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仮想通貨NEAR Protocolとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ

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NEAR Protocolは、2020年4月にメインネットを公開したばかりの新しい仮想通貨です。

スマートコントラクトプラットフォームの開発やdApps開発の分野で活躍が期待されています。

しかし、同じ分野で中心となっているのはイーサリアムです。
NEAR Protocolは、イーサリアムを超える可能性があるのでしょうか?

実は、機能面・マーケティングにおいてNEAR Protocolは十分に「イーサリアム超え」のポテンシャルを秘めています。

当記事で用いるチャートは高機能分析プラットフォーム「TradingView(トレーディングビュー)」の提供するBinanceのNEAR/USDTチャート・を用いて分析をしております。仮想通貨は1年365日を通して動く市場の為、執筆時点(2021年5月)での個人トレーダーによる分析となります。仮想通貨(暗号資産)取引に関しては余裕資金・自己判断で行いましょう。

仮想通貨NEAR Protocolとは?

NEAR Protocolはスマートコントラクトプラットフォームを提供する仮想通貨です。dApps開発の基盤として機能します。

現在スマートコントラクトプラットフォームとして最も有名なものはイーサリアムです。NEAR Protocolはイーサリアムとの共通点が多く、競合するプロジェクトという位置づけにあります。

NEAR Protocolはシェーディングを早期実装

またスマートコントラクトを提供するパブリックプラットフォームやイーサリアムのブロックチェーンを利用したスケーリング技術は次々に登場しています。

しかしNEAR Protocolは競合の相手に対して「シャーディング」の早期の実装で差別化を図っています。

「シャーディング」とは、簡単に説明すると1つのデータを細かく分散させて処理を行うことです。シャーディングは処理速度に問題を抱えるブロックチェーンの解決策として用いられています。

NEAR ProtocolはNightshadeという独自のシャーディングを実装することで、イーサリアムよりも高速・低手数料でネットワークの利用が可能です。

Nightshadeはトランザクションの分散化を進めることで、データをスマートフォンなどのような身近なデバイスでも管理することができます。

仮想通貨NEAR Protocolの最新情報まとめ

  • 【2021年4月6日】NEAR Protocolはイーサリアムとのクロスチェーンを実現
  • 【2021年4月16日】国際的な環境団体から受賞
  • 【2021年5月14日】NEAR Protocolの支援プロジェクトへ日本企業が参加

2021年のNEAR Protocolに関する最新情報をまとめました。

NEAR Protocolは、イーサリアムとのクロスチェーンを実現し、今後も他のブロックチェーンとも実施していく動向を見せています。

クロスチェーンの拡大は、NEAR Protocolの根本的な目的であるDapps開発にも関係しており、他のブロックチェーンで生成されたDapps(分散型アプリ)との連携も容易になるでしょう。

また、マーケティングの面でも日本で市場を作る動きも見え、NEAR Protocol実施段階への力強い姿勢が見られています。

NEAR Protocolはイーサリアムとのクロスチェーンを実現

2021年4月6日、NEAR Protocolは「Rainbow Bridge」が稼働したことを発表しました。

「Rainbow Bridge」とは、イーサリアムとNEAR Protocolをつなぐクロスチェーンです。

開発は段階的に行われる予定で、現状ではイーサリアムやERC20をNEAR Protocol上で、NEAR Protocolをイーサリアム上で利用することができます。

イーサリアムは現在dApps開発やNFT発行において主流のブロックチェーンです。利用が増加することでトランザクションが増加し、GAS代の高騰を招いていました。

イーサリアムの利用者はRainbow Bridgeを使うことでイーサリアムを直接的にNEAR Protocolに送り、高速・低手数料の利用ができます。

Rainbow BridgeはNEAR Protocolにとって、あらゆるブロックチェーン・仮想通貨の架け橋となる最初の一歩です。

今後もNEAR Protocolは他のブロックチェーンとも連携が予定されています。

国際的な環境団体から受賞

2021年4月16日、NEAR ProtocolはSouth PoleからClimate Neutral Productのラベルを受賞しました。

South Poleは炭素クレジットの取引や再生可能エネルギーの普及活動、気候変動対策、低炭素金融のコンサルティング活動などを広範に行う国際的な環境団体です。

世界の40か国以上で700のプロジェクトに従事しています。

South Poleはカーボンニュートラルや再生可能エネルギーに力を入れるプロジェクトに対して数々のラベルを授与し、その取り組みを評価しています。

NEAR PritocolはSouth Poleと密接に連携しており、開発時に排出される二酸化炭素量の削減に成功しました。またSouth Poleが行うプロジェクトに対しても支援しています。

またNEAR Protocolはプラットフォーム上で展開されるMintbaseというNFTプラットフォーム上でSouth Poleを題材としたアートがリリースされると発表しました。

