✔ 暗号資産(仮想通貨)投資を始めようと思っている方
✔ 暗号資産(仮想通貨)投資を始めるうえでの注意点を知りたい方
暗号資産(仮想通貨)に投資を行おうとして、一番気になる点は、暗号資産(仮想通貨)投資における、メリットやデメリットでしょう。
暗号資産(仮想通貨)は、ネガティブなニュースが近年は多く「損失を多く出してしまうのではないか」と考える人も多いようです。
しかし、暗号資産(仮想通貨)のリスク要因を知っておけば、暗号資産(仮想通貨)投資はそこまで危険なものではありません。
今回は、暗号資産(仮想通貨)投資のメリットやデメリットを詳しく解説していきます。
- 暗号資産(仮想通貨)投資はリスクをきちんと把握しておけば、そこまで危険なものではない
- 暗号資産(仮想通貨)のメリットは「大きな利益」「分散投資」「インターネット上で取引」「24時間取引可能」「少額投資」「個人間の送金が可能」
- 暗号資産(仮想通貨)のデメリットは「値動きに制限がない」「ハイリスクハイリターン」「ハッキングや盗難、紛失」「税金が高い」「取引所の破たん」「決済に使いにくい」
- 暗号資産(仮想通貨)のメリットばかりに気を取られるのではなく、デメリットに目を向けることが重要
暗号資産(仮想通貨)のメリット
暗号資産(仮想通貨)のメリットについて考えると、本来であれば「決済や送金で利用する通貨」としてのメリットが大きくなければなりませんが、現時点では、暗号資産(仮想通貨)の大きなメリットは「投資対象としての通貨」の面になります。
大きな利益を上げられる可能性がある
暗号資産(仮想通貨)は、これまでに数回、大きなバブルを迎えており、直近では2017年に暗号資産(仮想通貨)の代表格でもあるビットコイン(BTC)が過去最高額の220万円を突破し、大きな話題になりました。
2017年の暗号資産(仮想通貨)バブル全盛期には、ビットコイン(BTC)をはじめとする各暗号資産(仮想通貨)は、大幅な値上がりを起こしており、主要なアルトコインも一斉に値を上げ、暗号資産(仮想通貨)ホルダー達に大きな利益をもたらしています。
過去最高額に達したビットコイン(BTC)ですが、各暗号資産(仮想通貨)の2017年の上昇率は以下の通りです。
- ビットコイン(BTC)13倍
- イーサリアム(ETH)は90倍
- ネム(XEM)は298倍
- リップル(XRP)は360倍
2017年に暗号資産(仮想通貨)投資を行っていれば、信じられないほどの利益を上げられていた可能性があります。
2019年現在、暗号資産(仮想通貨)は低迷していますが、今後、このような爆発的上昇の可能性は捨てきれず、まだまだ大きな利益は狙える余地があるのでは、と見る向きもあります。
さまざまな銘柄に、分散投資できる
分散投資ができることもメリットの一つとして考えられています。
暗号資産(仮想通貨)は代表格のビットコイン(BTC)をはじめ、その他のアルトコインを含めると、2000種類以上もの通貨が発行されていると言われています。
株のように、難しい知識や手続きは必要なく、暗号資産(仮想通貨)取引所に登録し、取引所に上場されている通貨を購入するだけですので、さまざまな暗号資産(仮想通貨)に分散投資が簡単にできます。
なかには、全く注目されていない暗号資産(仮想通貨)が、急に10~100倍に急騰することもありますので、余剰の少資金を、マイナー通貨に分散させておき、大きな利益を狙うことも可能です。
インターネットだけで管理・運用ができる
インターネット環境だけあれば利用できることも大きなメリットです。
暗号資産(仮想通貨)投資は、全てインターネット上で取引を行います。
暗号資産(仮想通貨)はデジタルデータであり、実物は存在しません。そのため、暗号資産(仮想通貨)を購入した場合でも、物理的な「モノ」が手元に残ることはなく、全てインターネット上で管理、運用を行います。
カードや通帳といった特別なモノは必要ありませんので、誰でもすぐに始められるのが暗号資産(仮想通貨)取引の魅力です。
基本的に24時間いつでも取引できる
市場の閉まる時間がないため、いつでも投資取引ができるのもユニークな特徴です。
暗号資産(仮想通貨)は株取引のように、証券取引所の開いている時間や日によってしか取引ができないということはありません。
