仮想通貨THORChain(ソーチェイン)とは、分散型取引所(DEX)に関する銘柄の1つです。
2021年も引き続き、DEX分野は投資家から多くの関心を集めています。
競合銘柄の中でも、THORChainはプロジェクトの進捗状況が手堅いのが特徴です。
本記事では、THORChainに関する最新情報・独自トークンであるRUNE(ルーン)について解説します。
直近では、年初から15倍の価格まで上り詰めた、仮想通貨THORChainを詳しく見てみましょう。
仮想通貨THORChainとは?
THORChainは異なるブロックチェーンの間で仮想通貨を交換できるプラットフォームを実装するために開発された仮想通貨です。
従来、異なる仮想通貨同士を交換するには仮想通貨取引所を介する必要がありました。しかし取引所は管理者のいる中央集権的なシステムであり、せっかく非中央集権的な仮想通貨を取引していても不正流出などのリスクを回避できません。
THORChainの利用者は中央集権的な取引所を利用することなく、直接異なる仮想通貨を交換することが可能です。
【特徴】THORChainにはライバルが多い?
同様のクロスチェーンプラットフォームを提供する仮想通貨は他にも多くあります。また異なる仮想通貨同士を交換するためのアトミックスワップなどの技術も既に存在しています。
しかしTHORChainは仮想通貨THORChainを中心としたDEX(分散型取引所)を構築するという点で、他のプロジェクトと差別化することが可能です。
THORChainを中心にすることで、交換可能な仮想通貨の種類を制限なく増やすことができ、ブロックチェーン間をつなぐよりも利便性が遥かに高まるのです。
THORChain(RUNE)の価格推移と最新情報
THORChain/RUNEの基本情報 | |
THORChain/RUNEの価格 | ¥2155.10 |
一日の出来高 | ¥21,386,735,563 |
マーケットドミナンス | 0.21% |
市場ランキング | 42位 |
時価総額 | ¥513,832,334,351.71 |
直近1年間の高値/安値 | ¥2286.95/¥38.45 |
最大供給 | データなし |
THORChainの独自トークン「RUNE(ルーン)」の50%以上は、大手取引所BinanceでRUNE/USDTのペアにて取引されています。
2021年初から14倍の価格に急騰し、2021年5月現在はビットコイン・イーサリアムの急落を受け、好材料が多かった4月の水準まで値を落としています。
現時点では、史上最高値まで1.5倍までの値幅です。
4月の急騰が、THORChainのプロジェクト進捗が要因だとすると、割安価格とも考えられます。
ただし、根本的なTHORChainの目的である分散型取引所主体の市場ではなく、現実はBinanceを使った取引が半数を占めているのは懸念材料です。
【RUNE上場】世界最大手取引所Binanec(バイナンス)公式ページへ
【最新情報】2021年のTHORChain注目材料
2021年の4月は、THORChainプロジェクトにおける大きな進歩がありました。
RUNE相場にも、分かりやすく上昇という形で価格に好影響を残しています。
4月初旬から5月中旬まで、RUNE/USDTの価格はわずか23日間で1.7倍に上昇しました。
THORChainは分散型取引所(DEX)を運営
2021年4月13日、THORChainは仮想通貨同士を交換するサービスであるマルチチェーンカオスネットであるAsgardを公開しました。
Asgardはビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、バイナンスコインをそれぞれ交換することができます。
THORChainはAsgardローンチ前からテストネットとして分散型取引所Bepswapを提供していました。Bepswapはバイナンスのブロックチェーン上で発行されるBep2トークンのみを取引できたため、流動性はそこまで高くありません。
Asgardは段階的に追加機能が実装され、より高性能になっていきます。
今後は対応するチェーンが増えるうえ、ローンを借りる機能も実装される予定です。
またAsgardに預け入れられる流動性プールが増えることでAsgardのクロスチェーンスワップは安定化していくことでしょう。
ただしTHORChainが提供する独自トークンであるTHORChain(RUNE)はまだAsgardにはサポートされていません。今後のアップデートで実装予定です。
THORChainとスイスの仮想通貨取引所が統合
2021年4月13日、スイスの仮想通貨取引所ShapeshiftはメインネットをTHORChainと統合したことを発表しました。
THORchainとShapeshiftの統合により、顧客確認が不要で、誰でも仮想通貨の取引が可能です。
