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目次
メルカリはマザーズに上場
メルカリは、急速な成長スピードで身近なサービスとして非常に多くのユーザーに利用されています。メルカリはテレビCMなどでも頻繁に露出しており、知っている人の方が多いのではないでしょうか。
2017年7月 年内の上場が報じられ…
日本経済新聞によると、2017年7月21日に株式の上場を東京証券取引所に申請したと報じられました。
年内の上場をめざしており、時価総額は1000億円を超える可能性が高いと言われています。
その後、すぐにメルカリ社から、プレスリリースが出ていましたが、上場自体の道は模索していることは確かでしょう。
今後の事業拡大のため、様々な可能性を検討しておりますが、現段階におきまして、決定している事実はありません
出典:本日の一部報道について
2017年11月 利用規約の改定から見える上場への動き
利用規約の改訂が発表され、一部のユーザーの間で話題となりました。
資金決済法への対策
主な改定前は、売り手ユーザーが販売をして得た現金をこれまでは、メルカリ側で(1年間)預かっていました。ユーザーは自分の売上の金額からそのまま他の商品の購入に充てることができる仕組みでした。
改定後は、売り手ユーザーの売上で得た現金は、90日間メルカリ側で預かっておき、その期間が過ぎれば自動で登録してある銀行口座に振り込まれる仕組みになります。
不正商品の売買対策
また、初めて商品を出品する際の本人情報登録も12月上旬から義務化されます。
住所や氏名、生年月日などを入力する必要があり、銀行口座名義と一致しなければ売上金を入手できないような仕組みになります。
これまで任天堂switchの箱だけ、現金など様々な商品が取引され、問題視されていた部分を少しづつ管理できるように調整しているようです。
2018年4月 6月にも東証マザーズ上場へと、報道
NHKの報道によると、メルカリが、6月にもマザーズ市場に上場する見通しになったと報じました。
もし上場すれば、時価総額が2000億円を超える可能性があり、今年最大規模の上場になる見込みで注目度も非常に高いです。
本日、一部報道機関において、当社が上場する旨の報道がありましたが、当社が発表したものではありません。
当社では今後の事業拡大のため、様々な可能性を検討しておりますが、現段階におきまして、決定している事実はありません。出典:本日の一部報道について
2018年5月 東証マザーズ上場の承認
東京証券取引所は、フリマアプリ「メルカリ」の運営会社メルカリの上場を承認しました。上場予定日は6月19日です。
メルカリの企業概要
メルカリは日本およびアメリカでフリマアプリ(個人間で物品を売買できるアプリ)「メルカリ」を提供する企業です。
個人間取引であるC2C市場が拡大していることもあり、毎日数十万点の出品が行われています。
フリマ市場はメルカリが拡大させたといっても過言ではない市場で、フリマ市場での同社の地位は確固たるものとなっています。
沿革
- 2013年2月:山田進太郎氏が株式会社「コウゾウ」を設立
- 2013年11月:商号をメルカリへと変更
- 2014年3月:米国子会社を設立
- 2016年3月:新アプリ「メルカリ アッテ」を提供開始
- 2016年6月:初の黒字化
メルカリの創業者
山田 進太郎氏(代表取締役社長)は1977年9月21日生まれ。
早稲田大学教育学部在学中に楽天株式会社にてインターンとして「楽オク」の立ち上げなどに携わりました。
在学中にはサークルで、フリーペーパー作成やウェブ企画を行う学生団体である「早稲田リンクス」の代表を務めました。
大学卒業後の2001年には「ウノウ株式会社」を設立、2010年には同社を「Zynga」へ売却しています。
2012年に退職後、世界一周の旅へ出ました。
帰国後の2013年2月1日に株式会社メルカリを創設。
起業当初からアメリカをはじめ、グローバル展開をしたいという目標を掲げ、創業1年目に米国に子会社を設立しました。
メルカリの事業
同社の事業は「いらない物を売りたい人」と「買いたい人」を繋げる、プラットフォームとしての役割を果たしています。
通常のオークション形式とは異なり、価格交渉を個別に行うところに特徴があります。
メルカリのアプリのダウンロードや出品は無料です。
出典:https://about.mercari.com/csr/safety/
同社のサービスを利用するときに支払う手数料は主に以下の3形態です。
- 販売手数料・・・出品した商品が売れた時に、販売価格の10%を計上します
- 振込手数料・・・売上を現金化する際、出金額が1万円未満の場合210円の手数料がかかります
- 支払手数料・・・購入者の支払い方法(コンビニ決済、ATMなど)によって100円の手数料がかかります
