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「配当王」のジョンソン・エンド・ジョンソン株:2024年の賢明な選択

ストーリーハイライト

ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は、ヘルスケアおよび関連消費財を代表する企業です。同社の消費者向け製品部門は現在分離されていますが、革新的医薬品(旧医薬品)およびメドテック(医療技術)事業は、同社をさらなる高みへと押し上げる力を持っています。2023年度第3四半期(8-10月)の堅調な業績がそれを証明しています。さらに、定期的に配当を出しており、景気変動に直面しても安定していることを示しています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株の強気ケース

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、今年8月にバンドエイドやリステリンなどの消費者向け製品部門をケンビュー(NYSE:KVUE)として分離上場させ、9.5%の株式を保有しています。今後は革新的医薬品とメドテック事業に集中する計画です。

革新的医薬品部門は、画期的な医薬品開発において重要な役割を担っています。2023年1~9月期には、この部門だけで410億ドルの売上を創出しました。

第3四半期では、革新的医薬品部門の売上高は前年同期比5.1%増の139億ドルで、売上高全体の65%を占めました。免疫治療薬Stelaraが好調で、第3四半期の売上高は前年同期比16.9%増の28億ドルでした。第3四半期のがん治療薬Darzalex(多発性骨髄腫治療薬)とErleada(前立腺がん治療薬)の売上高は31億ドルでした。

第3四半期の全売上高は前年同期比6.8%増の214億ドルで、コンセンサス予想の210億3,000万ドルを上回りました。調整後1株当たり利益(EPS)は19.3%増の2.66ドルとなり、アナリスト予想の2.51ドルを上回りました。

経営陣は、2023年度通期の売上高成長率は、前年比で7.2%~7.7%と予想しています。調整後EPSは、12.7%~13.3%の増加を予想しています。

手術支援ロボット市場にも参入

ジョンソン・エンド・ジョンソンはまた、人工知能(AI)市場が活況を呈している現在、大きな成長ドライバーとなり得るメドテック部門の急速な拡大にも取り組んでいます。第3四半期の同部門の売上高は前年同期比10%増の75億ドルでした。

同社はまた、急成長中の手術支援ロボット市場に参入しました。世界のロボット市場は2027年までに184億ドル規模になると予想されています。現在、手術支援ロボット分野はインテュイティブ・サージカル(NASDAQ:ISRG)が独占しており、これに挑戦するのは困難です。しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンはその革新的な能力をもってすれば、今後数年のうちにこの市場で一定の地位を確立できると考えられます。

訴訟などの困難に直面

多くの成功を収めてきたジョンソン・エンド・ジョンソンですが、多くの困難にも直面してきました。特に製造物責任と訴訟に関する法廷闘争は、同社にとって目新しいものではありません。ベビーパウダーの健康被害を巡る訴訟は、同社の株価を圧迫し続けており、S&P500指数(SPX)の年初来の上昇率が約23%であるのに対し、同社は11%下落しています。

困難が続いているにもかかわらず、ジョンソン・エンド・ジョンソンには強力な製品パイプラインがあり、さらに多くの製品が規制当局の承認を待っています。現在は革新的医療とメドテック事業のみに注力しており、今後も成長を続けることが期待されます。

投資家は「配当王」を選好

投資家がジョンソン・エンド・ジョンソンを選好するのは、同社が「配当王(50年以上連続で増配している企業)」であるためです。過去61年間増配を続けており、その事業運営の安定性を示唆しています。

配当利回りは3.02%で、セクター平均の1.5%を大きく上回っています。また、配当性向は44.8%で、配当の持続可能性と成長余地を確保しています。

アナリストによると、ジョンソン・エンド・ジョンソン株は「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が7人、「中立」が7人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は177.64ドルで、今後12カ月で14.7%の上値余地を示唆しています。

結論

ヘルスケアセクターは、経済情勢に関係なく需要が尽きることのないディフェンシブ産業です。その中において、ジョンソン・エンド・ジョンソンの事業は堅調であり、さらに多くの製品投入が控えています。

同社は今後、ヘルスケアテクノロジーをさらに進化させ、グローバルに事業を拡大し、より健康で持続可能な世界に貢献することを目指しています。同社は強靱性、革新性、そして株主還元への揺るぎないコミットメントを有しています。従って、この成長株であり配当株は、2024年の賢い選択と考えられます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Johnson & Johnson Stock (NYSE:JNJ): A Smart Dividend Pick for 2024原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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