Ampは、仮想通貨による決済が流通する未来を現実的にするプロジェクトです。
決済手段として、徐々にビットコインやイーサリアムに対応する実店舗も増えつつあります。しかし、決済速度の遅さからユーザーや店舗側が好んで仮想通貨決済を行うかと言えば、そうではありません。
仮想通貨Ampを仲介にすることで、決済手段としての致命的な遅さや、店舗側の抱える不安感を解決できます。
本記事では「仮想通貨Ampとは?」をテーマに、基本~最新情報に加え、今後の価格推移まで徹底的にまとめました。
仮想通貨Ampとは?
Ampは仮想通貨決済をより広く行うためのインフラとして開発された仮想通貨です。
仮想通貨決済はボラティリティの大きさと決済が承認されるまでの速度が大きな問題となり、決済手段としての流通が遅れている現状です。
例えばBitcoinの場合、安全に決済を完了させるまでにはおよそ60分もかかります。決済そのものも時間がかかるうえに、店舗側が保有するうちにBitcoinの価格が変動してしまう可能性があり、安定した決済は行えません。
そこでAmpは仮想通貨決済を安全、高速で行うための担保として機能します。店舗はBitcoinやEthereumをAmpを用いて受け取り、Ampが法定通貨を店舗に渡します。店舗は法定通貨で安定した利益を出すことができ、もし決済が遅れてもAmpが担保として存在するため、安心です。
同様のプロジェクトとしてFlexacoinというものがあります。AmpはDeFiプロジェクトが多様化する中でより拡張性・合理性を持たせられるようFlexacoinをより進化させたものであるため、実質的に同じものです。
仮想通貨Ampに関する最新情報まとめ
リリース日 | 概要 | 情報ソース |
2020年9月7日 | Ampのメインネットが公開 | |
2021年5月1日 | Yearn FinanceエコシステムとのDeFiの統合 | |
2021年6月10日 | 仮想通貨AMPがCoinbaseに上場 |
仮想通貨Ampに関する最新情報をまとめました。
Ampメインネットの公開が、プロジェクトにおける主なイベントと言えるでしょう。
メインネット公開から一年未満と、新興銘柄だと思われやすいですが、前述した通り先駆けとなFlxacoinが存在しています。
そのため、新興銘柄と言うよりは、Flexacoinのリブランディングと考えるのが正解でしょう。
金融規制の厳しい米国の取引所へ早い段階で上場できたのは、Ampのプロジェクト自体は前から進行していたからです。
Ampのメインネットが公開
2020年9月7日、Ampはメインネットを公開しました。2020年7月31日に前身であるFlexacoinの引退が発表され、新たにAmpのブランドが発表されていました。
Flexacoinはオンチェーンで担保を提供できる機能や担保マネージャーのオープンソース化などに課題を抱えており、より拡張性を持たせるためには根本的な仕様変更が必要です。そこで新しいトークンの発行を決定しました。
AmpはFlexacoinとConsenSysと協力し、Flexa Network上に構築されます。2020年6月にはConsenSysDiligenceというブロックチェーン、スマートコントラクトの監査を専門とする企業の、2020年7月、8月にはセキュリティ企業であるTrail of Bitsの監査をそれぞれ受けています。セキュリティ面には軽度の問題が確認されましたが、公開時には解決しています。
公開後、Flexacoinは1:1の割合でAmpと交換されました。
Yearn FinanceエコシステムとのDeFiの統合
2021年5月1日、AmpはYearn FinanceエコシステムとのDeFiの統合を発表しました。Yeran FinanceはSushiswapやCREAM Financeなど多くのDeFiプラットフォームと統合し、最適な利回りを提供するプロジェクトです。
Ampが担保として機能するためには高い流動性を維持し、常に高速で支払いができる状態である必要があります。そこでAmpはDeFiプラットフォームと積極的に統合を進めています。既にCREAM FinanceやSushiswapとは統合を完了させており、Yearn Financeと統合することで、より多くの利用者の流入が見込めるでしょう。
AmpはYearn Financeが提供するVaultのひとつに上場し、Yearn Financeの提供する効率的なレンディングプロトコルの一部となります。Yearn Financeの利用者は最適化された投資を通して間接的にAmpに資金を流入させることができます。
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仮想通貨AMPがCoinbaseに上場
2021年6月10日、Ampは仮想通貨取引所Coinbaseに上場しました。
Coinbaseは2012年10月にサービスを開始した、比較的歴史の長い仮想通貨取引所です。世界に約5600万人の利用者が存在し、仮想通貨取引所のほかにカストディサービスも提供しています。
CoinbaseはAmpの上場に際し、CoinbaseEarnという仮想通貨について学ぶプラットフォームにAmpを対応させました。CoinbaseEarnではAmpについて学びながら、少額のAmpトークンを得ることができます。
Coinbaseに上場することで、世界100か国以上の人々にAmpに触れる機会を与えられます。Ampの担保サービスを成立させるためには、多くの人がAmpを利用し、流動性を確保しなくてはなりません。Coinbaseは知名度も高く、Ampのサービスに大きく貢献できるでしょう。
