ストーリーハイライト
米国の総合小売企業で、ディスカウントストアやハイパーマーケットのチェーンを展開しているターゲット(NYSE:TGT)は、アナリスト予想を下回る四半期決算を受け、現在割安で取引されています。しかし、同社の業績は概ね予想通りであり、それほど悪くはないため、慌てる必要はなく、買いの好機とみられます。
「配当王(50年以上連続で増配している企業)」でもあるターゲットは、米国で最も有名な2大実店舗小売チェーンの1つです。同社より大きいのはウォルマート(NYSE:WMT)だけです。
ターゲットの財務状況は、アメリカ経済全体のかなり良い指標と言えるかもしれません。インフレは経済全体、そして具体的にはターゲットの売上高に問題を起こしています。しかし、市場はインフレの継続を認識していたため、ターゲットの売上高が伸びていないことはそれほど驚くべきことではありません。しかし短期トレーダーはターゲット株を大きく売りました。これは、バリュー投資家や配当投資家にとっては絶好の機会かもしれません。
ターゲット株、5月22日に8%も下落
5月22日にターゲットが2024年第1四半期決算を発表後、株価は一時8%下落しました。確かに理想的な業績ではありませんでしたが、株価の大幅下落を正当化するものではありませんでした。ターゲットのブライアン・コーネルCEOは、四半期決算は「売上高、利益ともに予想通りだった」と強調しました。
まずは基本的なことから。第1四半期の売上高は前年同期比3.1%減の245億ドルでした。これは245.2億ドルのコンセンサス予想通りでした。つまり、ターゲットの売上高が3.1%程度減少することは、関係者のほぼ全員がすでに予想していたのです。しかし、今の市場は、企業決算が常にアナリスト予想を上回ることを望んでいるのです。
ターゲットの悪くない利益と妥当な配当
さらに、第1四半期の利益は悪くありませんでした。EPS(1株当たり利益)は前年同期比1%減の2.03ドルで、コンセンサス予想の1株当たり2.06ドルをわずかに下回っただけでした。ターゲットの経営陣は、インフレ圧力のため、買い物客は必需品以外の購入を控えていることが影響していると指摘しました。
しかし、ターゲットの経営陣がこのような事態を放置しているわけではありません。節約志向の買い物客を呼び込むため、ターゲットは牛乳、ペットフード、果物、おむつなど、購入頻度の高い5,000以上の商品を値下げすると発表しました。
株価下落後のターゲット株は、バリュー株を求める人にとって魅力的なはずです。ターゲットの12カ月後の予想株価収益率(PER)は約16倍です。一方、セクターのPER中央値は18.19倍なので、ターゲットは全く割高に見えません。
最後に、株価143.27ドルを維持し、四半期配当1.10ドル、年間配当4.40ドルを継続すると仮定すると、年間配当利回りは約3%となります。これは、消費者ディフェンシブ・セクターの平均配当利回り2.125%と比較すると、かなり良い水準です。
アナリストによると、ターゲット株は「買い」か?
TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が20人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は189.08ドルで、今後12カ月で32%の上値余地を示唆しています。
ターゲット株売買でどのアナリストに従うべきか迷っている場合、(1年間の時間枠で)最も収益性の高いアナリストはD.A. DavidsonのMichael Baker氏で、1レーティングあたりの平均リターンは23.57%、成功率は65%です。
結論
市場は、第1四半期にインフレが続くことがターゲット株にネガティブな影響を与えることを予想していたはずですが、決算発表後に短期トレーダーは容赦なく売りました。
割安になったターゲット株は十分な配当利回りを備えているため、バリュー投資家や配当株投資家にとっては好機と考えられます。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Target Stock (NYSE:TGT): Take Aim at a Bargain-Priced Dividend King原文の翻訳を中心にまとめています。
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