【ビットコイン価格ニュース】前日比（終値）＋2.06％。300万円に到達するにはまだまだ時間がかかりそうである

3月11日　10時台には最高値282万円台まで上昇

出典：Trading Viewビットコイン日本円チャート １時間足

まずは、ビットコインを取り巻く内外の社会情勢や経済向がどうなっているか、主な話題を拾ってみた。

各国の経済指標を見る

アジア地域

2月の日本の企業物価指数は前年同月比8.2%増

「企業物価指数」とは、企業間で取引するモノの価格動向を示すもので、日本銀行が派票しているものだが、それによると、2月の企業物価指数（速報値、2020年平均=100）は119.3と、前年同月比8.2%増となった。１月は同9.5%増さから鈍化したことになる。

上昇率は民間予測の中央値（8.4%増）を下回った。上昇率が8%台になるのは2021年12月以来のことで、1年2カ月ぶりである。また、前月比では0.4%減となり、2020年11月以来のマイナスとなった。

電力・都市ガス・水道は前年同月比33.9%増とんり、1月（49.1%）から鈍化した。農林水産物は同11.6%増、飲食料品は同7.6%増。公表している515品目のうち、上昇したのは452品目、下落したのは53品目。

輸入物価指数は、円ベースの上昇率は14.6%と、5カ月連続で低下した。
出典：日本経済新聞（2023年３月10日111:10）

要人発言

（アメリカの財務長官）共和党議員に警告

アメリカの財務長官であるジャネット・イエレン氏は、共和党が脅しをかけている米国政府法案の支払い失敗は「経済と金融の崩壊をもたらす」と議員に警告した。

そのうえで、一部の支払いを他の支払いより優先させる共和党の計画は「別の名前をつけたデフォルトに過ぎない」とした。
出典：Bloomberg Evening Briefing(2023年３月11日08:01)

中央銀行・金融機関関連

シリコンバレー銀行が閉鎖

マサチューセッツ州に多数の支店を持つ全米第16位のシリコンバレー銀行が、大不況以降、アメリカ最大の銀行倒産となる金曜日、1929年の再来となった。

午前11時35分頃、地元の警察官がウェルズリーにある同銀行の支店を出て、貯金を取り出そうと必死になっている大勢の人々に、連邦預金保険公社（FDIC）が同銀行を閉鎖したことを告げた。

マサチューセッツ州だけでなく、全米の金融機関の安定性を維持するために設立された連邦預金保険公社は、金曜日の朝、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くハイテク関連の投資銀行であるシリコンバレー銀行の全17拠点を閉鎖したことを発表したのだった。

その中にはマサチューセッツ州の8カ所が含まれている。そのうち6カ所は、シリコンバレー銀行（SVB）が2021年6月に買収したボストン・プライベートの旧支店で、ウェルズリー、ボストンの郵便局前、ビバリーにある。

ボストン・プライベートの拠点として生まれなかったフルサービス拠点は、ボストンの53 State St.とニュートンの275 Grove St.にある。
出典：Boston Herald Business(2023年３月11日10:01)

政治動向

ジョー・バイデン大統領の予算の爆上げ

アメリカの大統領であるじゃオー・バイデン氏は木曜日、６兆8000億米ドルの予算案を発表した。この予算案は、軍備を強化し、社会プログラムを保護・拡大し、今後10年間で赤字を3兆ドル削減するというものだ。

アメリカの富裕層（年収40万米ドル以上の人）に多くの税金をかけ、億万長者の財産に25％の税金をかけることである。ケビン・マッカーシー下院議長は即座にこの予算を「不真面目」と非難したが、バイデン氏はそのことを知っている。

共和党は、債務上限を引き上げるために均衡財政を望むというが、独自の実行可能な計画をまだ発表していないのだ。バイデン氏が2024年を見据えたとき、この財政的な戦い（その中で彼は進歩的な支出の優先順位を強調する）は、彼の選挙運動の基軸の1つとなる。
出典：GZERO DAILY(2023年３月10日21:23)

投票延期

ナイジェリアでは、裁判の影響で遅れていた知事と州議会の投票を1週間延期し、選挙管理委員会が電子識別装置の再設定に時間をかけることになった。選挙は土曜日ではなく、3月18日に行われる予定である。

先月行われた大統領選で、与党「全進歩会議」のボラ・ティヌブ氏が勝利した2人の次点者は、その結果を争っており、先週、投票所で有権者の認定や結果の送信に使用するタブレットへのアクセスを認める命令を確保した。
出典：Bloomberg Next Africa(2023年３月10日19:28)

経済・金融関連

技術競争における中国の優位性

アメリカと中国は、世界の権力と影響力をめぐる広範な争いの結果を左右しかねない技術競争に従事していると、元Google CEOのEric Schmidt氏は、最近のForeign Affairsのエッセイの中で、特に人工知能に注目して書いている。

