VeChainは、2021年12倍の価格に急騰し、マイクロソフトなど多くの企業と提携する注目の仮想通貨です。
ブロックチェーン技術を使い、企業へ向けたVeChainはどういったプロジェクトなのでしょうか?
本記事ではVeChainの基本~最新情報、気になる価格推移まで徹底的に解説します。
目次
仮想通貨VeChainとは?
VeChain(ヴィチェーン)は企業向けにブロックチェーン技術によるソリューションを提供するために開発された仮想通貨です。
主に「サプライチェーン」や商品の輸送のトレーサビリティ(追跡能力)を向上させるためのソリューションを提供しています。
大手の企業では製造から販売までに多くの拠点や他の企業を経由します。経由する企業や拠点が多いのが原因で追跡が難しくなり、安全性や品質の管理が追いつかなくなる問題がありました。
VeChainのブロックチェーンとICタグを組み合わせることで製造・発送地点から輸送、販売までの状況の追跡を専用のアプリケーションで容易に行うことが可能です。
製品の安全管理や偽造品の取り締まりなどに応用が期待されており、BMWやルイヴィトン、マイクロソフトなど世界中の企業とパートナーシップを結んでいます。
また、VeChainは他の企業向け仮想通貨と違い、導入のハードルが非常に低いです。
利用者はVeChainを保有する必要がありません。
利用料としてトークンを保有する必要がなく、利用料を委任するスキームがVechainは整っています。
そのため他の企業向けブロックチェーンよりも導入が簡単なのです。
Vechainは医療分野でブロックチェーン技術に貢献
ブロックチェーン技術を用いて、VechainはCOVID-19に関する医療分野で大きく貢献しました。
VeChainはキプロスのデジタルヘルスケアソリューションを開発するソフトウェア企業であるI-Danteと共に、2020年5月21日にCOVID‐19の抗体検査、およびPCR検査の記録を管理するためのプラットフォームであるE-HCert Appを開発しています。
E-HCert Appはキプロス最大の医療機関のひとつであるMediterranean Hospital of Cyprusで2020年6月から8月にかけてテストされ、8000人以上の検査結果を記録してきました。
そして2021年1月からはキプロス最大の民間病院であるAretaeio Hospitalでも運用が開始され、Mediterranean Hospital of Cyprusと共に年間で10万人分以上の臨床検査の結果を管理するために用いられる予定です。
COVID‐19の世界的な流行は医療システムのデジタル化の推進力にもなっています。
VeChainはヘルスケアや医療システムの分野でもソリューションを提供し、より効率的で安全性の高いシステムを構築しようとしているのです。
業界の新トレンド「NFT」にもVechainは進出
2021年4月28日、VeChainはVeChainのブロックチェーンを活用してeNFT(Enterprise Non-Fungible Token)エコシステムの開発に貢献した開発者に対して資金援助を行う助成プログラムを発表しました。プロジェクトの規模は100万ドルに及びます。
申請期間は2021年4月28日から7月31日まで。eNFTアプリケーションや、その他関連の分散型アプリケーション、テスト用のツールなど幅広い分野を対象としており、VeChainが有望だと思ったものには3万ドルの資金が提供されます。
また開発者がVeChainのブロックチェーンの中でXノードと言われる特別なノード出会った場合、更に追加で50%分の資金を受け取ることが可能です。
NFTは近年急速に利用が拡大するデジタル資産です。ブロックチェーン技術を用いて識別情報などを記録することで、唯一無二の価値を取引可能にしています。今回発表された助成プログラムによって、VeChainは自身のブロックチェーンを活用したNFTの開発を促進しようとしています。
「VeChain Sync2」β版をリリース
2021年4月26日、VeChainはウォレットアプリ「VeChain Sync2」のベータ版を公開しました。VeChain Sync2はよりシームレスにdApps(分散型アプリケーション)を利用できるように開発されたデジタルウォレットアプリです。
まずVeChain Sync2は現在主流となっているChrome、Safari、Microsoft EdgeなどのOSにすべて対応しています。
OSやデバイスを問わず、すべてで同じように表示できるようアプリがデザインされています。ダウンロードしてローカルアプリケーションとして利用することも、ダウンロードせずウェブ上で利用することも可能です。
また従来のアプリではアプリの所有者がdAppsの使用料金(ガス)を管理する必要がありました。しかしVeChain Sync2では利用者に代わってdAppsの提供者がガスを支払うことができます。難しい手続きをシンプル化し、より手軽にdAppsを利用することが可能です。
2021年5月現在、まだモバイル版は公開されていません。そのためPCから利用することとなります。
Vechainの将来性とVETトークンについて