このうち、基本的には「販売手数料」がメルカリの収益源となっています。
つまり、、、
1万円の取引があれば、
10% = 1,000円
がメルカリの収益となります。
現在、メルカリ上で取引される総額は1,000億円以上と言われており、単純計算しても100億円程度の利益が手に入ることになります。
「売り手」と「買い手」とを繋ぐ「場所」を提供し、取引が発生する度に収益が発生する、効率的なビジネスモデルです。
メルカリの強みと特徴
投資効率の高いビジネスモデル
「売り手」と「買い手」への場所を提供するだけで収益が発生するため、投下資本に対して高い利回りを獲得できる、効率的なビジネスモデルです。
事業に必要なインフラ(IT投資など)を整備すれば、その後に追加で必要となる費用はそれほど大きくありません。
そのため、売上が増加すれば、利益がどんどんと増える仕組みになっています。
利用者が利用者を呼んでくれる
一度プラットフォームとして地位を確立した後は、それを守ることは比較的容易です。
一定以上の利用者が存在すること自体が呼び水となり、さらなる利用者を呼び込むからです。
このように、「皆が使っているから自分も使う」ことで地位を確立するビジネスを「プラットフォーム型企業」と呼びます。
プラットフォーム型企業には、利用者の増加がさらなる利用者を呼びこむという「正の好循環」が働いており、一度地位を確立した後は自然と事業が大きくなる特徴があります。
そのため、追加の広告費を低く抑えることができ、効率的に事業を運営することができるのです。
メルカリの市場環境
同社が属する個人間の売買はC2C(Consumer to Consumer)と呼ばれており、インターネットやEC(電子商取引)の発達により、市場は拡大傾向にあります。
特に、メルカリが展開する「フリマ」市場は2012年に形成されましたが、その後5年弱で3,000億円へと市場が拡大しています。
個人間取引の市場は認知度の向上も相まって、急速に伸びています。
これまでの「企業と顧客の間での売買」といった別の市場をも取り込み、今後も安定的に成長することが見込まれます。
メルカリの社員数や規模
資本金:125億5020万円
従業員数:230名
収支状況
2016年には未上場ながら30億円もの当期純利益を計上しています。
それまでは投資に投資を重ねて、ユーザー基盤やプラットフォーマーとしての地位を確保してきました。
2015/11(第3期) | 2016/11(第4期) | |
売上高 | 4,233百万円 | 12,256百万円 |
売上総利益 | 3,901百万円 | 11,470百万円 |
営業利益 | -1,104百万円 | 3,286百万円 |
経常利益 | -1,099百万円 | 3,262百万円 |
当期純利益 | -1,104百万円 | 3,011百万円 |
利益剰余金 | -2,502百万円 | 508百万円 |
出典:決算公告
メルカリの資金調達
- 2013年7月:East Venturesへ第三者割当増資5,000万円
- 2013年8月:ユナイテッドと業務提携、3億円を調達
- 2014年3月:第三者割当増資により14億5000万円を調達
- 10月:第三者割当増資により23億6000万円を調達
- 2016年3月:第三者割当増資により84億円を調達
ユナイテッド社は、メルカリの上場報道により株価が推移するなどの影響をうけるほど、メルカリの上場は期待と注目を浴びてることがわかります。
株主
調査中
今後の展望
フリマ市場での圧倒的な地位の獲得
メルカリが創出したと言っても過言でもない「フリマ」市場は、IPOなどによる知名度の向上とともに、今後も安定的に成長しそうです。
「参加者が増えることが新たな参加者を呼ぶ」という仕組みを利用して、先行的に顧客を獲得し、急成長を遂げました。
参加者が多く、それゆえに取引が成立しやすい「メルカリ」から離脱したい人は少ないため、後発の企業が同じ事業を営もうとしても、メルカリのような「まとまった参加者」を集めることは困難です。
これがメルカリにとって競争上の利点として機能します。
大手オークションサイトとの競争
既に一定の地位を確立している「ヤフオク」をはじめとしたオークションサイトとの競争です。
大手のオークションサイトには一定の参加者が存在しており、商品の売買や決済に纏わるインフラも整備されているため、メルカリと同様のビジネスを行うことは難しくはないからです。
ですが、フリマ市場そのものが成長段階にあるため、「生き残りをかけて正面から戦う」といった段階に達するまでには、まだまだ時間的に余裕がありそうです。
メルカリは当面の間は安定的に成長することができるでしょう。
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