アメリカが輸出規制によって中国のハイテク開発を圧迫し、最先端のマイクロチップ技術から中国を切り離す中、Zhuoran Li氏はThe Diplomat誌で、不正や汚職が、国内の半導体産業を最先端に引き上げる中国のミッションを妨げる可能性があると論じている。

しかし、Dan Wang氏による新しいForeign Affairsのエッセイによれば、中国には少なくとも1つの大きな技術的優位性があるとのことである。それは、複雑な製造業である。

最高級のマイクロチップを作るために使われる高級なリソグラフという意味ではなく、人という意味である。

アメリカが製造業のアウトソーシングと自動化を進めるなか、中国は太陽電池技術やロボット工学などの分野で役立つ生産知識を獲得してきたと、王氏は書いている。

「世界有数の製造工程に触れ続けることで、中国の労働者は国内企業で通用するスキルを身につけた」と王氏は書いている。（電気自動車の）バッテリーの製造について考えてみましょう。

このユニットの製造には、約12の個別の工程が必要で、それぞれが前工程から完璧に近いハンドオフを要求される。中国のエンジニアリング・マネージャーは、家電製品での経験から、このタスクに必要なプロセス知識を得ている。

「このような製造ノウハウの移転は、中国がソーラー産業で優位に立つ鍵の一つでもある。このような人材は、ハイエンドの研究開発に投資しているが、この「プロセス知識」を持たないアメリカとは対照的である」とWang氏は書いている。
出典：FAREED’s Global Briefing(2023年３月11日09:26)

社会・環境関連

低スキル労働者の賃金が上昇し、貧困と格差の縮小に拍車がかかる

低技能職の労働者の賃金が上昇したおかげで、所得格差と貧困が減少している。低賃金労働の多くが中賃金労働に移行しているのである。

この変化は、少なくとも部分的には、失業率が低いことに起因している。つまり、あらゆる種類の企業が労働者を獲得するために、より厳しい競争を強いられることになる。

つまり、あらゆる企業が、より高い賃金、より良い福利厚生、ボーナスなどを提供することで、労働者の獲得に邁進している。
出典：reason(2023年３月10日09:41）

日本の人口問題を解決するには移民が最適

日本政府は、少子化を経済・社会の機能低下につながる事実上の緊急事態と位置づけている。しかし、立石久雄氏の目には、その根本的な解決策が見えていないように映る。

企業再生会社ネクスト・キャピタル・パートナーズの最高経営責任者は、「日本は多くの外国人にとって魅力的な国であることは明らかだ」と主張する。

新型コロナウイルス以前は、外国人観光客が多くの日本企業に大きな変化をもたらしていた、と立石氏は指摘する。「移民はさらに大きな経済効果をもたらすだろう」。

「日本はもはや外国人労働者なしでは運営できないという事実を認めなければならない」と立石は書いている。立石氏は、人口減少を補うために年間100万人の移民を受け入れることを提案し、世界的な人材獲得競争における日本の優位性を指摘している。

また、「永住権を取得した外国人は、消費者にもなる」とし、自動車メーカーや住宅メーカーがその恩恵を受ける可能性があると指摘する。
出典：NIKKEI Asia(2023年３月11日09:32)

国家間の協調・対立・紛争関連

イランとサウジアラビア、中国の仲介で関係修復と大使館再開に合意

長年、この地域で敵対してきたイランとサウジアラビアは、中国主導の北京での交渉の結果、外交関係の再開と互いの国の大使館の再開に合意したと、両政府がそれぞれの国営メディアを通じて発表した。

イランの通信社IRNAは、「会談の結果、イランとサウジアラビアは、2ヶ月以内に外交関係を再開し、大使館を再開することに合意した」と、金曜日に報じた。サウジアラビアの国営サウジ・プレス・エージェンシーは、独自の声明でこの発表を確認した。

サウジの声明は、会談における北京のリーダーシップに深く感謝した。
出典：CNBC(2023年３月10日07:45)

和やかな会談

今日のホワイトハウスでのジョー・バイデン米大統領とウルスラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長の会談は、貿易摩擦やウクライナ戦争の圧力にもかかわらず、和やかな雰囲気になりそうである。

クリーン技術の開発を促進することを目的としたインフレ抑制法をめぐる衝突を避けるため、両者は、アメリカの生産者にのみ提供される補助金の一部を欧州企業が享受する方法について合意すると予想される。

欧州連合（EU）は、先進的なチップの輸出規制について、ブロック全体のアプローチを調整する用意がある。

これは、アメリカが中国の技術へのアクセスを厳しく制限するよう圧力をかける中、オランダが一部の供給を制限することを決定したことを受けてのことである。
出典：Bloomberg Balance of Power(2023年３月10日19:51)

暗号資産の新しい動き

Web3空間におけるセキュリティ強化のために力を合わせる

世界のデジタル事情が進展する中、Web3エコシステムが地域ごとに急成長している状況が続いている。

しかし、急成長する分野では、新たな課題やリスクが発生するのが一般的です。例えば、Web2のブームには、フィッシング攻撃やデータ漏洩の懸念など、セキュリティ上の懸念がつきまとった。

