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トップ投資家、今AMDに注目:AIの追い風を享受へ

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エヌビディアはAI(人工知能)チップ市場を独占しており、その驚異的な成功は、再びアナリスト予想を上回った最近の決算報告で明らかになりました。

エヌビディアの成功は、AI市場でシェアを争う他の企業にとって脅威になると思われがちですが、必ずしもそうではありません。

TipRanksの株式プロフェッショナルランキングで上位1%に入る5つ星投資家である金融ブロガー、JRリサーチ氏は、エヌビディアの強力なAI事業は、特にアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)にとって、広範な成長機会を示唆していると見ています。

AIの盛り上がりは一時的なものではなく「持続可能なアップサイクルに転換」

AIの盛り上がりは単なる一時的なものではなく、「持続可能なAIアップサイクルへと転換した」ことは明らかです。しかし、AMDは慎重姿勢を保っており、2024年のAIデータセンター売上高見通しを5億ドル増額して40億ドル以上としたものの、その見通しは「保守的であり、執行リスクを低減するものと予想される」としています。

AMDのJean Hu最高財務責任者(CFO)は、アクセラレーテッド・コンピューティング(特定の計算処理をCPUからGPUなどに受け渡し、全体的な処理速度の向上を図るもの)に対する旺盛な需要を強調し、同社は「様々な段階で100以上の顧客エンゲージメントを持っている」と指摘しました。

AMDのAI売上高の見積もりはやや保守的で拡大余地

さらにHu氏は、AI売上高の見積もりがやや保守的であることをほのめかし、「今年の売上高目標40億ドルを大幅に上回るための供給コミットメントが整っている」と指摘しました。エヌビディアが2025年まで供給制約に直面すると予想される中、JRリサーチ氏はAMDが 「より効果的に事業を執行すれば、市場シェアを獲得する機会がある」と考えています。

JRリサーチ氏はまた、ハイパースケーラー(独自のデータセンターを持ち、大規模なコンピューティングインフラを構築している巨大IT企業)は、エヌビディアに代わる有力な選択肢としてAMDを歓迎しており、「健全な競争を促進し、エヌビディアの独自のエコシステムへの望ましくない囲い込みを避ける」ことができると考えています。

自動車や産業セクターの改善やマイクロソフトの生成AI特化型PCも追い風に

また、自動車や産業セクターの改善が見込まれることで、今年下期にはAMDの組み込みチップビジネスに好ましい環境になるとみられます。さらに、マイクロソフトが生成AI特化型PCを打ち出したことも、AMDへの追い風になると予想されています。

「過去4~5週間の堅調な調整局面を踏まえ、AMDは上昇トレンド継続が回復する準備が整っており、私も再評価する準備ができています」とJRリサーチ氏は述べています。同氏はAMD株を「中立」から「買い」へと格上げしました。

ウォール街の見方は?

ほとんどのウォール街のアナリストはJRリサーチ氏を支持しています。TipRanksによれば、AMD株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が29人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の192.56ドルは、今後12カ月で11%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、‘Time to Make a Move,’ Says Top Investor About AMD Stock原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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