24時間、年中無休で取引が可能です。日本が深夜帯(アメリカ時間ともいう)に大きく値が動くこともあり、ある意味、24時間気が抜けない相場ともいえます。
口座を持っている取引所がメンテナンス中であったり、何かしらの不具合がない限り、24時間取引は可能です。トレードタイミングで売買ができないという機会損失を避けるためにも、取引所の口座は複数持っておく方がいいでしょう。
1,000円くらいの小額から始められる
暗号資産(仮想通貨)取引に、大きな資金は必要ありません。暗号資産(仮想通貨)への投資は、取引所にもよりますが、1000円ほどの少額から始めることが可能です。
暗号資産(仮想通貨)で大きく損失を出している人を、ネット上でよく見かけますが、暗号資産(仮想通貨)投資初心者の場合には、まずは余剰金で少額投資を行い、様子をみて追加で投資を行いましょう。
個人間での直接送金が可能
暗号資産(仮想通貨)の決済通貨としての側面にもメリットがあります。個人間送金が簡単であるということです。
通常、個人間で送金を行う場合、手渡しでない以上、銀行口座を通じた送金が基本です。しかし、銀行間での送金の場合、手数料の問題や送金の遅延、そもそも銀行口座を持たない人には送金できないなどのデメリットが多々あります。
暗号資産(仮想通貨)の場合、個人でアドレスを所有しますので、送金の際はこのアドレス経由で送金が可能です。
暗号資産(仮想通貨)の個人間送金は、銀行口座を必要とせず、国際送金も簡単です。日本では考えにくいことですが、世界には銀行口座を持たない、持てない人の方が多く、仮に銀行間での国際送金を行なったとしても、多額の手数料が加算されます。
インターネット環境さえあれば、いつでも誰とでも、どこへも気軽に、ほぼ無料で送金ができるというのが、暗号資産(仮想通貨)の通貨としてのメリットです。
暗号資産(仮想通貨)のデメリット
暗号資産(仮想通貨)のメリットは多々ありますが、デメリットももちろんあります。
これはリスクといってもいいでしょう。暗号資産(仮想通貨)取引を始める場合には、このデメリットとリスクをしっかりと理解しておかなければなりません。
値動きを制限する仕組みがない
暗号資産(仮想通貨)に、中央管理者は存在しません。
例えば法定通貨の中央管理者は政府です。政府の基盤に応じて、通貨の価値は決まりますし、政府が介入をして通貨の価格変動を抑える動きをとることもあります。
しかし、暗号資産(仮想通貨)にはそのような中央管理者は存在せず、ゴールド(金)のように実物が存在するわけでもありません。
暗号資産(仮想通貨)は単純に「買いたい人」「売りたい人」の意思が価格に反映されているだけです。
つまり、全員が「欲しくない」と思えば、一瞬で価値はゼロになります。現時点で100万円近くの値が付いているビットコイン(BTC)ですが、これは100万円でも欲しい人がいるからです。
暗号資産(仮想通貨)取引とは、実物のない「モノ」を欲しがる人、売りたい人がいるという構造であるということは覚えておきましょう。「価値がある」とみんなが思った瞬間に、2017年のようなバブルが到来しますが「価値がない」と判断されると、2018年のような大暴落に繋がります。
株取引のようなストップ高やストップ安のような防波堤もありません。完全な青天井です。
大きなメリットを秘めている暗号資産(仮想通貨)ですが、その分、恐ろしいほどのデメリットもあるのです。
暗号資産(仮想通貨)はハイリスクハイリターンの商品が多い
暗号資産(仮想通貨)取引所によっては、レバレッジをかけての取引が可能です。
レバレッジ取引とは、元金に対し、数倍から数十倍、すごいところでは数百倍をかけて取引を可能にすることを指します。
元金10万円でレバレッジ10倍なら100万円、100倍なら1000万円の取引が可能です。読みが当たれば、莫大な利益が手に入りますが、損失を出すと、あっという間に元金ゼロ、下手をすれば莫大な借金を背負います。
暗号資産(仮想通貨)取引は、レバレッジをかけて行うと、恐ろしいほどのハイリスクハイリターンであることを覚えておきましょう。
ハッキングや盗難、紛失の可能性がある
暗号資産(仮想通貨)取引で怖いのが、ハッキングや盗難、紛失の恐れです。
暗号資産(仮想通貨)の根幹技術であるブロックチェーンの技術は、ハッキングされる可能性は極めて低いのですが、暗号資産(仮想通貨)を取り扱う取引所をハッキングされると、預けていた暗号資産(仮想通貨)を一気に失います。