Shapeshiftは、Uniswapなど分散型金融(DEX)との提携、導入に積極的な取引所として知名度があります。
分散型金融の発展は、今後も仮想通貨業界で注目される巨大なテーマの1つです。
中央管理者がいない、自由な取引所は多くの仮想通貨の流動性への好影響が期待されています。
Asgard対応の仮想通貨を追加予定
2021年4月29日、THORChainはアップデートに関する週間レポートを発表し、今後Asgardで交換可能になる予定の仮想通貨についての進捗を発表しています。
2021年5月現在、Asgardではビットコインやイーサリアム、ライトコインなどが取引できます。またイーサリアムのブロックチェーンで動作するERC20規格のトークンも取引可能です。
THORChainはこれらに加えてドージコインやZCash、カルダノ、ポルカドット、モネロ、イーサリアムクラシックなどが今後実装される予定であると示しています。
またTHORChainの開発チームは従来、IBCプロトコルのカオスネット実装を保留としてきました。しかしIBCを採用する仮想通貨の中でAkash Networkという仮想通貨の開発チームとの連携が決まったため、今後はIBCプロトコルの実装を目指して開発を進める方針です。
Asgardで交換可能になる仮想通貨が増えれば、THORChainへの需要が高まり、価格に好影響を与えることが予想されます。今後のレポートにも注目する価値があるでしょう。
仮想通貨THORChain(RUNE)の将来性
THORChainはDEX(分散型取引所)を提供するためのプロジェクトです。
DEXは数ありますが、未だにBinance(バイナンス)などの中央集権的な仮想通貨取引所が主流となっています。
DEXの課題は、参加する人が流動性プールによって変動損失を負ってしまうことにあります。損失を負うリスクがあるために参加者が躊躇してしまうのです。
THORChainは手数料をネットワークの利用料と独自の流動的な手数料を用いて、変動損失が発生しないようにしています。
またTHORChainはTHORChainを基軸通貨に据えることで、流動性を高く維持しています。
基軸通貨のないDEXでは対応する資産を他の資産すべてとプールしなければなりません。今後1000のブロックチェーンをDEXで取り扱う場合、499500のプールが必要となり流動性が損なわれます。
基軸通貨THORChainが間に入るため、新しくブロックチェーンを追加してもTHORChainとペアを作るだけですべての交換ができるようになります。THORChainは拡張性にも優れているのです。
THORChainはPoS(Ploof-of-Stake)を採用
分散型取引所(DEX)で、THORChainが覇権を握るには、RUNEトークンの保有者が増える必要があります。
異なる仮想通貨の間に、基軸通貨として介入するには、十分な取引量に耐えうる流動性が必要です。
「PoS(Ploof-of-Stake)」をTHORChainが採用していることから、RUNEの需要は増加すると考えられます。
THORChainでトランザクションの承認を行うためには、最低でも100万RUNEを保有していなくてはなりません。
承認作業をできるノードがローテーションで承認に当たる仕組みです。THORChainはネイティブトークンのステーキングサービスも行っており、内部にトークンが貯まりやすいようになっています。
またTHORChainでは仮想通貨の交換レートを安定させるために、手動によるアービトラージ(裁定取引)を推奨しています。
アービトラージは一時的な価格差を活かして割安なものを買い、割高なものを売ることで利益を得る取引です。
DEXでは流動性を確保し、価格を安定させるのは簡単ではありません。アービトラージなど、経済的な合理性を使って価格を安定させようとしているのです。
仮想通貨THORChain(RUNE) まとめ
今回は「仮想通貨THORChainとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。
THORChainは、高い流動性を確保することで競合の多い分散型取引所で注目されています。特に、2021年は市場を成長させる好材料が多いです。
- スイスの取引所Shapeshiftと提携
- THORChainを使い異なる仮想通貨を直接交換できる「Asgard」の公開
- Asgardで取引できる仮想通貨の追加
- 分散型金融サービスの開発予定
THORChainのプロジェクトは、進捗がキチンと公開されている点も好印象と言えます。
実体があり、将来性への期待ができる動きから、長期投資の銘柄として注目しましょう。
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