アルトコイン

仮想通貨Harmonyとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ

hermony-one-title

革新的な技術によって誕生した仮想通貨は、処理速度・セキュリティ・分散性など個々が特化した能力を持ちます。

しかし、3つの能力をバランスよく保つ仮想通貨は、主流の仮想通貨にはありません。

仮想通貨Harmonyは、仮想通貨に求められる3つの能力を兼ね備え、100億人規模の新しい経済圏を誕生させられる期待が持たれています。

本記事では、「仮想通貨Harmonyとは?」をテーマに基本~最新情報、価格推移から今後の予想まで徹底的にまとめました。

当記事で用いるチャートは高機能分析プラットフォーム「TradingView(トレーディングビュー)」の提供するBinaceのONE/USDTチャート・を用いて分析をしております。仮想通貨は1年365日を通して動く市場の為、執筆時点(2021年7月時点)での個人トレーダーによる分析となります。仮想通貨(暗号資産)取引に関しては余裕資金・自己判断で行いましょう。

仮想通貨Harmonyとは?

Harmonyとは、100億人という規模をカバーするエコシステムを構築し公正な経済をもたらすことを目指すプロジェクトです。

最新技術を積極的に導入することで、現在の仮想通貨が抱える問題の解決を目指しています。特にHarmonyが力を入れているのが、スケーリングと分散化です。

現在主流となっているBitcoinやEthereumのような仮想通貨はPoWを採用しており、トランザクション処理が遅く、スケーラビリティ問題が課題となっていました。

後発の仮想通貨はPoWの問題点を解決できるような新しいコンセンサスアルゴリズムを採用しましたが、セキュリティや分散性などの要素のいずれかを犠牲としています。
処理速度、セキュリティ、分散性の3点をすべて兼ね備えられない点は「仮想通貨のトリレンマ」と言われます。

Harmonyはこのトリレンマを解決するためにシャーディングを実装しました。Distributed Randomness Generation(DRG)という技術を採用することで、既にシャーディングを実装したプロジェクトと比較して安全性の高いシャーディングを実現しています。

仮想通貨Harmonyの最新情報まとめ

リリース日概要情報ソース
2021年3月23日HarmonyはHorizon Bridgeを拡張
2021年5月12日HarmonyはCrazy.ONEを発表
2021年7月8日HarmonyはTerraとのフルスタックパートナーシップの締結

2021年7月時点で公開された、仮想通貨Harmonyに関する最新情報をまとめました。

仮想通貨Harmonyのプロジェクトでは、既存の仮想通貨が抱える問題を解決した新しい経済圏を誕生させるのが目的です。

実現には、他のブロックチェーンとの提携やエコシステムをつなぎ、分散性・セキュリティ性・高速処理をバランスよく実現する必要があります。

2021年上半期は、他のブロックチェーンとの提携により、仮想通貨Harmonyのエコシステムの拡大へ力を入れる動きが確認できました。

それでは、最新情報をそれぞれ詳しくみてみましょう。

HarmonyはHorizon Bridgeを拡張

2021年3月23日、HarmonyはHorizon Bridgeを拡張し、Binance Smart ChainとつなぎBNBトークンやBEP20をHarmonyへブリッジできるようにしました。

Horizon Bridgeは2020年11月にHarmonyのコミュニティによって立ち上げられたものです。当初はHarmonyとEthereumをブリッジし、EthereumをはじめERC20やERC721をHarmonyエコシステムに接続していました。

従来、EthereumとBinance Smart Chainは直接の互換性を持たず、Horizon Bridgeとの接続も別々の契約によってブリッジされていました。しかし同じフロントエンドを用いることで、間接的にEthereumとBinance Smart Chainをつないでいます。

Horizon Bridgeの拡張は既存のEthereumを利用したアプリケーションやマルチチェーンアプリケーションのイノベーションの加速が期待されます。Horizon Bridgeは今後PolkadotやBitcoin、Cosmosなどにも拡張する予定です。

