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2024年のベスト「強気買い」小売銘柄は?

ストーリーハイライト

2024年には景気後退が予想されており、消費者が逆風にさらされる可能性があります。しかし、コストコ、ウォルマート、ファイブ・ビロウなどの強力なディフェンシブ小売銘柄は、新年もその力を発揮できるとみられ、多くのウォール街アナリストが「買い」レーティングを維持しています。

そこで、TipRanksの比較ツールで、投資家に恩恵をもたらし続ける可能性のある、コンセンサス評価が「強気買い」の小売企業3社を分析してみましょう。

コストコ・ホールセール (NASDAQ:COST)

まず最初に、会員制倉庫型店舗を世界展開しているコストコです。株価は12月初旬に急上昇し、2023年を華々しく締めくくりました。史上最高値の681.91ドルから5%以上下落していますが、コストコへの追い風は新年も続くと考えられます。

好調な四半期決算を背景に大きく急騰した後では、ある程度の下落は健全であり、控えめなエントリーポイントを求める投資家にとっては、おそらく「絶好の」買い場でしょう。コストコは、経済状況が不透明な1年に突入しますが、十分な準備が整っているとみられ、アナリストは強気です。

生活必需品のワンストップショップ

コストコは、食料品やその他の生活必需品をお得に買いたい消費者にとってのワンストップショップです。コストコ会員は、特にインフレ時や経済的苦境時には、年会費を十分に活かしてお得な買い物をする傾向があります。2024年に景気後退と長引くインフレが予想される場合、コストコは掘り出し物を探す消費者の避難所となるでしょう。

景気が回復すれば一般消費財でも再び勝利へ

一方、景気が回復し、消費者の一般消費財に対する購買意欲が高まれば、コストコは再び大勝利を収めるでしょう。コストコの店舗レイアウトは、消費者に「宝探し」体験を提供するようにできています。可処分所得が増えれば、コストコ会員は年会費の価値に見合う買い物を積極的に行おうとするため、景気回復でコストコが得るものは大きいです。

コストコは、消費者にとって「必要なもの(生活必需品など)」と 「欲しいもの(一般消費財など)」をうまく組み合わせています。最近では、金地金のような魅力的な新商品を提供しており、コストコは、景気が次にどこへ向かおうとも、勝てる会社になる可能性が非常に高いです。

コストコ株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が20人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の670.28ドルは、今後12カ月で4%の上値余地を示唆しています。

ウォルマート (NYSE:WMT)

ウォルマート株は2023年に約10%上昇しましたが、約24%のリターンを記録したS&P 500 指数(SPX)に後れを取りました。この巨大な小売企業は、食料品事業で確固たる地位を築き、eコマース・プラットフォームを日々向上させています。しかし、株価は、個人消費の下振れ予想を背景に、さえない四半期決算を発表後、少々低迷したまま2023年を終えました。

ウォルマートとコストコの株価の差は、インフレと経済的苦境の中で、より多くのウォルマート買い物客がコストコに向かっていることを示唆しているのでしょうか?

TDコーウェン、ウォルマートの攻守にわたる能力を評価

コストコは競争力のある価格で、より多くの消費者を誘導しています。そして、ここ数カ月間では、投資家の貴金属への投資意欲が急上昇していることを考えると、コストコにおいては金地金の輝きも少なからず影響しているのかもしれません。

それでも、TDコーウェンのOliver Chen氏は、ウォルマートの攻守にわたる能力を高く評価しています。Chen氏はウォルマート株の目標株価を188.00ドルとしており、今後12カ月で18%の上値余地を予想しています。

ウォルマートはコストコを見習って、次の大きな景気拡大時に力を発揮したいのであれば、(金のような)「欲しいもの」をもっと消費者に提供すべきでしょう。

ウォルマート株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が25人、「中立」が5人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の180.79ドルは、今後12カ月で13.5%の上値余地を示唆しています。

ファイブ・ビロウ (NASDAQ:FIVE)

ファイブ・ビロウは、すべてのディスカウント小売企業が模範とするべき米国のディスカウント小売企業です。幅広い商品のほとんどを5ドル以下で提供するだけでなく、若年層の支持を集めています。アナリストは同社の新年の成長見通しに強気です。

ドルショップとおもちゃ屋をミックスしたようなディスカウント小売業者として、ファイブ・ビロウは近年驚くほど好調です。株価は新高値に近づいており、2021年半ばのピークまであと16%強です。

ホリデーシーズン中の強さは、目覚ましい四半期決算に反映されるでしょう。資金が足りない消費者が、高価な玩具販売店よりも地元のファイブ・ビロウにお祝いの贈り物を買いに向かうことは想像に難くありません。いずれにせよ、このような同社の強さは、2024年まで持ち越されるとみられます。

ファイブ・ビロウ株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が11人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の218.31ドルは、今後12カ月で6.65%の上値余地を示唆しています。

結論

「強気買い」のトップ・パフォーマー小売銘柄は、価格競争力で劣るライバルからシェアを奪い続ける可能性があるとみられます。この記事で取り上げた小売銘柄の中では、アナリストが最も大きな上昇を予想しているのはウォルマート(13.5%)です。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、COST, WMT, FIVE: Which Strong-Buy-Rated Retail Stock is Best?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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