仮想通貨の世界には、ネットスラングやコミュニティから変わった通貨が誕生することは珍しくありません。
また、意外にも通貨として機能していたり、独自の経済圏が誕生したりしています。
誕生以来、1年で数十倍へと価格を上げるケースも少なくありません。
本記事では、対Dogecoinを掲げるユニークな仮想通貨「SHIBA INU(柴犬)とは?」をテーマに、基本情報から最新の価格動向まで徹底的にまとめました。
目次
仮想通貨SHIBA INUとは?
SHIBA INUは、名前の通り日本の伝統的な犬種である「柴犬」に由来して開発された仮想通貨です。
柴犬に由来して開発された仮想通貨としてはジョークコインとして名高いDogecoinが有名であり、SHIBA INUはDogecoin Killerを自称しています。
ただしSHIBA INUは単なるジョークコインではありません。SHIBA INUの開発者であるRyoshiは「私たちは分散型の自発的なコミュニティを形成する実験をしています」とWoofpaperに記しています。
SHIBA INUエコシステムではSHIBA INUに加えてDogecoin KillerやShiba Inu Bone Tokenを発行し、独自のDeFiの提供を目指しています。
またSHIBA INU独自の取り組みとしては、世界中の柴犬を助けるための寄付活動が挙げられるでしょう。SHIBA INUのユーザーはAmazon Smile機能を用い、通貨の購入金額の一部を柴犬レスキュー協会という非営利団体に寄付することができます。
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仮想通貨SHIBA INUに関する最新情報まとめ
リリース日 | 概要 | 情報ソース |
2021年3月14日 | イーロン砲でSHIBA INUが急騰 | |
2021年5月11日 | BinanceへSHIBA INUが上場 | |
2021年5月17日 | ヴィタリック氏が保有中の90%をバーン | |
2021年9月10日 | Coinbase ProにSHIBが上場 |
2021年6月までの仮想通貨SHIBA INUに関する最新情報をまとめました。
コミュニティの活気が重要なのは、Dogecoinと同様にSHIBA INUに関しても言えることです。
2021年5月には、大手取引所Binanceに上場し、SHIBA INUの流動性にとって好材料となり、イーロン・マスク氏によりツイートなど話題性に溢れています。
それでは、各ニュースの詳細を見てみましょう。
イーロン砲でSHIBA INUが急騰
電気自動車企業テスラモーターズのCEOとして知られるイーロン・マスクは、仮想通貨Dogecoinの愛好家として有名です。
マスクは自身のTwitterアカウントでたびたびDogecoinについて触れており、Dogecoinの高騰を招いています。
2021年5月11日には「Do you want Tesla to accept Doge?(テスラにドージコインによる支払いを導入して欲しいですか?)」というアンケートを実施しました。約390万票の投票の結果、78.2%の人がYesと回答しています。
2021年3月14日、マスクは自身のTwitterで「I’m getting a Shiba Inu(SHIBA INUを飼っています)」と投稿しました。この投稿は約24.9万件の反応を受けるなど反響は大きく、SHIBA INUの価格の上昇を招きました。
その後およそ2か月で、SHIBA INUは2021年年初から約966%も価格を上昇させています。3月14日の投稿を皮切りにDogecoinをモチーフとした「犬コイン」と言われる仮想通貨への注目が高まり、マスクの投稿と関連付けられて買われるようになったことが推測できます。
BinanceへSHIBA INUが上場
2021年5月17日、イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリンは自身が保有するSHIBA INUの90%をバーンしました。
価格に直すと約12億ドルに相当します。更に残りの10%をインドのCOVID-19対策基金Covid-Crypto Reliefをはじめとする慈善団体に寄付しました。
SHIBA INUは上限発行量が1000兆SHIBと非常に莫大です。
SHIBA INUの運営は保有分による価格操作が行われることを懸念される可能性を回避するために「総供給量の50%をUniswapにロックし、鍵を捨てた。残りの50%はヴィタリック・ブテリンにバーンした」と述べています。つまりブテリンに対し、勝手に約500兆SHIBを送りつけていたのです。
このバーンにより発行されるSHIBA TOKENの40%が失われ、価格も下落しました。ブテリンは勝手に大量のトークンを送りつけてほしくないとし「私はそのような権威でありたくはない。もしトークンを送るのであれば価値ある慈善団体へ直接送ったほうがいい」と述べています。
ヴィタリック氏が保有中の90%をバーン
SHIBA INUは公開当初、明確なユースケースが存在しませんでした。そのため投資家にはジョークで開発された仮想通貨だと考えられていました。
しかし2021年5月11日、BinanceがSHIBA INUの上場を発表。その際に、SHIBA INUを分散型取引所Shibaswapを使用するためのインセンティブとして利用されると紹介しています。
SHIBA INUの開発者はSHIBA INUをShibaswapでインセンティブが与えられるトークンに位置づけ、2番目のトークンとしてDoge Killerを開発しました。Doge Killerは1000万LEASHしか発行されず、Doge Killerを用いてShibaswapに流動性を提供した利用者には特別な報酬を与えられます。更にSHIBA INUのDeFiを強化する目的で、Shiba Inu Boneという仮想通貨も発行されました。
SHIBA INUの開発者はShibaswapの進捗について、2021年6月6日にTwitterで投稿。プラットフォームの準備は完了しているものの、監査中のプロジェクトの認可が下るまではテストを続ける方針を示しています。
CoinbaseにSHIBが上場
2021年9月10日、SHIBA INUは世界的な暗号資産取引所Coinbase(コインベース)への上場を明らかにしました。
