仮想通貨の仕組み

暗号資産(仮想通貨)ビットコインの採掘速度(ハッシュレート)とは?価格との関連性を徹底解説!

マイニングのハッシュレート
この記事を読んでほしい人
✔ ハッシュレートについて知りたい方
✔ 暗号資産(仮想通貨)の価格変化が気になっている方
✔ ビットコインで儲けようとしている方

ビットコインの価格を決める要素は色々ありますが、中でもビットコインそのものと密接に関係しているのがハッシュレート(採掘速度)です。

ハッシュレートは暗号資産(仮想通貨)を知るうえで欠かせません。暗号資産(仮想通貨)の価格変化を予測するためには、ハッシュレートを見ることが効果的です。

今回はハッシュレートについて細かく紹介します。

2020年4月現在、世界経済に大きな影を落とすコロナショックがハッシュレートにもたらす影響についても掘り下げます。

この記事の要約
  • ハッシュレートはマイニングをする際の計算速度で単位はhash/s
  • ハッシュレートはマイナーの増減で変動する
  • ビットコインの価格とNYダウの価格どちらも3月で急落
  • 2020年は半減期やコロナショックなど今後の注視は欠かせない

ハッシュレート(採掘速度)とは

ハッシュレート(採掘速度)は、暗号資産(仮想通貨)そのものと深く関わるものです。

特にビットコインのハッシュレートはビットコインの価格のみならず、暗号資産(仮想通貨)市場全体に影響を及ぼします。

ただハッシュレートは普段目に見える数字ではありません。ハッシュレートとは「マイニング」というプロセスを行うときの、1秒あたりの計算能力を示すものです。

ビットコイン(BTC)とは?

ハッシュレートが価格に及ぼす影響を語るには、まずビットコインについて知る必要があります。

ビットコインは2009年に登場した、世界で最初の暗号資産(仮想通貨)です。

ビットコインの採用する仕組みは現在の暗号資産(仮想通貨)の基本的な枠組みとなっており、技術が進歩してもなお、ビットコインの仕組みが受け継がれています。

ビットコインの仕組みについては、以下の動画が非常に参考になるので、ぜひ目を通してください。

またビットコインは現在の暗号資産(仮想通貨)市場の中心的な存在です。2020年4月現在も市場規模の66%を占めています。

そのためビットコインのハッシュレートの変動が、暗号資産(仮想通貨)市場全体に大きな影響を与えます。

ビットコイン(BTC)のマイニング(採掘)とは?

マイニングは暗号資産(仮想通貨)の「ブロック」を承認する作業のことです。

ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインを使った送金や決済などの記録がブロックという単位でひとまとめにされます。

このブロックを承認するために「マイナー」と言われる人が計算を進め、「ナンス」という値を求めます。これがマイニングです。

正しい値を求めるまで計算をやめない様子が採掘に見えるため、マイニング(採掘)と言われています。

マイニングを達成し、ブロックを承認した人は報酬としてビットコインを受け取ることが可能です。

ハッシュレートはこの報酬の受け取りやすさと大きく関係しています。

ビットコイン(BTC)のハッシュレート(採掘速度)とは?

ハッシュレートとは、マイニングをする際の計算速度のことです。単位はhash/sで、1秒間で何度ハッシュ計算(ナンスを求めるための計算)できるかを示します。

この単位はM(メガ、100万回)、G(ギガ、10億)、T(テラ、1兆)などの単位と組み合わせて使われることが多いです。

例えば

1Mhash/sとあれば、1秒で100万回

ハッシュ計算ができることになります。

ビットコインのハッシュレートが高いということは、それだけ多くのマイナーがマイニングに参加し、ハッシュ計算をしている証拠です。

ハッシュレート(採掘速度)が変動する理由とは?

