「ビットコインってお金・モノ?」、「通貨って言ってるけどなんか怪しい」のように、ビットコインは得体のしれない何かと、思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、日本政府がビットコインをどのように取り扱うのか、公式見解や暗号資産(仮想通貨)に関する法改正の内容、そしてこれまでの政府の発言から解説していきます。
ビットコインに興味関心があって少しだけ投資してみたいけれど、ビットコインの信頼性という面でどのように取り扱われているか分からない方は、この記事を読んで通貨かモノかしっかり理解しましょう。
目次
ビットコインに対する日本政府の見解
2018年6月時点で、ビットコインに対する日本政府の見解は貨幣として認識しています。
なぜなら、2017年4月に改正資金決済法が施工されたことにより、明確にビットコインを貨幣として定義されています。
しかし2016年頃までは、法的な区分もされていないことなどから、政府見解としてモノや商品として扱われていました。
そこで次の項目では、日本が暗号資産(仮想通貨)ビットコインをどのように取り扱ってきたのかを「貨幣」・「モノ」に分けて紹介します。
日本政府の見解の変遷
ビットコインバブルや、法改正により日本政府もビットコインに対して貨幣として認めるようになりました。国内で流通し始めた当初は「モノ」という極めて曖昧な見解をしていました。
政府のビットコインの見解(1):モノとして扱われる
ビットコイン及び暗号資産(仮想通貨)が発行されたのは、2008年頃とされていますが、日本でも認知・され始めたのは2014年頃といえます。
また、同年の3月頃に政府見解として「モノ」として扱うようになりました。
その理由は、ビットコインという新たなツールが出現したことで、政府としてもどのような位置づけで認めるのが適切か分からなかった事と、法律で定義できる部分がなかった為、貨幣として認める事ができませんでした。
政府のビットコインの見解(2):お金として扱われる
ビットコインが2018年現在のように「お金」として扱われるようになった、ターニングポイントは2016年5月25日に可決された「改正資金決済法」からです。
また、政府の公式見解が「モノ」から「お金」に変わり始めたのも法改正後になります。
なぜなら、ビットコインを法的にも貨幣として適用されるようになったからです。また、アルトコインや取引所の認可制度についても同様に定められました。
暗号資産(仮想通貨)の関連法規とは
暗号資産(仮想通貨)に関する法律は、2016年5月25日に可決された「改正資金決済法」で定められました。ここでは、改正資金決済法の概要と、海外の暗号資産(仮想通貨)規制について紹介します。
改正資金決済法とは?
前項でも触れましたが、日本では改正資金決済法によって、暗号資産(仮想通貨)と暗号資産(仮想通貨)交換業者などに関する定義や規制が定められました。また、時期についてですが2016年5月25日に可決され、2017年4月1日に施行されました。
改正資金決済法の内容について一部紹介しますが、ビットコインは法律上1号暗号資産(仮想通貨)に分類されます。簡単に説明すると日本円と交換ができて、決済や送金ができるデジタル通貨のことです。
法律で規制されているのは暗号資産(仮想通貨)先進国
ここまでの流れを見ると、日本は規制が厳しいと感じるかと思いますが、実はいわゆる「暗号資産(仮想通貨)先進国」と呼ばれる国の方が規制強化されています。
理由の1つとしては、暗号資産(仮想通貨)が急速に普及することで、法律の適用外となるケースが増加し、マネーロンダリングや違法取引の温床になることを危惧しているからです。
暗号資産(仮想通貨)先進国の1つである中国は特に厳しく、2018年2月4日に前年度に施行した暗号資産(仮想通貨)全面禁止の監視や規制を強化すると発表しました。ただし中国の場合は、政治的要因が絡んでいます。
日本政府の要人によるコメントやニュース
これまでに日本政府の要人が、ビットコインや暗号資産(仮想通貨)に対してどのような見解をもってコメントをしてきたか、改正資金決済法の前と後の時期に絞って2つ程過去のニュースを紹介します。
麻生大臣はモノとしてコメント
2016年4月27日の衆議院財務金融委員会で、麻生財務大臣が政府見解としてビットコインを定義しました。結論から紹介すると、「モノ」・「資産」として扱うということです。
この時の理由としては、法定通貨のように強制力がなく、しかし取引や交換が可能なので資産として扱うという説明になりました。
強制力というのは、例えば買い物の時に日本円で支払う場合、お店側は受けとりを拒否できない力を持っているという意味です。
国税庁が貨幣として扱うことを発表
政府見解及び国税庁が2017年12月1日に発表した、「暗号資産(仮想通貨)に関する所得計算」において消費税の掛からない「貨幣」として扱うことを前提とした税区分が説明されました。
つまり、消費税課税されていると「資産」扱い、消費税非課税「貨幣」としてイメージすると分かりやすいでしょう。
ただし、全てのモノやサービスが上記に当てはまる訳ではないので注意しましょう。
政府見解の変化はビットコインの「価値」が認められた証拠
政府見解が変化することに、疑念を抱く方もいるかもしれませんが、それだけ短期間にビットコインを取り巻く環境が急激に変化しているということです。
ビットコインは、単なるツール・モノではなく、実社会に影響を与える貨幣としての役割、そして社会的責任を持つまでに成長したということです。
ビットコインの貨幣としての価値が理解できたら、次はあなたが購入してみる番ですよ。
仮想通貨の今後