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アナリストによる、今買うべきAI株ベスト5(2024年4月)

ストーリーハイライト

ウォール街のアナリストによる、2024年4月に買うべきAI(人工知能)銘柄ベスト5は、以下の通りです。2023年、OpenAIのChatGPTの登場によって重要性を増したAI領域では、ほぼすべてのテック企業や半導体メーカーが優位に立とうとしており、次のレベルに進みつつあります。AI分野の新たな進歩が、考えもつかなかったようなアプリやボットを生み出す中、AIは2024年以降もホットなトピックであり続けるでしょう。

AI競争においてすでにトップランナーであり、長期的にAIの恩恵を受ける可能性のあるAI関連銘柄を5つピックアップしました。これらの銘柄のアナリスト・コンセンサス評価は、すべて「強気買い」です。

1位 エヌビディア(Nvidia, NASDAQ:NVDA)

AI銘柄のベストリストからエヌビディアを除外することはほぼ不可能です。GPU(画像処理半導体)メーカーの同社は、ゲーム、機械学習、動画編集、コンテンツ制作などにおけるAI分野で最も重要な企業の1つです。同社の高品質GPUは、クラウド、データセンター、ネットワークエッジ、組み込みデバイスなど、あらゆる領域で生成AIアプリのペースを加速させるために使用されています。

驚くべきことに、エヌビディアの株価は過去1年間で224%上昇し、AI分野でトップの業績を上げています。同社は75.7倍という高いPER(株価収益率)で取引されていますが、これは同社のトップクラスの収益によって正当化されています。

2024年度(2024年1月期)の売上高は前年比126%増、調整後1株当たり利益(EPS)は同288%増と急増しており、エヌビディアが株主に堅実なリターンを提供できることを示しています。

エヌビディアの目標株価は?

TipRanksによれば、エヌビディアの平均目標株価の983.84ドルは、今後12カ月で10.6%の上値余地を示唆しています。また、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が39人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。

2位 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices, NASDAQ:AMD)

次は、次世代半導体で知られるファブレス半導体設計会社、アドバンスト・マイクロ・デバイセズです。AMDの半導体は、クラウドコンピューティングやAI分野で広く使用されています。

同社のMI300Xアクセラレーターの大きな可能性を考慮すると、近い将来エヌビディアのチップに対して強力な競合となると予想されます。AMDは、ほぼすべての業界でAIを可能にする幅広い適応型ハードウェアおよびソフトウェア・ソリューションを提供しています。

AMDの株価は過去1年間で88.6%上昇しています。4月30日に予定されている2024年度第1四半期決算発表に関して、ウォール街は売上高54億6,000万ドル(ほぼAMDのガイダンス通り)、調整後EPSで0.61ドルを予想しています。この数字は前年を大きく上回るものではなく、株価は341.5倍という高いPERで取引されています。これにもかかわらず、AMDがAI競争でペースを上げていることから、アナリストはAMDの長期的な株価動向について強気の見方を崩していません。

AMDの目標株価は?

TipRanksによれば、AMD株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が28人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の201.26ドルは、今後12カ月で11.3%の上値余地を示唆しています。

3位 メタ・プラットフォームズ (Meta Platforms, NASDAQ:META)

メタ・プラットフォームズは、数十億人の月間アクティブユーザーを抱えるソーシャルメディアの巨人として知られています。同社はアプリから高い売上高と収益力を享受し続けています。フェイスブック、インスタグラム、WhatsAppの開発元である同社は、各アプリでAIを活用し、広告主がターゲットユーザーに効果的にリーチできるよう支援しています。同社はまた、仮想現実(VR)分野でも大きな野望を持っています。

興味深いことに、メタのLlama 2モデルは、70億から650億のパラメータ範囲で事前にトレーニングされたオープンソース大規模言語モデル(LLM)であり、最も正確な生成AI応答を生成します。同社は、AI LLMの最新バージョンであるLlama 3を今年7月にリリースする予定と報じられています。Llama 3は、論議を呼ぶ質問に対してより良い回答を提供することが期待されています。

アナリストは、メタの2024年度第1四半期の売上高は360億5,000万ドル、希薄化後EPSは4.29ドルと見込んでおり、前年同期比で大幅な伸びを示すと予想しています。過去1年間で、メタの株価は136%上昇しています。

メタの目標株価は?

TipRanksによれば、メタ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が40人、「中立」が2人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の530.58ドルは、今後12カ月で4.7%の上値余地を示唆しています。

4位 サービスナウ (ServiceNow, NYSE:NOW)

サービスナウは、企業向けクラウドコンピューティングのプラットフォームです。同社は、ITサービス、フィールドサービス、カスタマーサービス、人事チームの自動化を可能にするため、すべてのコンピューティング・ソリューションにAIを大規模に統合しています。Now Assistは、同社のデジタル・コパイロットで、自然言語をコンピューターコードに変換することで、開発者が効率的に製品を構築できるよう支援します。

サービスナウの株価は、急速なイノベーション、堅調なサブスクリプション売上高成長(そして99%の更新率)、強固なファンダメンタルズにより、過去1年間で60%近く上昇しています。PERは90.6倍で、今後数年は優れた成長が見込まれる企業としては妥当な水準です。

2024年度第1四半期のコンセンサス予想は、売上高25.9億ドル、調整後EPSは3.15ドルで、大きな成長の可能性があります。

サービスナウの目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が29人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の856.57ドルは、今後12カ月で12.8%の上値余地を示唆しています。

5位 シンボティック(Symbotic, NASDAQ:SYM)

シンボティックは、前述の企業と比較すると比較的小規模な企業ですが、AI分野で大きな成長可能性を秘めています。北米全域でロボット自動倉庫を建設・運営しています。同社の主要顧客には、ターゲット(NYSE:TGT)、ウォルマート(NYSE:WMT)、アルバートソンズ(NYSE:ACI)、C&Sホールセール・グローサーズ、ジャイアント・タイガーといった小売分野の大手企業が含まれます。

シンボティックのAI搭載ソフトウェアは、機械学習、入荷・出荷商品の追跡管理のデジタル化、ロボットによる効率的なパレット積み作業によって倉庫の円滑な運営を可能にします。

シンボティック株は、過去1年間で92.5%上昇しています。アナリストのコンセンサス予想では、2024年度第2四半期(2024年1-3月期)の売上高は4億1,123万ドル、調整後EPSは0.02ドルで、前年同期の赤字から顕著な改善を示すとウォール街は予想しています。

シンボティックの目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が9人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の53.44ドルは、今後12カ月で19.7%の上値余地を示唆しています。

結論

AIの波は長く続くとみられ、これら5つのベストAI株はその恩恵を大きく受ける可能性があります。アナリストは、セクターを超えたAIの高い成長可能性を挙げて、これら5銘柄を支持しています。投資家は、急速に変化する革新的なAI関連の将来性を活用するため、綿密な調査を経てこういったAI銘柄を検討できます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、5 Best AI Stocks to Buy in April 2024, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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