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アナリストによる、今買うべきフィンテック株ベスト3(2024年5月)

ストーリーハイライト

ウォール街のアナリストによれば、2024年5月に買うべきフィンテック銘柄のベスト3は、グローバル・ペイメンツ、ビザ、ファイサーブです。アナリストの注目を集めるフィンテック企業を、TipRanksの銘柄スクリーニングツールで調べました。

金融テクノロジー(フィンテック)業界には、決済処理、デジタルバンキング、融資、金融ソフトウェア、金融サービスなど幅広い企業が含まれます。

フィンテック業界は2024年、年後半の利下げ予想を背景に更なる勢いを見せる可能性があります。従来の銀行・貸付サービスから最新技術を活用した金融ソリューションに人々の関心が移っているためです。また、AIテクノロジーの進歩に伴い、フィンテック基盤の利便性と効率性も大きく向上しました。さらに、デジタル通貨が身近になるにつれ、フィンテック業界が発展する余地も広がります。

それでは、3社を詳しく見ていきましょう。

1位 グローバル・ペイメンツ(Global Payments, NYSE:GPN)

グローバル・ペイメンツは、加盟店、発行会社、消費者に決済テクノロジーとソフトウェア・ソリューションを提供しています。米国および国際市場におけるカード、電子マネー、小切手、デジタルベースの決済を網羅し、100カ国以上で400万人以上の法人顧客を持ち、毎年660億件以上の取引を処理しています。

グローバル・ペイメンツはまた、1株当たり0.25ドルの通常四半期配当を支払い、0.9%の利回りを反映しています。さらに、取締役会は、20億ドルの自社株買い計画を承認しています。

堅調な業績が続く見込み

2024年度第1四半期の調整後1株当たり利益(EPS)は前年同期比8%増の2.59ドルで、アナリストのコンセンサス(2.57ドル)を上回りました。調整後売上高は前年同期比7%増の21億8,000万ドルでした。この勢いが続くとみられることから、同社は2024年通年の調整後売上高成長率を6%から7%の範囲と予想しています。また、調整後EPSは11%から12%の成長が見込まれます。

重要なのは、予想PER(株価収益率、非GAAP基準)は9.52倍であることです。セクター平均の10.56倍を下回り、同社の5年平均PERの18.94倍も下回っていることです。株価に割安感があり、さらなる上昇余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が21人、「中立」が4人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の154.25ドルは、今後12カ月で38.9%の上値余地を示唆しています。過去1年間で、株価は4.1%上昇しています。

2位 ビザ (Visa Inc., NYSE:V)

多国籍決済カード大手のビザは説明不要でしょう。クレジットカード発行や融資は行わず、「ビザ」ブランドのクレジット、デビット、プリペイドカードを通じた電子資金の移動を世界中でサポートしています。現在の配当は1株あたり0.52ドルで、配当利回りは0.7%です。

2024年度第2四半期(2024年1-3月期)決算は売上高、利益ともアナリスト予想を大きく上回りました。決済件数は前年同期比8%増、クロスボーダー取引は16%増、処理件数は11%増でした。同期では27億ドル分の自社株を買い戻しており、承認済みの自社株買いプログラムには236億ドルが残っています。

第3四半期も業績の大幅な伸びを予想

2024年度第3四半期については、売上高は前年同期比2桁台前半、EPSは2桁台後半の伸びを見込んでいます。予想PER(非GAAP)は業界平均を上回る27.81倍ですが、5年平均の31.72倍は下回ります。これはさらなる株価上昇の可能性を反映しています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が19人、「中立」が4人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の313.80ドルは、今後12カ月で13.2%の上値余地を示唆しています。過去1年間で、ビザ株は18.8%上昇しています。

3位 ファイサーブ (Fiserv Inc., NYSE:FI)

ファイサーブは米国を拠点とするグローバル企業で、勘定処理、デジタルバンキング、カード発行会社処理、ネットワークサービス、決済、eコマース、加盟店獲得・処理サービスを提供しています。全世界で600万以上の加盟店、1万以上の金融機関の顧客を有しています。ピーク時には毎秒25,000件以上の金融取引を処理しています。

2024年第1四半期の調整後EPSは前年同期比19%増の1.88ドルで、コンセンサス予想も上回りました。売上高は前年同期比7%増の48億8,000万ドルで、わずかに予想を上回りました。一方、既存事業売上高は20%増の50億4,000万ドルでした。同社は当四半期に15億ドル相当の自社株買いを実施しました。

2024年通期の既存事業売上高は15%から17%の成長を予想

2024年通期については、既存事業売上高の15%から17%の成長を見込み、調整後EPSガイダンスは8.60ドルから8.75ドルに引き上げました。

予想PER(非GAAP)は17.60倍で、セクター平均よりは高いものの、5年平均の19.91倍よりは低く、さらなる成長可能性を示しています。

ファイサーブの目標株価は?

ファイサーブの平均目標株価の174.11ドルは、今後12カ月で13.6%上昇する可能性を示唆しています。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が18人、「中立」が5人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。株価は過去1年間で28.4%上昇しています。

結論

フィンテック・セクターは、マクロ圧力の緩和により消費者支出が改善すれば、大きな成長を遂げる可能性があります。投資家は、ポートフォリオを分散化させ、リターンを高めるために、前述の3つのフィンテック銘柄を検討できるでしょう。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Fintech Stocks to Buy in May 2024, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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