VeChainは元来、サプライチェーンを効率的に完了するために開発されました。将来的には「IoT(Internet of Things)」への導入が期待されています。
様々なものにつけたセンサーから送信されるデータをブロックチェーンで管理することで、多くの分野で応用できます。
IoTに利用するためには、リアルタイムで送られる非常に多くのデータを処理しなくてはなりません。
ローンチ当初、VeChainはイーサリアムベースのトークン規格(ERC‐20)で運用されていましたが、2018年6月に独自のブロックチェーンに切り替えています。
またVeChainのプラットフォームでは内部通貨を2種類発行しています。
仮想通貨取引所などで購入できるVeChain(VET)とVeChainを所持することで自動的に生成され、VeChainプラットフォームの利用料となるVeThor Token(VTHO)の2つです。
内部通貨を分けることでVeChainの価格変動によって利用料が大きく変動することを防いでいます。
利用料として使用されたVeThor Tokenはバーンされるため、発行量が多くなり過ぎることもありません。
PoAのアルゴリズムで高速処理を実現
品質管理やIoTではモノにつけたセンサーからリアルタイムで送られるデータを処理する必要があります。従来のブロックチェーンでは処理に時間がかかり過ぎてしまいます。
VeChainのブロックチェーンは多量のデータを処理するために「PoA(Ploof of Authority)」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
PoAはマスターノードと言われる特別なノードのみがマイニングを行う仕組みです。PoWのように競争が生まれないため、高速で大量のデータを処理することが可能です。
また特定のノードのみがデータを承認するため、データの秘密を保持しやすくなるというメリットもあります。
一方特定のノードがデータの処理をするのは不正のリスクが高くなり、セキュリティ面では不安が残ります。ですがマスターノードになるためにはVeChain財団の厳しい審査をクリアしなくてはなりません。
VeChainはDeFi(分散型金融)とCeFi(中央集権型金融)のシステムの長所を取り入れることで、より効率的なプラットフォームの構築を目指しているのです。
Vechainの価格推移と購入できる取引所
VeChain/VETの基本情報 | |
VeChain/VETの価格 | ¥18.46 |
一日の出来高 | ¥316,653,423,858 |
マーケットドミナンス | 0.50% |
市場ランキング | 17位 |
時価総額 | ¥1,202,806,861,322 |
直近1年間の高値/安値 | ¥30.51/¥0.4504 |
最大供給 | 86,712,634,466 VET |
2021年に入り、Vechainの価格は年初から12倍の価格急騰を発生させました。企業向けに、導入の簡単さ・機能性を上手くアピールできたことが価格にも反映を見せています。
時事ネタとして、COVID-19(コロナ)に関する医療機関への技術提供も投資家から好感を経ている可能性が高いです。
すでに、半年で満たない期間で12倍の急騰をしていることから、「一旦は調整の下げを待ってから、割安で買う」のが賢明な判断でしょう。
最新のチャートからは、史上最高値を更新してから、一旦は決済の売りが入りることで短期的に価格を下げる見通しが立てられます。
Vechain(VET)が購入できる取引所
- Binance
- Binance.US
- Huobi Grobal
- Kucoin
Vechain(VET)は、海外の主要取引所なら全て上場済みです。大手取引所Binance(バイナンス)にて最も多くの取引が行われており、VET/USDTとVET/BTCのペアが市場の大半を占めています。
残念ながら、日本国内の取引所から直接VETを購入はできません。
国内取引所からビットコインを送り、海外取引所で購入するのが一般的な手順です。
- bitFlyer(ビットフライヤー)でビットコインを購入
- Binance(バイナンス)へビットコインを送金
- 「VET/BTC」を購入
オススメのVET購入手順は上記の通りです。日本国内ではビットコインの取引量が多く、信頼できるビットフライヤーを送金元にするのが良いでしょう。
VETを購入する海外取引所も、信頼できる大手を選ぶのが無難です。Binanceなら、日本からの利用者も多く、送金したビットコインでそのままVETが購入できます。
BinanceでVETを購入する場合は、Binance.USと間違えないようにしましょう。
仮想通貨Vechain まとめ
今回は「仮想通貨Vechain(VET)」について解説しました。
企業向けのブロックチェーン技術として、Vechainは今後も多くの企業・機関で導入される可能性は高いです。
やはり、技術面だけでなく導入の簡単さを取り入れたのが評価されています。
仮想通貨の王者であるビットコインや、イーサリアムも便利さは理解できても、多くの企業は導入の難しさに不安を感じるはず。
導入がしやすく、企業の発展にも貢献できるVechainの価格が上がるのも納得です。
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