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イーサリアム現物ETFデビューで知っておくべきこと

ストーリーハイライト

イーサリアムの現物ETF(上場投資信託)が続々と登場しています。同ETFは、世界第2位の仮想通貨(暗号資産)であるイーサリアムへのエクスポージャーを得るための、シームレスで現実的な投資方法です。

7月23日、イーサリアム(ETH-USD)の現物ETFが米国で待望のデビューを果たしました。これは仮想通貨業界とイーサリアムそのものにとって重要な勝利であると同時に、一般投資家とETF発行体にとって大きな勝利となる可能性があります。これらの新しいETFについて知っておくべきことは以下の通りです。

デジタルゴールドではなく、分散型グローバル・スーパーコンピューター

イーサリアムは時価総額4,180億ドルで、ビットコイン(BTC-USD)に次ぐ第2位の仮想通貨です。

ビットコインが固定供給量を伴う分散型通貨であり、価値の保存手段や「デジタルゴールド」として考えられているのに対し、イーサリアムの価値提案は少し異なりますが、それでも魅力的です。

イーサリアムはスマートコントラクト(ブロックチェーン上で実行されるプログラム)プラットフォームであり、最大のプルーフ・オブ・ステーク(ビットコインと異なり膨大な計算を使わないブロック承認)仮想通貨です。

「オープンソースのアプリストア」

ETF発行体の1つであるブラックロック(BLK)のジェイ・ジェイコブス氏は、イーサリアムを「中央集権的な仲介者なしで実行されるアプリケーションのためのグローバルプラットフォーム」と表現し、ヴァンエックのカイル・ダクルズ氏は、イーサリアムを「オープンソースのアプリストア」に例えています。

イーサリアムを分散型グローバル・スーパーコンピューターとして考えることは、仮想通貨ネイティブにとっては少し単純化しすぎているかもしれませんが、全体的に見れば、この資産に対する優れた概要紹介です。

分散型アプリケーションを支えるイーサリアムのブロックチェーン

イーサリアムのブロックチェーンは、非代替性トークン(NFT)やUniswap(UNI-USD)のような分散型取引所(DEX)、貸出プロトコルなど、分散型アプリケーションを支えています。

さて、このようにエキサイティングなことばかりですが、このような種類のアプリケーションを提供するブロックチェーンはイーサリアムだけではないことに注意すべきです。イーサリアムは、ソラナ(SOL-USD)のようなライバルのブロックチェーンと競合しています。

イーサリアムのTVLはソラナの10倍以上

しかし、スマートコントラクトの分野では、イーサリアムは大きな存在です。現在、イーサリアムは605億ドルのトータル・バリュー・ロック(TVL、仮想通貨投資家がブロックチェーンを比較するために使用する一般的な指標。これは、仮想通貨プラットフォームに賭けられた、またはロックされた米ドル価値を測定するもの)を保有し、ソラナのTVLの10倍以上です。

また、機関投資家や伝統的な金融機関大手が支持を表明しやすい資産であることは明らかで、それゆえイーサリアムETFがローンチされました。

イーサリアム現物ETFの大きな特徴とは?

米国の取引所では、すでにイーサリアム先物ETFやその他いくつかのイーサリアム関連商品が取引されていました。しかし、新しいイーサリアム現物ETFは、イーサリアム先物とは対照的に、原資産であるイーサリアムそのものに投資するという点で大きく異なります。

先物に基づくETFは、さまざまな理由で原資産価格と乖離する可能性があります。イーサリアム現物ETFはイーサリアム先物ではなくイーサリアムを直接保有するため、その価格はイーサリアム価格とかなり密接に相関するはずです。さらに、先物ETFは通常、資産に直接投資するETFよりも高価であり、方程式に追加の複雑さをもたらす可能性があります。

一般投資家でも簡単に購入可能なイーサリアム現物ETF

イーサリアム現物ETFのローンチは投資家にとっても大きなイベントで、通常の証券口座を通じて馴染みのある金融商品であるETFを通じてイーサリアムに初めて直接投資することが可能になります。仮想通貨に興味を持ちながらも、様々な理由でまだ投資をしていない投資家にとって、簡単に購入できるイーサリアム現物ETFは、投資を始めるための魅力的な選択肢です。

イーサリアム現物ETFの恩恵は、投資家が仮想通貨に投資するための選択肢と方法を増やし、快適で慣れ親しんだ方法で仮想通貨に投資できることです。同ETFはまた、資産の潜在的な買い手層を拡大することによって、長期的にはイーサリアム自体にも恩恵をもたらすはずです。

イーサリアム現物ETFの主要プレーヤーは?