またCoinbaseは2021年6月18日に金融庁に仮想通貨交換業者として登録しました。本格的に日本でのサービスの開始を控えており、将来的にはAmpが日本でも取引できるようになるかもしれません。
仮想通貨Ampの将来性
Ampは仮想通貨決済を導入するためのインフラとしてシェアを獲得することが期待されます。
仮想通貨を直接店舗が決済に導入するには、問題が数多く存在しています。
ボラティリティの大きさや決済に時間がかかる点がまず問題としてあげられますが、他にも問題は山積みです。保証金の必要性や仮想通貨を巡る法規制や税務面の複雑さ、セキュリティ面の懸念なども問題としてあげられるでしょう。
特に安全な決済を目指すためには、セキュリティは重要です。PoWを採用するプロトコルの場合は、常に51%攻撃のリスクが存在しています。
更に仮想通貨のコンセンサスアルゴリズムは「決済が覆る可能性が確率上限りなくゼロに近くなる」という確率的ビザンチン合意に基づいています。逆に言えば100%確実に覆らないということではないため、決済の信頼性が証明されません。
そこでAmpが担保となることで数々の問題を解決し、仮想通貨に対して理解のない店舗でも仮想通貨決済を導入することができます。店舗は法定通貨で受け取れ、消費者は仮想通貨で即時決済ができるため両者にメリットがあります。
仮想通貨AMPのメタステーキング
Ampのプロトコルを支えているのは、メタステーキングと言われる機能です。AmpはERC20を利用して発行されており、カストディサービスなどでEthereumのスマートコントラクトを用いて自由にAmpのステーキングサービスを開発することが可能です。
ステーキングされたAMPトークンは、Ampの担保として利用されます。コンセンサスアルゴリズムもPoSを採用しています。しかし一般的なPoSとは異なり、ブロックを承認するのではなく、Ampの利用によって得られた利益を利回りとして受け取ります。
またAmpは担保として利用されるごとに売却され、金銭を店舗側に提供する仕組みです。売られた分は自律的に買い戻されるようになっています。売却されたAmpは最もAmpを必要とする人の手に渡り、またステーキングされるという風にエコシステムが循環するのです。
メタステーキングは現在の仮想通貨決済の抱える問題を解決し、Ampが担保として機能する際の透明性やサービスの充分な流動性を確保することが可能です。
仮想通貨Ampの価格推移と今後
Amp/AMPの基本情報 | |
Amp/AMPの価格 | ¥6.41 |
一日の出来高 | ¥5,970,273,560 |
マーケットドミナンス | 0.19% |
市場ランキング | 30位 |
時価総額 | ¥270,896,779,922.83 |
直近1年間の高値/安値 | ¥13.42/¥0.0881 |
最大供給 | 92,547,638,199AMP |
※価格等の情報は2021年6月26日時点のCoinmarketcapより引用
Ampは、仮想通貨AMPとして海外取引所に上場済みです。
主な取引は、AMP/USDのペアで米国取引所Coinbase(コインベース)で行われており、AMPの取引シェアとして、全体の6割を占めています。
多くのアルトコインは、大規模な取引所に上場すると、史上最高値を更新し、下降トレンドに移行する流れが多いです。
しかし、AMP/USDの価格推移は比較的堅調で、ビットコインの地合いが弱い中、5日間かけて高値を付ける展開を見せています。
現在、仮想通貨市場ランキングでは30位で推移しており、他の銘柄とやや独立した値動きを見せている印象です。
AMP/USDは今後上がる?
堅調な価格推移を見せているとお伝えしましたが、AMP/USDの4時間足チャートからは、短期的には一旦の底値を決める展開が見られています。
Coinbase上場初日につけた安値圏が、直近では何度も買われる動きを見せており、現在も陽線をつけて再上昇の兆しを見せている状況です。
同価格帯で同じ規模の陽線を前回見せたのは、史上最高値を更新するに至った急騰前水準になります。
もちろん、AMP/USDのペアは上場から日が浅く、チャートから得られる過去のデータが少ない問題はあります。
しかし、上場以降の安値が買われる水準として意識され、前回の急騰と似た動きを見せている以上は、今後上がっていく初動と期待は持てるでしょう。
仮想通貨Ampとは? まとめ
今回は「仮想通貨Ampとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 仮想通貨Ampは、仮想通貨決済の問題を解消し店舗導入を促進するプロジェクト
- AMPを使って決済することで担保として機能し、仮想通貨決済の導入がしやすくなる
- FlexacoinからAMPは誕生しており、プロジェクト自体は長い運営期間を持つ
- 米国大手取引所Coinbaseに上場しておる、ドル建てのペアで6割のシェアを有している
- 価格推移からは短期的な底値を付けた可能性が高く、今後の上昇が期待される
金融商品としての魅力が徐々に受け入れられている仮想通貨ですが、根本的な決済手段としての問題は未だに解決できていません。
仮想通貨Ampの様に、決済手段として仮想通貨の問題を解決するプロジェクトは競合が多く、今後の需要拡大にも引き続き注目です。
とは言え、決済の担保として使えるのは仮想通貨AMPのみ。独自の強みもあるため、決済手段としてのシェア拡大は十分に期待できるでしょう。
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