Filecoin(ファイルコイン)とは、分散型ストレージを展開する仮想通貨プロジェクトの1つです。
Filecoin由来の仮想通貨であるFILトークンは、海外取引所や分散型取引所(DEX)にて流通しています。
今回は「Filecoinとは?」をテーマに、プロジェクト全貌と今後の将来性についてまとめました。
目次
【分散型ストレージ】Filecoin(ファイルコイン)とは?
Filecoin/FILの基本情報 | |
Filecoin/FILの価格 | ¥4,566.45 |
一日の出来高 | ¥62,286,262,378.00 |
マーケットドミナンス | 0.14% |
市場ランキング | 第42位 |
時価総額 | ¥261,826,737,384.88 |
直近1年間の高安値 | 241.93円/14,306.55円 |
発行上限 | 不明 |
※価格等の情報は2021年3月10日時点のCoinMarketCapによる
Filecoinとは、新しいWeb3.0の時代には欠かせない分散型ストレージを提供するプロジェクトです。
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)では、募集のあった2017年8月には、歴代で2番目となる時価280億円相当を調達して話題となりした。
また、ICOに参加する条件が一般人を対象とせず、プロの投資家を対象としていたのは特殊です。
FilecoinのICO参加条件は日本円換算で109億円以上の総資産、あるいは年間で2185万円以上の利益を出す投資家である事。条件から分かる通り、プロの投資家を対象にFilecoinは資金調達を行いました。
Filecoinが提供する「分散型ストレージ」とは?
現在は、HTTPやHTTPSといった仕組みがWebサイトやストレージサービスの基本となっています。
ざっくり解説すると大きなサーバーにデータを保管して、データの閲覧はサーバーにアクセスして行うといった仕組みです。
つまり、データの保管先がサーバーであり、維持費や、サーバーに不正アクセスが行われた場合にはサーバー内のデータへのリスクが発生する仕組みとも言えます。
一方でFilecoinが提供する「分散型ストレージ」は、1つのサーバーにとらわれないストレージです。
分散型ストレージでは、ユーザーの利用するパソコン、スマートフォン、タブレット端末などの「空き容量」が従来のストレージとしての役割を果たします。
もちろん「私のスマホが勝手に使われる?」といった心配は不要。Filecoinに参加するユーザーがストレージを共有する仕組みです。
分散型ストレージはサーバーの概念がないので、容量はユーザーの増加と共に無限、維持費もデーターセンターが不要なのでコストパフォーマンスに優れています。
Filecoinのストレージ規模とは?
Filecoinは分散型ストレージサービスを既に提供しています。
近年では同じく仮想通貨界隈で話題となっている次世代ブラウザ「Brave(ブレイブ)」がFilecoinの提供する分散型ストレージ(IPFS)を採用するのが注目を浴びました。
Filecoinにより提供されるストレージ容量は最大で325PB、PB=ペタバイトという一般時には馴染みがないものの、規格外の容量が提供されています。
どのぐらいの容量なのか、分かりやすく例を上げると「世界中の本をかき集めても、7分の1程度の容量しか使われない」といった感じです。
Filecoin(ファイルコイン)の将来性
Filecoinの将来性は、既に分散型ストレージの提供を始めていますから、既存のストレージサービスからの移行が重要になります。
また、分散型ストレージの一般化は実質のWeb2.0→Web3.0の移行と言っても良いでしょう。
Web2.0とは実質の中央集権型ネットワークを言います。現在のWeb2.0から、あらゆる仕組みが分散化され、ユーザー主体のネットワークがWeb3.0です。
現在でも動画や画像の高画質化、ゲームやアプリケーションの高機能化によりインターネットを介して膨大なデータが送受信されています。
Filecoinの提供する分散型ストレージは需要と共に将来性への期待は高いです。
Filecoin(ファイルコイン)の今後
- アクセス速度の改善
- マイナーの確保
- 既存のサービスと競合
Filecoinの将来性では、インターネットを通じて送受信されるデータの増大もあり、需要はほぼ確実に発生する見通しとお伝えしました。
しかしながら、Filecoinによる分散型ストレージが広がるには、今後3つの課題を解決する必要があります。具体的にFilecoinの今後の課題は上記の3つです。
アクセス速度の改善
Filecoinの分散型ストレージには、データへのアクセス速度が遅いといった課題が浮上してます。
なぜなら、分散型ストレージ内のデータはブロックチェーンの様に分解され、複数のサーバー(共有されたストレージ)に保存されているからです。
セキュリティ面で考えると、単体のストレージに保管されないので安全とも言えます。
しかし、従来のストレージサービスの様に1つのサーバーにアクセスする仕組みと違いアクセス速度の改善が課題です。
FILトークンマイナーの確保
Filecoinの提供する分散型ストレージは、Filecoinマイナーによって支えられています。
つまり、Filecoinが今後、世界中で使われるには世界中にFilecoinマイナーがいるのが理想です。
Filecoinの設計自体が満足なストレージを提供できるFilecoinマイナーを前提としています。
Filecoinはマイナーによって支えられ、マイニング報酬を求めてFilecoinマイナーは裏方を担う仕組みですから、マイナーの確保はFilecoinの今後で最も重要な課題と言えるでしょう。
既存サービスとの競合
Filecoinが発展する過程で、今後は既存のストレージサービスとの競合も課題になっています。
現在は、Filecoinマイナーの数が足りておらず、配布されるFILトークンも含め既存サービスの方がコストパーフォーマンスが良いです。
しかし、Filecoinマイナーが増え、既存のストレージサービスと競合する様になれば、どんな戦略をとるかが重要になります。
やはり、既存のWeb2.0を支配するGoogleによって買収、あるいはFilecoinのマイニングに企業が続々と参加して実権を握る可能性も十分に高いです。
Filecoin/FILとは?まとめ
今回は「仮想通貨Filecoin/FILとは?基本情報と今後の将来性まとめ」のテーマでした。
この記事をまとめると以下の通りです。
- Filecoinは様々なデバイスの空き容量を使った分散型ストレージを提供
- Filecoinはマイニングによって支えられ、マイニング報酬にFILトークンが発生
- Filecoinの将来性はマイナー増加と、アクセス速度・既存サービスとの競合が焦点
Filecoinの分散型ストレージ分野は、筆者自身は狙い目だと思っています。やはり、新しいプラットフォームやサービスの展開には、データの保管場所が必須です。
また、仮想通貨界隈では2014年に同様に分散型ストレージを公表したSTORJの存在もあります。
STORJはプロジェクトをハードディスクストレージとユーザーの結びつけをプロジェクト目的に変更しました。つまり、分散型ストレージ分野の座が空いたとも言え、Filecoinの今後に注目です。
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