
アナリストがアマゾン株に強気な3つの理由
2024年10月23日 Masuko Takashi
一方、SPRXは27銘柄を保有し、上位10銘柄でファンドの74.0%を占めています。以下は、TipRanksの保有状況ツールを使ったSPRXの保有上位10銘柄の概要です。
ご覧の通り、保有銘柄は異なりますが、両ETFとも高い成長が見込まれる最先端企業の株式を入れています。
両ETFとも、それぞれの上位保有銘柄への大きな集中の恩恵を受けており、過去1年間に素晴らしいリターンを創出しました。例えば、ARKKの最大保有銘柄である暗号取引所コインベース・グローバル(NASDAQ:COIN)は、ETF内で11.8%のウェイトを占め、過去1年間で265.1%上昇しました。一方、SPRXの最大の保有銘柄である半導体大手のエヌビディア(NASDAQ:NVDA)のウェイトは12.8%で、過去1年間で280%のリターンを上げています。
SPRXの過去1年間のパフォーマンスがARKKを上回っている主な理由は、上位の保有銘柄が同様の素晴らしい結果を出している一方で、ARKKには、過去1年間で10.7%下落したユニティ・ソフトウェア (NYSE:U)や、ズーム・ビデオ (NASDAQ:ZM)、テスラ (NASDAQ:TSLA)、ブロック (NYSE:SQ)、ロク (NASDAQ:ROKU)のような小幅下落または足踏み状態の銘柄など、昨年のパフォーマンスを低下させた上位10銘柄がいくつかあることです。
一方、SPRXの上位10銘柄はすべて25%以上のリターンを創出しており、全体的なパフォーマンスは向上しています。
SPRXの上位10銘柄のうち、「アウトパフォーム」相当のスマートスコアが8以上の銘柄は4つありますが、ARKKはわずか2つです。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的な株式スコアリング・システムです。8つの市場主要要因に基づき、銘柄を1から10までのスコアで評価します。8点以上はアウトパフォームと評価されます。
これらのスマートスコアに基づくと、SPRXはARKKより若干有利なようです。実際、SPRX自体のスマートスコアは10点満点中7点、一方ARKKのスコアは10点満点中6点です。
興味深いことに、ARKKとSPRXの経費率は同じ0.75%です。つまり、1万ドルをどちらのETFに投資しても、年間75ドルの手数料を支払うことになります。
0.75%はかなり高い経費率ですが、これらはアクティブ運用ETFであり、一般的にインデックスETFよりもかなり割高なことを忘れてはなりません。ETFが昨年のようなリターンを創出するのであれば、経費率を気にする投資家は少ないでしょうが、2022年のようにETFが苦戦するようであれば、この経費率は痛手となるでしょう。
ウォール街に目を向けると、TipRanksによれば、ARKKのコンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄のコンセンサス評価に基づきます。過去3カ月間では、27銘柄が「買い」、10銘柄が「中立」、「売り」はゼロです。ARKKの平均目標価格の60.07ドルは、今後12カ月で19.45%の上値余地を示唆しています。
一方、SPRXのコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3カ月間の保有銘柄のコンセンサス評価である「買い」24銘柄、「中立」5銘柄、「売り」0銘柄に基づきます。SPRXの平均目標価格の27.18ドルは、今後12カ月で9.6%の上値余地を示唆しています。
SPRXは「強気買い」の評価を得ていますが、アナリストはARKKの方が上昇余地が大きいと見ています。
これらのETFは、どちらもアクティブ運用で、破壊的テック銘柄に積極的にフォーカスしている点で似ています。テック株やより投機的なグロース株が好調を維持する環境では、両ETFとも素晴らしいリターンを創出するでしょうが、そういった株が下振れした場合は、両ETFとも急反落する可能性があります。
2つのETFの経費率は同じで、アナリストはARKKの方が上昇余地が大きいと見ていますが、SPRXのポテンシャルも大きいです。SPRXはARKKをアウトパフォームしており、2022年の弱気相場では損失がより小さく、2023年の強気相場ではリターンはより大きくなりました。2024年も今のところARKKをアウトパフォームしています。さらに、TipRanksのスマートスコア・システムは、SPRXのポートフォリオに若干の優位性を与えています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、ARKK vs. SPRX: Battle of the Active Tech ETFs原文の翻訳を中心にまとめています。
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