現に、日本の大手取引所もハッキング被害に遭っており、コインチェックやザイフといった大手の取引所がハッキング被害に遭っています。
ハッキングされた場合、保証されたとしても、損失になる可能性が高いため、購入した暗号資産(仮想通貨)の管理は、自分でウォレットを準備して管理することも検討しましょう。
しかし、ウォレットの鍵をなくすなどの理由や、ウォレットから取引所への送金ミスで、暗号資産(仮想通貨)を紛失してしまうなどの事例もよくあります。実物が存在しない暗号資産(仮想通貨)ですので、管理には一段と気を使いましょう。
関連記事:ビットコインの盗難事件をまとめて紹介
税金が高い
暗号資産(仮想通貨)は税金が高く、普通の株取引のような投資に対する税優遇はありません。
現時点では、暗号資産(仮想通貨)の税金は雑所得扱いです。
雑所得は総合課税の対象であり、例えば給与で年間300万円の収入があり、暗号資産(仮想通貨)で30万円の利益があった場合、課される税率は総額の10%です。しかし、暗号資産(仮想通貨)で40万円の利益が遭った場合、課される税率は総額の20%になります。
暗号資産(仮想通貨)そのものの利益に課税されるのではなく、総収入に課税されるのが雑所得の仕組みです。つまり、利益が出れば出るほど大きく課税されるため、状況によっては、うまく損失を出して節税することも必要になります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え、330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え、695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え、900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え、1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え、4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
参考:国税庁
取引所が破綻するリスクがある
取引所が破綻するリスクも考えておかなければなりません。
暗号資産(仮想通貨)のリスクは、暴落や盗難リスクだけではありません。日本でもすでに、複数の暗号資産(仮想通貨)取引所が破綻しています。
破綻した場合、マイナーな取引所では、保証すらもない場合があります。破綻リスクを回避するためにも、複数の大手取引所に登録したり、自身のウォレットで暗号資産(仮想通貨)を管理するなどの行動は重要です。
暗号資産(仮想通貨)で買い物ができる店舗やネットショップがまだ少ない
暗号資産(仮想通貨)は通貨ですので、通貨としての決済機能を充実させる必要があります。しかし、現時点では、暗号資産(仮想通貨)は決済よりも投資対象として扱われているのが現状です。
日本でもビックカメラなどがビットコイン決済を導入していますが、まだまだ一般的とは言えません。暗号資産(仮想通貨)が日常的に決済できるような世界は、まだ遠い未来と言えます。
暗号資産(仮想通貨)のメリット・デメリットのまとめ
- 暗号資産(仮想通貨)投資はリスクをきちんと把握しておけば、そこまで危険なものではない
- 暗号資産(仮想通貨)のメリットは「大きな利益」「分散投資」「インターネット上で取引」「24時間取引可能」「少額投資」「個人間の送金が可能」
- 暗号資産(仮想通貨)のデメリットは「値動きに制限がない」「ハイリスクハイリターン」「ハッキングや盗難、紛失」「税金が高い」「取引所の破たん」「決済に使いにくい」
- 暗号資産(仮想通貨)のメリットばかりに気を取られるのではなく、デメリットに目を向けることが重要
暗号資産(仮想通貨)に関してのメリット、デメリットを解説していきました。暗号資産(仮想通貨)は、大きなポテンシャルを秘めていることは間違いありません。2017年バブルは、その片鱗を見せてくれました。
しかし、現時点ではまだまだデメリット、すなわちリスクの方が目立ちます。暗号資産(仮想通貨)取引は、大きな利益を手に入れることができる反面、今回解説したデメリットも理解しておくことが重要です。
仮想通貨の仕組み