新興のWeb3業界も例外ではありません。エコシステムが進化しているのと同様に、Web3のサイバー犯罪も高度化しており、犯罪者の攻撃もより巧妙になっている。

そのため、サイバー犯罪や金融犯罪のリスクを排除しつつ、継続的な成長を支えることができる、安全で安定したWeb3インフラを国が整備することが重要である。
出典：THE ECONOMIC YIMES DECRYPT WEEKLY UPDATE(2023年３月11日17:59)

スタンダードチャータード傘下の暗号カストディアンがルクセンブルクの規制当局に登録

Standard Charteredが所有する暗号通貨カストディアンであるZodia Custodyは、金曜日に、ルクセンブルクの金融規制当局にアイルランド法人を登録したと発表した。

この登録により、Zodiaはルクセンブルクの金融機関向けにデジタル資産カストディサービスを提供できるようになるという。

規制当局のウェブサイトによると、Zodiaはマネーロンダリング防止およびテロ資金調達対策に関する規則の遵守について、同監視当局の監督を受けることになる。

Zodia Custody IrelandのCEOであるJohn Cronin氏は、金曜日の声明で、「金融機関が暗号資産に関連するさまざまな商品やサービスを提供する大きな機会がある」と述べている。
出典：THE ECONOMIC YIMES DECRYPT WEEKLY UPDATE(2023年３月11日12:29)

このような状況がビットコインの値動きにどんな影響を及ぼしたのだろうか。以下は、3月11日のビットコインの値動きを時系列に沿って説明したものである。

ビットコインの3月11日の値動き

始値2,681,231円で寄りついたあと、最安値2,667,956円まで下落したが、2,696,532円まで買い戻されて上昇し、１時台には2,750,788円まで上昇したが、2,710,901円まで押し戻されて下落した。

３時台には2,681,521円まで下落したが、2,682,600円まで買い戻されて上昇し、４時台には2,712,712円まで上昇したが、2,705,498円まで押し戻されて下落した。

６時台には2,686,499円まで下落したが、2,718,256円まで買い戻されて上昇し、10時台には最高値2,822,048円まで上昇したが、2,811,200円まで押し戻されて下落した。

17時台には2,690,025円まで下落したが、2,744,851円まで上昇した。その後、2,776,730円まで押し戻されて下落し、18時台には2,727,099円まで下落したが、2,731,427円まで買い戻されて上昇した。

19時台には2,738,735円まで上昇したが、2,725,000円まで押し戻されて下落し、20時台には2,716,992円まで下落したが、2,729,963円まで買い戻されて上昇した。

23時台には2,747,323円まで上昇したが、押し戻されて、23時59分59秒には終値2,735,311円をつけ、３月11日の取引を引けた。

この日一日のビットコインの値動きは最安値最高値ベースで、154,092円であった。

3月12日の価格予想及び、注目のイベント

３月12日のビットコインは、始値2,735,173円で寄りついたあと、2,730,000円まで下落したが、2,733,958円まで買い戻されて上昇し、３時台には2,766,545円まで上昇したが、2,757,913円まで押し戻されて下落した。

４時台には2,748,682円まで下落したが、2,754,677円まで買い戻されて上昇し、５時台には2,782,263円まで上昇したが、2,768,836円まで押し戻された。６時台には始値2,768,836円でよりついたあと、下落している。

今日のポイント
３月11日のビットコインは、対前日比（終値）でプラスの値動きとなった。10時台には最高値282万円台まで上昇したが、その後は伸びを欠いて押し戻され、終値は273万円台をつけ、取引を引けた。

ローソク足の動きを一目均衡表で見ると、ローソク足は雲のなかにあり、基準線、転換線ともやや右肩上がりとなっている。また、雲を形成している先行スパンだが、雲の下部を形成しているのが先行スパン１である。

このことから、ビットコインの価格は上昇する可能性が高いが、上昇してもそんなに大きくは伸びないかもしれない。したがって、300万円に到達するのは無理ではないだろうか。

▼ビットコインの特徴や今後の動向について詳しく知りたい方はこちら
ビットコイン(BTC/Bitcoin)とは？特徴と今後の将来性・価格予想

この記事のライター

Tsuji Hideo

フリージャーナリスト。出版社勤務後、１９８４年４月からフリー転向。以降、月刊宝石や「ダカーポ」などに原稿を執筆。月刊誌の取材・執筆活動のほか、単行本の執筆や編集等を行う。著書に『サイエンススクランブル』『我らチェルノブイリの虜囚』（いずれも共著）がある。２００７年１１月から２０１６年１月まで日本で唯一の外国為替証拠金取引（ＦＸ）の専門誌月刊「ＦＸ攻略．ｃｏｍ」の初代編集長を務める。ＦＸポータルサイト「エムトレ」アドバイザー歴任。