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ビザ株:健全なファンダメンタルズがさらなる成長を示唆

ストーリーハイライト

世界的なデジタル決済処理企業であるビザ(NYSE:V)の株価は、年初来でS&P500指数(SPX)の25.4%上昇とほぼ同じ25.6%の上昇となっています。旅行需要の増加が2023年度第4四半期(7-9月期)の業績と売上高を押し上げ、アナリスト予想も上回りました。シームレスなキャッシュレス取引への絶え間ないシフトと革新的な事業拡大能力により、ビザは堅調な成長軌道にあると思われます。

ビザ、2023年度決算は好調

2023年度第4四半期の調整後1株当たり利益(EPS)は2.33ドルで、コンセンサス予想の2.25ドルや、前年同期の1.93ドルを上回りました。売上高は前年同期比11%増の86.1億ドルとなり、アナリスト予想の85.6億ドルを上回りました。

2023年度通期の売上高は前年比11%増の327億ドル、調整後EPSは17%増の8.77ドルでした。経営陣は、卓越した業績は、新型コロナ後のクロスボーダー取引(国境を越えて実施される取引)の回復と、付加価値サービスの成長が要因であるとしています。

この回復力は、第4四半期および通期ともに9%増加した決済件数にも反映されています。さらに、クロスボーダー取引は、これを後押ししている世界的な旅行業界の好調により、第4四半期には前年同期比16%増、通期では20%増となりました。

さらに、ビザが実施した調査によると、インフレ率の上昇にもかかわらず、世界的な新型コロナ大流行後の「リベンジ・トラベル(旅行需要の大きな回復)」が減速する兆しはありません。つまり、今後数四半期は、より多くのクロスボーダー取引が売上高の伸びを牽引するということです。

ビザの株主還元コミットメント

ビザ株のもう一つの利点は、配当が支払われることです。配当利回りは0.72%で、セクター平均の2.1%を大きく下回っています。しかし、配当性向は21.3%で、会社の成長とともに増配余地があることを示唆しています。

ビザは、第4四半期決算発表と同時に、1株当たり配当を16%増額し0.52ドルとすることも発表しました。さらに、250億ドルの複数年にわたる自社株買いプログラムを承認し、株主への資本還元へのコミットメントを示しました。

継続的な革新と成長

ビザは目覚ましい成功を収めていますが、金融情勢が刻々と変化する中、新たな困難に直面しています。データセキュリティとプライバシーに関する懸念は、デジタル時代においても依然として関係しており、機密情報を保護するための絶え間ない革新が必要です。

ビザは技術革新と戦略的パートナーシップに注力しています。10月2日、ビザは「商取引と決済の未来に影響を与える生成AI技術とアプリケーション」の開発に取り組む次世代新興企業に投資する1億ドルのイニシアチブを発表しました。

ライアン・マキナニー最高経営責任者(CEO)は次のように述べています。「新年度を迎えるにあたり、地政学的・経済的な不確実性を背景に、当社の業績に自信を持っています。この先には大きなチャンスがあり、決済の未来におけるビザの役割について、これまでと同様に楽観視しています。経営陣は、2024年度の売上高成長率(恒常為替レートベース)を2桁台前半と予想しています。

アナリストは、2024年度第1四半期(2023年10-12月期)の売上高は85.5億ドル、EPSは2.34ドルと予想しています。2024年度通期について、アナリストは売上高を前年比7.0%増の479億ドルと予想しています。ビザはここ数四半期、アナリストの売上高および利益予想を上回った素晴らしい実績があります。

下のチャートはビザの四半期EPSの推移です(単位:ドル。濃い色が予想値、薄い色が発表値)。

アナリストによると、ビザ株は「買い」?

2023年度第4四半期の好調な業績を受け、多くのアナリストが「買い」レーティングを再表明しました。CitiのアナリストAshwin Shirvaikar氏は、目標株価270ドルの「買い」レーティングを再表明しました。同アナリストは、ビザの売上高の伸びと、増配や自社株買いを通じた株主への資本還元の一貫した能力を高く評価しています。

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が18人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は281.74ドルで、今後12カ月で8.4%の上値余地を示唆しています。

結論

シンプルなクレジットカード会社から電子決済の世界的大企業へと発展したビザの歩みは、その進化を物語っています。さらに、強固で安全な金融インフラを維持しながら技術の進歩に適応する能力は、将来にとって良い兆候です。

旅行需要が増加し続け、マクロ経済の逆風が弱まる中、デジタル決済市場の拡大に伴い、ビザの売上高と収益は今後数年でさらに上昇する可能性があります。

さらに、TipRanksはビザの株式に10点満点中9点のスマートスコアを付けており、これは株価が広範な市場を上回る可能性が高いことを示しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Visa Stock (NYSE:V): Healthy Fundamentals Signals More Growth原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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