同日、SHIBA INUはUSDT建てで前日比40%以上の価格上昇を起こし、SNS上では「コインベース効果」と話題となっています。
Coinbaseは、金融大国アメリカを代表する暗号資産取引所です。
Coinbaseへの上場は、SHIBA INUの流動性を高める効果が期待されます。
実際に、上場のニュースによって時価総額54位に急上昇。
文字通り、コインベース効果によって流動性の上昇が実現しつつあります。
仮想通貨SHIBA INUの将来性
SHIBA INUの将来性は独自のエコシステムの成長とコミュニティによる部分が大きいでしょう。
SHIBA INUはShibaswapという分散型取引所のローンチを控えており、先行させてShibaswapでインセンティブを生むDoge KillerとShiba Inu Bornを公開しました。
Shibaswapについての詳細は不明ですがSHIBA INUを保有することで、何らかのインセンティブが得られることは分かっています。
またSHIBA INUはNFTを開発できるようにするSHIBA INU NFTを公開しています。SHIBA INUはNFTプロジェクトに75人の参加者が応募したと述べています。
SHIBA INUには独自のコミュニティが存在しており、コミュニティがNFT開発に積極的に参加すれば、通貨の需要が高まるでしょう。日本でもMonacoinという仮想通貨が独自のコミュニティで利用を拡大させた実例があります。
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SHIBA INUとDogecoinの違い
SHIBA INUトークンはイーサリアムのトークン規格であるERC20を利用して開発された仮想通貨です。モチーフとなったDogecoinはビットコインのブロックチェーン上で発行されており、大きな違いと言えるでしょう。
しかし他の多くのトークンとは異なり、SHIBA INUではスマートコントラクトを利用することはできません。ビットコインのように価値の移転しかできないのです。この点であまり利便性は高くないため、Dogecoin Killerをはじめとする仮想通貨が続々と公開されているのかもしれません。
セキュリティ面などはイーサリアムに準拠する形となっていますが、SHIBA INUはコンセンサスアルゴリズムはPoS(Proof of Stake)を採用しています。イーサリアムもイーサリアム2.0というアップデートでコンセンサスアルゴリズムのPoSへの変更を目指していますが、いわば先駆けという形で変更を果たしている形です。
またSHIBA INUにはAKITA INUやSANSYU INUなど類似の仮想通貨が存在しています。これらは俗に犬コインと言われ、ミームコインとして値上がりの機会を待っています。
仮想通貨SHIBA INUの価格推移と今後
SHIBA INU/SHIBの基本情報 | |
SHIBA INU/SHIBの価格 | ¥0.0007997 |
一日の出来高 | ¥62,709,856,992 |
マーケットドミナンス | 0.18% |
市場ランキング | 40位 |
時価総額 | ¥315,707,573,943.30 |
直近1年間の高値/安値 | ¥0.004253/¥0 |
最大供給 | データなし |
※価格等の情報は2021年6月10日時点のCoinmarketcapより引用
仮想通貨SHIBA INUは、「SHIB」の通貨名です。
取引シェアは、SHIB/USDTのペアが多く、Binanceによる取引が全体の20%以上を占めてます。
価格推移に注目すると、5月にBinanceへ上場以降は価格を大きく下げ、上場最高値から7割ほどの価格で現在は落ち着いている状態です。
値動きからは、下降トレンドと言うより、ビットコインが弱気の状態で割と底堅く推移している印象も受けます。
【SHIBA INU上場】Binanceの公式サイトはコチラ
SHIB/USDTはイーサリアムの上昇待ち?
SHIB/USDT4時間足チャートからは、一旦は底値を確定するような展開が見られています。
前述した通り、Binanceへ上場以降は下降トレンドを継続していたSHIB/USDT。
しかし、実際に5月中旬以降は目立った安値更新はなく「横這い」の展開です。
5月と言えば、ビットコインは大幅に下落、DeFiの人気もあり強かったイーサリアムも大幅調整の局面を迎えました。
アルトコイン全体の地合いが悪い中、SHIBA INUは底値を支えるマーケット動向が見られています。
ETH/USDT(オレンジ線)とSHIB/USDTで比較すると、3度安値を更新したイーサリアムに対し、SHIBA INUは5月中旬の安値で買い支えが確認できます。
イーサリアムベースで作成されたSHIBA INUですが、イーサリアムの再上昇に合わせて急騰を起こす可能性が高い予想です。
アルトコインとビットコイン・イーサリアムには相関関係が働く反面、過去にはビットコインが上がれば、倍以上の速度感で有望なアルトコインが伸びる現象が何度も見られてきました。
再上昇のタイミングを探るSHIBA INUの今後に期待できそうです。
仮想通貨SHIBA INUとは? まとめ
今回は「仮想通貨SHIBA INUとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 仮想通貨SHIBA INUは分散型自発コミュニティの実験目的で誕生した
- 自称Doge Killerとしてジョークコインの覇権を握っている
- 実は、分散型金融や慈善団体への寄付なの実用化が進んでいる
- 「イーロン砲」によって急騰を経験し、ネット上でも話題性が目立つ
- 価格推移は堅調であり、主要仮想通貨の再上昇へ備える動きが見られている
SHIBA INUの様な、ジョークコインと言われる仮想通貨は、実は仮想通貨初心者にもオススメの銘柄です。
なぜなら、コミュニティが活発で楽しみつつ分散型の新しい仕組みを学びやすいからです。
独自のマーケットプレイスや、ユニークなイベントなど、「仮想通貨=難しい」と言った方も一歩踏み出しやすいと思います。
とは言え、価格推移から見ると有望な銘柄としての一面も持っているSHIBA INU。
今後も、大きな展開を起こすだろうと期待されます。