▼関連記事▼
【Web3.0】Polkadot/DOTとは?将来性・購入方法

 

HarmonyはCrazy.ONEを発表

2021年5月12日、HarmonyはCrazy.ONEを発表しました。Crazy.ONEはHarmonyが初めて提供するサブドメインNFTとして機能します。

Harmony FoundationがCrazy.ONEというドメイン名を取得しており、Harmonyの利用者にサブドメイン名を提供します。このサブドメインはNFTとして機能し、Harmonyが提供するウォレットで管理することが可能です。

Harmonyの利用者はCrazy.ONEのウェブサイトから可用性のある名前を選択し、料金をネイティブトークンであるONEトークンで支払います。すると選択したサブドメインを1年間レンタルすることが可能です。Harmonyはサブドメインが100個作られるたびに、サブドメイン利用者のTwitterプロフィールを利用したCrazy.ONE NFTを作成します。

またCrazy.ONEはHarmonyの利益を拡大するためのものではありません。レンタル料はコミュニティDAOのウォレットへ送られ、プロジェクトの管理と運用も将来的にコミュニティDAOに委譲される予定です。

HarmonyはTerraとのフルスタックパートナーシップの締結

2021年7月8日、HarmonyはTerraとのフルスタックパートナーシップの締結を発表しました。

TerraはCosmos SDKを利用した、相互運用性に優れたDeFiプラットフォームを提供するプロジェクトです。ステーブルコインであるTerraトークンを発行しており、韓国のECサイトなどで利用が広まっています。

パートナーシップの締結により、両者のエコシステムが統合されます。Terra Shuttle Bridgeを介してHarmonyにTerraの発行するステーブルコインが移行し、Harmonyのエコシステム内で利用可能となりました。同時にTerraの提供するDeFiプラットフォームでもHarmonyが利用できるようになりました。

またTerraが主催する開発者向けの助成制度であるTerraform LabsやHarmonyが主催するハッカソンにおいても、Harmonyエコシステム内でTerraのステーブルコインを利用するアプリの開発に対する助成が発表されています。

▼関連記事▼
【ステーブルコイン決済】仮想通貨Terra/LUNAとは?基本情報と購入方法

仮想通貨Harmonyの将来性

Harmonyの将来性は高いと言えるでしょう。最新の技術を導入し、仮想通貨のトリレンマを解決したHarmonyは次世代のブロックチェーンプロジェクトとして大いに注目されています。

しかしHarmonyと同様に次世代のdAppsプラットフォームを提供するブロックチェーンプロジェクトをうたうプロジェクトは数多くあります。例えばEOSやZilliqaなどがあげられるでしょう。これらの競合するプロジェクトに負けてしまえば、Harmonyの利用は伸び悩んでしまいます。

他のプロジェクトと比較した際に、Harmonyの強みとなるのは信頼性の高さです。Harmonyの開発チームはGoogleやAmazonの元エンジニアや、他のブロックチェーンプロジェクトに参加した経験を持つエンジニア、ハーバードビジネススクールの卒業者など、豪華なメンバーを揃えています。技術力も高く、ロードマップ通りの開発が期待できます。

またHarmonyはBinanceの審査を受けたIEOトークンです。Binanceはブロックチェーン企業としても一流であり、Binanceの審査をパスしたということは、信頼性の証となります。

▼関連記事▼
Zilliqa(ジリカ)とは?プロジェクトの将来性とチャート分析

独自トークン「ONE」による高速処理

Harmonyの高速処理を実現するシャーディングや、FastBFTといわれる迅速なファイナリティを実現するのが、独自トークンであるONEのEffective Proof of Stake(EPoS)です。

EPoSは従来のPoSを発展させた仕組みです。PoSは保有数や保有期間に応じて承認権限を与えるため、多数の通貨を保有するノードに権限が集中しがちでした。

EPoSは承認に必要な掛け金を総ステーキング量に合わせて調節することで、少額しか預けていない人でも承認権限を得ることができます。そのためよりバリデーターに公平に報酬を配布することができます。