ハッシュレートの変動とは、すなわちマイナーの増減にほかなりません。

ビットコインの価格が上昇すれば、報酬目当てでマイニングに加わる人が増え、ハッシュレートが上昇します。

ハッシュレートが高くなれば、ビットコインの信頼性が向上し、更にビットコインの価格が上昇します。

ただしハッシュレートが高くなりすぎると、逆に一般マイナーが参入しにくくなり、大手の企業ばかりがマイニングを占めてしまうため、暗号資産(仮想通貨)の持つ非中央集権性が損なわれてしまいかねません

一方ハッシュレートが下がると、マイナーが減ってるためトランザクションの詰まりが起きて送金速度が低下したり、セキュリティ面のリスクが高まります。

半減期・ディフィカルティ(採掘難易度)と価格の関連性

ビットコインには半減期と言われるものがあります。

半減期はビットコインの流通量を調節するために、マイニング報酬を半減する仕組みです。およそ4年に1度の周期で訪れます。

マイニング報酬が半減すればマイナーの採算が悪化するため、常識的に考えればハッシュレートは悪化します。

ビットコインのハッシュレートの推移

出典:ビットコインのハッシュレートの推移

しかし以上のチャートを見ると、2009年にビットコインが公開されてから、おおむねハッシュレートは上がり続けています。2016年に半減期が訪れたときもハッシュレートは下がっていません。

またビットコインではブロックの承認が10分に1度になるよう、マイニングのディフィカルティ(採掘難易度)が調節されます。ハッシュレートが上昇していくと、ディフィカルティはどんどん上がっていきます。

ただディフィカルティが上昇しても、過去には価格にほとんど影響を与えていません。

ハッシュレート・マイニング報酬の推移

また同様に、マイニング報酬が下がればハッシュレートに悪影響を及ぼす可能性がありますが、過去のハッシュレートとマイニング報酬に関係性は見られません

ハッシュレートの計算とGPUの関係

ハッシュレートの増加は、マイナーの増加のみによるものではありません。

近年ではGPUなど、マイニングに用いるコンピュータの性能が向上し、より計算能力が上がっているため余計にハッシュレートが向上しています。

性能が向上すると、コンピュータは価格が上がってしまいます。加えて旧型のコンピュータを使うマイナーがマイニングできません。

マイニング用のパーツを販売する企業に利益が集まり、中央集権が強まるおそれがあります。

ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の比較

ハッシュレートが存在するのは、ビットコインだけではありません。

ビットコインと同じ仕組みでブロックを承認するアルトコインでも、同様にハッシュレートは存在します。

例えば、ビットコインから分岐する形で誕生したビットコインキャッシュ(BCH)にもハッシュレートがあります。

ビットコインキャッシュはビットコインよりもハッシュレートは低いですが、まだ半減期を迎えたことがありません。

過去、ビットコインでは半減期を迎えてもハッシュレートに変化は訪れませんでした。しかしビットコインよりも安価なビットコインキャッシュでは半減期によってマイナーの離脱が発生する可能性もあります。

要注目!暗号資産(仮想通貨)のハッシュレートの2020年のイベントについて

2020年は暗号資産(仮想通貨)にとっては、一大転機となりうる年です。

なぜかといえば、ビットコインをはじめ多くの暗号資産(仮想通貨)でハッシュレートイベントである半減期を迎えるためです。

2020年の主なハッシュレートイベントを紹介します。

4月「ビットコインSV(BSV)」の半減期

2020年4月9日ごろに、ビットコインSVが半減期を迎えると言われています。ビットコインSVはビットコインキャッシュから分岐して生まれた暗号資産(仮想通貨)です。

実はビットコインSVとビットコインキャッシュ、そしてビットコインは「SHA-256」という共通のアルゴリズムを用いてマイニングを行っています。

そのため同じマシンでマイニングをすることが可能です。

4月「ビットコインキャッシュ(BCH)」の半減期

先ほども紹介しましたが、2020年4月8日ごろにビットコインキャッシュが半減期を迎えます。

大手暗号資産(仮想通貨)分析企業のコインメトリクスは、ビットコインキャッシュとビットコインABCの相次ぐ半減期によって、マイナーによるビットコインへの売り圧力が高まる予想しています

