の期待が十分に持てるHorizenの今後には要注目です。
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