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億万長者のケン・グリフィン氏、「強気買い」2銘柄を選好

ストーリーハイライト

2022年に、億万長者ケン・グリフィン氏率いるシタデル・ヘッジファンドは、容赦ない弱気相場の中、160億ドルというウォール街史上最高の利益を達成しました。

厳しい弱気相場でこのようなパフォーマンスを達成できるのであれば、強気相場でもグリフィン氏の活躍が期待できるのは当然であり、2023年がまさにそうです。

シタデル、2022年に続き、2023年も良好なリターンを達成へ

2023年にシタデルは2桁リターンを達成しつつあり、約70億ドルの利益を投資家に分配する予定です。マルチ・ストラテジー・アプローチを採用する同社の主力ウェリントン・ファンドは、今年11月までに14.8%という素晴らしいリターンを達成しています。比較のため、これはヘッジファンドの平均リターン4.35%をはるかに上回っています。

グリフィン氏の言葉を引用すると、シタデルの成功は、最高の投資機会を求めて彼のチームが費やした多くの時間と努力の上に成り立っており、個人投資家が同様なことを行うのは極めて困難です。

ですから、市場で優位に立とうとする投資家にとって、グリフィン氏の追い風に乗ることは理にかなっています。そこで、彼が最近注目している2銘柄をご紹介しましょう。イーライリリー(NYSE:LLY)とマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)です。

TipRanksのデータベースによると、両銘柄とも「強気買い」と評価されています。その理由を見てみましょう。

イーライリリー

世界的な主要製薬企業のイーライリリーは、糖尿病、腫瘍学、神経学、免疫学などの分野の研究開発に注力していることで有名で、イノベーションの豊かな歴史を持っています。同社は、糖尿病治療薬として初めて市販されたインスリン製剤や、1980年代にうつ病治療に革命をもたらしたプロザックなど、画期的な医薬品をいくつも世に送り出してきました。

しかし、同社はその地位に甘んじているわけではありません。最近の成功では、Mounjaroが際立っています。昨年、糖尿病治療薬として承認されたMounjaroは、2023年第3四半期に14億ドルという驚異的な売上を達成しました。今年1〜9月期を通じて、Mounjaroの売上高は30億ドル近くに達し、同社の総売上高の約12%を占めています。

先進の肥満治療薬の承認を取得

重要な進展として、イーライリリーは11月、Mounjaroと同じ有効成分tirzepatideを原料とするZepbound注射剤のFDA(米国食品医薬品局)承認を取得しました。Zepboundは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激性ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)ホルモン受容体の両方を活性化する、この種の初めてで唯一の肥満治療薬です。

投資家は今年もたらされたものを歓迎しており、株価は市場平均を上回り65%上昇しました。同じことが、第3四半期にイーライリリーのポジションを40%増やしたグリフィン氏にも言えます。グリフィン氏はこの四半期に21万3,671株を追加し、保有株数を75万9,793株に増やしました。現在の時価総額は4億4,100万ドルです。

不況下においても魅力的な成長プロファイル

ジェフリーズのアナリスト、Akash Tewari氏もまた、イーライリリーを選好しており、強気スタンスを維持する理由をいくつか挙げています。「第一に、イーライリリーは不況環境下で魅力的な成長プロファイルを持っています。第二に、我々はGLP1に強気です。第三には、イーライリリーの次世代経口GLP-1に注目しています。そして第四として、イーライリリーの売上高とEPSの成長で短期的に上振れ可能性があると考えています」

5つ星アナリストであるTewari氏は、イーライリリー株を「買い」と評価し、目標株価は708ドルで、今後12カ月で23%の上値余地を示唆しています。

全体的には、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は659.59ドルで、今後12カ月で14%の上値余地を示唆しています。

マイクロソフト

グリフィン氏の次のストックピックは、マイクロソフトです。同社は、長年のテックライバルであるアップルを除けば、時価総額2兆7,800億ドルを誇る世界で最も価値のある企業です。

マイクロソフトは、現代のテクノロジー分野において極めて重要な役割を果たしてきました。同社の製品は、世界で最も支配的なPCオペレーティング・システムであるWindowsオペレーティング・システムから、Microsoft 365製品群、ますます重要性を増しているクラウドコンピューティング・プラットフォームのAzure、そしてSurfaceシリーズのデバイス、Xboxゲーム機、周辺機器などのハードウェア製品など、数多くに至ります。

AIで優れたポジショニング

マイクロソフトは特に、今年最大のブームであるAI(人工知能)に大きく関与しています。ChatGPTのオープンAIに多額の投資を行っており、11月には同社のAIアシスタントツール「Copilot」がMicrosoft 365で一般利用できるようになり、大きな話題となりました。

AI分野での優れたポジショニングは、今年の株式市場の上昇にもつながり、投資家は57%のリターンを手にしています。グリフィン氏はすでにかなりマイクロソフト株を買い増しています。第3四半期には163万1,542株を購入しました。彼の保有株総数は現在5,037,676株で、現在の株価で約19億ドルに相当します。

Truistのアナリスト、Joel Fishbein氏は、マイクロソフトには2つの大きな追い風が吹いており、これらはマイクロソフトのさらなるアウトパフォームにつながると指摘しています。同氏は、第一に、Copilot立ち上げの初期成果に注目しており、売上高と利益の両方をけん引する可能性を見ています。そして、基本シナリオでは、2026年度までに企業向けオフィスの売上でCopilotが50億ドル貢献し、最終的には数百億ドルに達するとしています。

アマゾンのAWSを上回るAzureの成長

そして、次のように述べています。「過去4四半期において、マイクロソフトAzureの成長率は、ドルベースでAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の成長率を上回っています。CopilotとAzureが加速度的に成長していることと、残りの事業が比較的安定していることを考えると、現在の予想を上回れば、株価が再上昇する可能性があると考えます」

これらのコメントはFishbein氏の「買い」レーティングを支えるものであり、ウォール街で最も高い彼の600ドルの目標株価は、今後12カ月で60%の上値余地を示唆しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「中立」の1人を除くと、36人全員が「買い」で、コンセンサス評価は当然のことながら「強気買い」です。平均目標株価の421.79ドルは、今後12カ月で14%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Billionaire Ken Griffin Bets Big on 2 ‘Strong Buy’ Stocks — Eli Lilly and Microsoft原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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