South Poleを題材としたNFTアートの売り上げはSouth Poleのプロジェクトに利用されます。

NEAR Protocolの支援プロジェクトへ日本企業が参加

2021年5月14日、日本のブロックチェーン企業であるFracton Venturesが「NEAR India Accelerator」に参加しました。

「NEAR India Accelerator」とは、NEAR Protocolがインドのイノベーションマネジメント企業であるLumos Labsが提携して行う投資プロジェクトです。

インド国内でNEAR Protocolを利用したプロジェクトを行う開発者や企業などに対して、最大で10万ドルの資金提供を行う計画です。

ブロックチェーン分野でのイノベーションを目指す新興企業の発掘と育成を目指しています。

Fracton VenturesはNEAR India Acceleratorのパートナーとしてプログラム参加企業の日本へのNEAR Protocolのマーケットを拡大しようとしています。

インドはIT国家として有名な国です。

ブロックチェーンを用いたソリューションも盛んに登場しており、NEAR India Acceleratorを通じてインドや日本でNEAR Protocolの利用が拡大することも期待できるでしょう。

仮想通貨NEAR Protocolの将来性

NEAR Protocolは、イーサリアムに代わる仮想通貨として将来性が期待されています。

イーサリアムの特徴である「スマートコントラクト」がNEAR Protocolを使って利便性が高めた上で実装できるからです。

NEAR Protocolとイーサリアムは共にPoSをコンセンサスアルゴリズムに採用し、シャーディングを実装することでスケーリングを行うという点において共通しています。

ただしシャーディングの実装は容易ではありません。

多くのシャーディングではシステム全体をビーコンチェーンと複数のシャードチェーンに分けますが、このチェーン間でコミュニティを取るシステムの実装がネックとなっています。

イーサリアムでも現状はまだシャーディングは実装されていません。

一方NEAR ProtocolはNightshadeという独自のシャーディングを既に実装しています。Nightshadeはチェーンを分けるのではなく、ブロックをチャンクという単位に分割することでシャーディングを実現しました。

NEAR ProtocolはNightshadeを導入することでシステム全体のシンプルさを維持しながら、高速処理と低手数料というシャーディングの恩恵にあずかることができるのです。

仮想通貨NEAR Protocolの価格推移と今後

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NEAR Protocol/NEARの基本情報
NEAR Protocol/NEARの価格¥436.52
一日の出来高¥18,898,508,975
マーケットドミナンス0.09%
市場ランキング64位
時価総額¥166,667,528,033
直近1年間の高値/安値¥823.77/¥57.22
最大供給1,000,000,000 NEAR

※2021年05月21日時点Coinmarketcapによる価格等の情報から記載

仮想通貨NEAR Protocolの独自トークンは「NEAR(ニアー)」です。
NEARは、海外の主要取引所の大半に上場しており、NEAR/USDTのペアにてBinanceの取引量が全体の3割を占めています。

価格推移に注目すると、イーサリアムとのクロスチェーンなど好材料が多かった4月から5月は、意外にも史上最高値更新とはなっていません。

実際に史上最高値を更新したのは3月、NEAR/USDTで7.3991USDTです。

【NEAR上場済み】Binanceの公式ページへ

NEAR価格の今後はビットコインに依存

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NEARは、5月以降のビットコイン下落に連動する形で推移しています。

日足チャートからは、急騰相場以上の速度感をもって暴落していることから、2.5USDT~2.0USDTの水準までの下落も予想可能です。

また、現在の史上最高値がプロジェクト進歩による好材料と時期がことなり、あくまでビットコインを軸に価格が推移すると考えられます。

Dapps開発がNEAR Protocolの目的とは言え、分散型の新しい経済圏はビットコイン、イーサリアムといった仮想通貨の需要が前提です。

やはり、市場ランキング64位の規模であるNEAR Protocolはビットコインの価格動向に連動しやすく、単体の価格推移だけで分析するのは難しくなります。

ビットコインの価格動向とNEAR Protocolの最新情報から今後に注目するのが良いでしょう。

仮想通貨NEAR Protocol まとめ

今回は「仮想通貨NEAR Protocolとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。

NEAR Protocolは、上位に君臨するイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決できるシャーディングを早くも実装しています。

2020年にメインネットをローンチ、誕生から日が浅いものの進歩のスピード感が印象的です。

1年後の2021年は、イーサリアムとのクロスチェーンを実施するなど他の類似プロジェクトが3年程度で到達する地点まで来ています。

今後のNEAR Protocolに注目しつつ、イーサリアムを超える存在となるのか期待です。

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この記事のライター
大学卒業後、大手外資系コンサルティング会社でPMOとして勤務。暗号資産やFXなどの金融商品を題材としたライターとしても活動。pythonやjavascriptを活用し、暗号資産の自動売買プログラムの開発も行う。
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