暗号資産(仮想通貨)の巨大市場であり、同時に規制が厳しい国としても知られているのが中国です。
特に上海と香港は暗号資産(仮想通貨)関連の企業が集中しています。
中でも香港は暗号資産(仮想通貨)に関する規制が比較的ゆるく、ビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)に関わる人が注目する市場になっているのです。
目次
ビットコインは香港で人気なのか?
香港発の暗号資産(仮想通貨)取引所は多く、新たな産業としても注目を集めています。
中国の暗号資産(仮想通貨)規制を避けるために中国から香港に拠点を移す企業なども存在し、中国の暗号資産(仮想通貨)技術と世界をつなぐハブ的な場所としても機能しているのです。
ビットコインを利用できるATMなども存在し、その人気ぶりがうかがえます。
ビットコインのHKDでの購入量
ビットコインのHKDでの購入ボリュームは決して高いものではなく、日本の取引量の30分の1程度の範囲に止まっています。
暗号資産(仮想通貨)の購入ボリュームとしては日本円、アメリカドル、ユーロ、韓国ウォンなどが高く、かなりの下位に位置づけられているのです。
一方で、香港で上場している暗号資産(仮想通貨)取引所が多く、HKDを利用できる取引所が存在しているのもポイントです。
※主要通貨の暗号資産(仮想通貨)取引量(HKD参照)
https://www.cryptocompare.com/coins/btc/analysis/USD
ビットコインの利用率
香港は世界で2番目にビットコインATMが導入されたことでも知られています。面積が限られる中10台ほどのATMが設置されているのが特徴です。
暗号資産(仮想通貨)取引所が多いだけでなくマイニング業者が集まっているのも特徴で、マイニング用の機器などを求めて香港を訪れる人もいます。
ただし、一般に普及しているとはいえない状態で、普及の過程にある状態は他国とかわりません。
ビットコインの香港での規制
香港はビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)に対して寛容な姿勢を打ち出しています。中国の厳しい対応を避けるために香港に拠点を移す企業も珍しくなく、その差が際立ちます。
一方で悪質なICOや暗号資産(仮想通貨)取引所に対する取り締まりは始まっており、徐々に規制が明確化されつつあります。
香港のビットコイン規制1:証券先物委員会が監視を行うこと発表
2018年2月に香港の証券先物委員会が暗号資産(仮想通貨)取引とICOの監視を厳重にすることを発表しています。これは投資家を保護するための措置で、2018年3月には実際にBlack Cell Technology(ブラック・セル・テクノロジー)のICOが中止されています。
ただし、ブラック・セル・テクノロジーは無許可でICOを進めていたとみられているため、いかに許可を得るかが重要なポイントになっています。
香港のビットコイン規制2:香港証券先物取引委員会がICOよりもVCを推奨
2018年4月、香港証券先物取引委員会のトップが「新テクノロジーと資産管理」というスピーチ内で、ICOに関して言及を行いました。
内容は新規の暗号資産(仮想通貨)発行はICOではなくベンチャーキャピタル(VC)で資金を集める方が適しているというもので、ICOに詐欺的な内容のものが含まれることにも言及しているのが特徴になっています。
香港のビットコイン規制3:香港財経事務及庫務局が暗号資産(仮想通貨)の監視を発表
2018年4月に香港財経事務及庫務局が、マネーロンダリングやテロリストの資金源として暗号資産(仮想通貨)が利用されないよう監視を行うことを発表しています。
ビットコインATMなどは誰が利用しているか確認できないことを指摘していて、今後規制が進む可能性があります。
香港の暗号資産(仮想通貨)取引所を紹介
香港発の暗号資産(仮想通貨)取引所は多く、世界有数の規模を持つ大手取引所も含まれています。
手数料の安さと取り扱う暗号資産(仮想通貨)の種類が多い取引所が多いことも魅力になっています。
取引所1:BINANCE
BINANCE(バイナンス)は日本語に対応し、日本居住者向けのサービスを提供していたことでも有名な取引所です。
日本の規制強化に伴い日本語のサービス提供を終了しましたが、国外向けサービスを利用する事は可能です。
100種類を超える暗号資産(仮想通貨)が購入可能なことと、手数料の安さが魅力になります。
規制リスクを避けるためにマルタにオフィスを設立することを発表したことでも話題になりました。
取引所2 Bitfinex
Bitfinex(ビットフィネックス)はドル建ての取引ボリュームが大きい取引所として知られています。取り扱い暗号資産(仮想通貨)の種類は少ないものの手数料が安さも魅力になっています。
規制リスクを避けるためにスイスへの拠点を移す計画があることが発表されています。
過去にハッキング被害を受け、セキュリティ対策が進んだ取引所としても有名です。
取引所3 Kucoin
100種以上の暗号資産(仮想通貨)の購入が可能で、暗号資産(仮想通貨)の上場に積極的な取引所として知られています。取引手数料は0.1%とに統一されているため、非常にわかりやすいという面も評価されています。
取引所開設の2017年9月以降急激にとり引数を伸ばしたことも特徴になっています。
香港のビットコイン推しの人物
香港は世界的に見ても暗号資産(仮想通貨)の規制がゆるく、政府関係者からも好意的な意見が多いのが特徴になっています。
ビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)に好意的な意見を発信する人物も多く、度々注目を集めています。
ジャオ・チャンポン
中華人民共和国江蘇省出身で、BINANCEの社長としても知られています。暗号資産(仮想通貨)業界ではCZの通称で知られていて、短期間でBINANCEを世界有数規模の取引所まで成長させました。
バイナンスコイン(BNB)という独自コインを誕生させ、BINANCEでの暗号資産(仮想通貨)取引の手数料を削減するなど、経営者としての能力も評価されています。
ジハン・ウー
世界で最もマイニング量が多い会社、Bitmainの設立者として知られています。
正確には中国籍ですが、世界各国に支社を持っていて香港での活動も活発です。
Bitmainはビットコインのマイニング用のASCIチップを開発、販売も行っていて、その発言力はビットコインキャッシュ誕生に大きな影響を与えたといわれています。
デイブ・チャップマン
アメリカの投資会社オクタゴンストラテジーCEOで、香港在住のトレーダーになります。
暗号資産(仮想通貨)投資に対して度々強気な発言を繰り返していて、様々なメディアにその発言がとり上げられています。
香港でビットコインのトレンド
香港は中国のビットコイン規制を迂回するために中国人が利用している他、ATMが数多く設置されるなど一般への普及が進んでいる地域です。
一方で、中国本土の規制が香港に及ぶリスクを踏まえて拠点を香港外への移転を検討する取引所も増えていて、リスクをどう見るかで意見が分かれる場所でもあるのです。
ただし、本社の拠点が移動しても利用者への影響は限定的な可能性が高く、市場としての注目度は高いまま維持されることも予想されます。
香港はビットコインの注目市場になっている
香港はビットコインの注目市場ですが、実用よりも法規制や技術開発面で注目されているのが特徴です。
中国と世界の暗号資産(仮想通貨)技術を結ぶ場所として重要な役割を果たす一方で、規制リスクを恐れて拠点を移す企業なども出始めています。
規制が進めばビットコインの価格にも大きな影響を与える可能性があるため、暗号資産(仮想通貨)に関わるのであれば香港の動向は必ずチェックしたい情報になっているのです。
仮想通貨の今後