シャーディングではノードをシャードというグループに分け、取引処理を分担することで高速処理を実現する技術です。

しかしシャード間に処理の不均衡が生まれると処理量の少ないシャードがセキュリティ上のリスクとなるおそれがあります。そこでEPoSを利用することで、公平に処理を分散することが可能です。

仮想通貨Harmonyの価格推移と今後

one-usdt-1
Harmony/ONEの基本情報
Harmony/ONEの価格¥9.13
一日の出来高¥2,539,240,227
マーケットドミナンス0.06%
市場ランキング81位
時価総額¥94,083,305,820.62
直近1年間の高値/安値¥24.60/¥0.4304
最大供給12,600,000,000ONE

Harmonyの独自トークン「ONE(ワン)」は、仮想通貨取引所Binanceで多く取引されています。

最も取引が盛んに行われているのは、BinanceのONE/USDTのペアであり、ONEトークンの取引市場38%。次いで、Binance USではONE/USDのペアで市場の18%を占めており、実質ONEトークンの取引は、Binanceを使った取引が半数です。

価格推移も堅調に、2021年3月下旬には1ONE=0.22USDTの史上最高値を更新しました。

【ONE上場】Binance(バイナンス)の公式サイトはコチラ

押し目形成の展開と今後の高値

one-usdt-2

ONE/USDTの日足チャートでは、史上最高値更新以降だと下降トレンドに転換しています。

しかし、3月以前の上昇トレンドの規模と比べると下降トレンドの勢いはなく、あくまで中期的な下げ相場と言えるでしょう。

また、中期下降トレンドの高値と安値に注目するとチャネル状の形が見えてきます。
上昇トレンド発生中の右肩下がりのチャネルは、押し目形成の下降トレンドと言え、最終的には上昇トレンドに転換する可能性が高いです。

大まかな流れとして、長期は上昇トレンドであり、中期の下降トレンドも長期のトレンドに対する調整局面といった見方ができます。

実際に、現時点の下降トレンドは同期間当たり、上昇トレンドより大きな値幅を落とせていません。

したがって、調整局面の終了後に、再びONEトークンを史上最高値を目指す可能性が十分にあるでしょう。

仮想通貨Harmonyとは? まとめ

今回は「仮想通貨Harmonyとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • 仮想通貨Harmonyとは、仮想通貨のトリレンマを改善し、100億人規模のエコシステムを作るプロジェクト
  • 2021年上半期は、エコシステム拡大に向けた活動が多かった
  • Horizon Bridgeの拡張により、BNBトークンやBEP20とのブリッジが可能になった
  • Crazy.ONEが公開、Harmonyが初めて提供するサブドメインNFTとして機能する
  • HarmonyはTerraとのフルスタックパートナーシップの締結し、韓国のEC市場も視野に
  • 独自トークンであるONEのEffective Proof of Stake(EPoS)がステーキング報酬の公平性を保っているのは特徴的
  • ONEトークンの価格推移は堅調に、長期上昇トレンドの押し目形成中との見方が強い

処理能力・セキュリティ・分散性のいずれかで優れる仮想通貨は、決して少なくありません。

一方で、どれか1つに強みがある仮想通貨は他2つを犠牲にすることになるトリレンマは、仮想通貨にとって大きな問題でした。

このトリレンマを改善し、主軸となった仮想通貨は未だにありません。
同様に改善案を掲げるプロジェクトも少なくないため、Harmonyのライバルは多いでしょう。

しかし、トリレンマ改善と主軸になりうるマーケット拡大が実現すれば、今後の伸びしろの期待値は非常に高いです。

ONEトークン自体の価格も1ドルに満たないため、まだ今後の展開に期待できる段階と言えるでしょう。

アルトコイン
この記事のライター
大学卒業後、大手外資系コンサルティング会社でPMOとして勤務。暗号資産やFXなどの金融商品を題材としたライターとしても活動。pythonやjavascriptを活用し、暗号資産の自動売買プログラムの開発も行う。
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事