ビットコイン現物ETFは大成功を収めており、同ETFを立ち上げた主要プレーヤーのほとんどが、当然のことながらイーサリアム現物ETFにも参入しています。

これまでのところ、ETFには、インベスコ・ギャラクシー・イーサリアムETF(QETH) 、21シェアーズ・コア・イーサリアムETF(CETH)、フィデリティ・イーサリアム・ファンド(FETH)、フランクリン・イーサリアムETF(EZET)、ヴァンエック・イーサリアムETF(ETHV)があり、いずれもCBOE(シカゴ・オプション取引所)に上場しているほか、ナスダック(NDX)取引所で取引されているブラックロックのiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)もあります。

そして、ETFが多く上場しているNYSEARCA取引所に上場しているビットワイズ・イーサリアムETF (ETHW)、グレースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)、グレースケール・イーサリアム・ミニ・トラスト (ETH)があります。

信託からETFに転換する既存商品も

なお、グレースケール・イーサリアム・トラストは、信託からETFに転換する既存商品です。同時に、グレースケール・イーサリアム・ミニ・トラストは基本的に、グレースケールのより大きなETFからのスピンオフであり、より低い手数料を請求し、ETHEが保有するイーサリアムの一部を保有します(そして、より低い手数料で取引されるはずであり、小規模な個人投資家にとって魅力的かもしれません)。

コスト比較

投資家には多くの選択肢がありますが、投資対象としてイーサリアム現物ETFを選択することは、思われるほど複雑ではありません。というのも、これらのETFはその仕組みやイーサリアムへのエクスポージャーという点で、どれも似ているからです。

主な違いは手数料で、この点でもほとんどのイーサリアム現物ETFはかなり似ています。すべてのETFは0.25%以下の合理的な経費率となっていますが、グレースケール・イーサリアム・トラストは例外で、2.5%とかなり高い経費率となっています。しかしこれは、同ETFが新しいETFより前に信託として存在し、開始前にほとんど競争に直面しなかったためです。それでも、グレースケールはこの商品の手数料を引き下げる予定はないとしています。

多くのETFは現在、投資家を引き付けようと、最初の半年から1年間、あるいは運用資産残高が一定の基準に達するまでの間、手数料を引き下げたり、完全に無料にしたりしています。

ブラックロックとフィデリティのETFに注目

同程度の手数料であれば、投資家はブラックロックのiシェアーズ・イーサリアム・トラストETFとフィデリティのフィデリティ・イーサリアムETFに注目する価値があるかもしれません。

ブラックロックとフィデリティのビットコイン現物ETFは、圧倒的に多くの運用資産と取引高を集めています。そのため、イーサリアム現物ETFがこれに続くと仮定すると、これらのETFは投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。出来高が多いということは、これらのETFのビッド/アスクのスプレッドが低くなり、流動性が高まることを意味します。

さらに、フィデリティとブラックロックは、ETFの運用経験が豊富で、大きなリソースを背景に持つ一流の資産運用会社です。その規模と規模を考えれば、将来的に手数料を引き下げて競争に打ち勝つ可能性もあります。

結論

米国の主要取引所におけるイーサリアム現物ETFの上場は、仮想通貨とETF業界にとってエキサイティングな瞬間です。世界第2位の仮想通貨であるイーサリアムは、グローバルな分散型スマートコントラクト・プラットフォームおよび「アプリストア」として長期的に大きな可能性を秘めています。

これらのETFが利用可能になることで、テクノロジーに精通した仮想通貨ネイティブ以外にも潜在的な購入者層が広がるため、長期的にはイーサリアム自体にとってもプラスになるはずです。

iシェアーズ・イーサリアム・トラストとフィデリティ・イーサリアムETFは、投資家がETFを通じてイーサリアムに投資するための魅力的な方法のように見えます。これらは、上述のように、小規模な競合他社よりもスケールメリットがあるとみられます。

 

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Ethereum ETFs Debut — What You Need to Know原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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