つまりこの2つの通貨の半減期によって、ビットコインの価格が悪影響を受けるということです。

5月「ビットコイン(BTC)」の半減期

2020年5月に、ビットコインが3度目の半減期を迎えると予想されています。

これまで2度の半減期では、ハッシュレートに影響を及ぼすことはありませんでしたが、今度の半減期ではついに影響が出るのではないかと言われています。

暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックスは、半減期が訪れればハッシュレートは30%ほどから35%ほど下がる可能性があると予測しています

ビットコインはハッシュレートが上がり、今では専用のコンピュータを用いてマイニングをしなければなりません。部品代や電気代などのコストも高騰しており、半減期を迎えることでギリギリのところでマイニングをしていた人が離れ、ハッシュレートが低下するのです。

直近では新型コロナウイルスによるいわゆる「コロナショック」によって世界経済が大きな影響を受けており、ビットコイン市場も不安定です。

ビットコインの価格が伸び悩むようでは、ハッシュレートは予測以上の低下をすることもあるでしょう。

コロナショックによるハッシュレートの推移

コロナショックによるハッシュレートの推移

出典:コロナショックによるビットコインのハッシュレートの推移

上のチャートは、この1年のビットコインのハッシュレートの推移を示しています。おおむね右肩上がりだったものが、2020年3月ごろに急降下しました。

3月にはビットコインの価格の急落とディフィカルティが一時的に釣り合わなくなり、マイニングの採算性が急落、ハッシュレートも急降下したのです。

このビットコインの急落を引き起こしたのがコロナショックです。コロナショックによって、ハッシュレートも大きな被害を被ってしまいました。

NYダウと比較したビットコイン価格とハッシュレートの推移

ビットコインの価格

参考:ビットコインの価格

NYダウの価格推移

参考:NYダウの価格推移

一方、上記の表は、それぞれこの1年のビットコインの価格とNYダウの価格推移を示したものです。

先ほどのハッシュレートと比較してみると、3月でいずれも急落しています。これは先ほども紹介したコロナショックによる影響です。

しかしNYダウが3月中続落を続ける中、ビットコインとビットコインのハッシュレートはなんとか踏みとどまっています。ビットコインは国際情勢による影響が比較的小さい金融資産であるため、コロナショックで各国が株価を落とす中でも比較的持ちこたえられているのです。

もっともビットコインもハッシュレートも、依然不安定であることは間違いありません。注意して推移を見守ったほうがいいでしょう。

暗号資産(仮想通貨)のハッシュレートまとめ

この記事のまとめ
  • ハッシュレートはマイニングをする際の計算速度で単位はhash/s
  • ハッシュレートはマイナーの増減で変動する
  • ビットコインの価格とNYダウの価格どちらも3月で急落
  • 2020年は半減期やコロナショックなど今後の注視は欠かせない

今回は暗号資産(仮想通貨)の価格と関連する要素のひとつである、ハッシュレート(採掘速度)について紹介しました。

ハッシュレートはビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の仕組みと密接に結びついており、その変動に大きな関心が寄せられています。

ビットコインのハッシュレートは基本的に右肩上がりが続いていますが、今後も同様に上がり続けるかは不透明です。

半減期による採算性の悪化や一時的にハッシュレートを急落させたコロナショックの更なる影響など、2020年にはハッシュレートに影響を及ぼしうるイベントが目白押しとなっています。

今後の注視は欠かせないでしょう。

仮想通貨の仕組み
この記事のライター
HAKUU(ハク)のライター名で、ホームページの運営サポートを経て、暗号資産のライターとして活動。暗号資産の積み立てを2020年より開始し、順調に堅実な資産運用を行っている。
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