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ロイヤル・カリビアン・クルーズ株:割安とみられ、アウトパフォームの可能性大

ストーリーハイライト

ロイヤル・カリビアン・クルーズ (NYSE:RCL)の株価は、2024年第1四半期決算が予想を上回ったこともあり、昨年から上昇幅を拡大しています。マイアミを本拠とするクルーズ大手は、新型コロナ後の経験型ホリデー流行の恩恵を受けており、現在割安に見えます。株価は、予想PER(株価収益率)の13.6倍で取引されており、中期的には毎年約17.8%の成長が見込まれています。

ロイヤル・カリビアンの株価は、過去1年で約110%上昇しています。

堅調な業績を報告

ロイヤル・カリビアンはこのほど好調な2024年第1四半期決算を報告し、非GAAPベースの1株当たり利益(EPS)は1.77ドルで、アナリスト予想の1.33ドルを大きく上回りました。売上高は前年同期比29%増の36億9,000万ドルで、予想をわずかに上回りました。

旅客需要は高く、搭乗率は107%で、収益性は大幅に向上しました。搭乗率が100%を超えているのは、1客室あたりの宿泊客が規定定員を上回っている状況を反映しています。第3、第4の宿泊客は、多くの場合、両親や子供です。

経営陣は次のように評価しています。「第1四半期は素晴らしいもので、数カ月前に予想していたよりもはるかに良い1年にむけて順調に進んでいます。革新的なアイコン・オブ・ザ・シーズの導入により、2023年よりも高い価格で予約が好調に入りました」

新客船アイコン・オブ・ザ・シーズの予約殺到

同社は以前、1月に就航した世界最大のクルーズ客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」が大きな関心を集め、予約が殺到していると強調していました。新客船の全長は364メートルで、最大乗客定員は7,600人にのぼります。

ロイヤル・カリビアンは、通期の業績見通しを上方修正し、net yields(クルーズ船運航から得られる純利益)と調整後EPSは引き続き成長し、0.80ドル増の10.70ドルから10.90ドルに達すると予想しています。

為替変動の影響を除いたnet yieldsは、9%から10%増加する見込みです。この強力なガイダンスは、クルーズ業界の回復とロイヤル・カリビアンの好業績に対する自信を反映したものです。

財務改善を進める

ロイヤル・カリビアンは、財務改善のための3カ年計画に着手し、順調に進んでいます。

同社の財務改善の一部は、借り換えと負債の返済に関連しています。第1四半期中には、最も借り入れコストが高かった12億5,000万ドルの社債を新しい無担保社債に借り換え、年間支払利息を500ベーシスポイント(約5,600万ドル)節約できました。今後、ロイヤル・カリビアンは、年末までにレバレッジ比率を3倍弱まで引き下げたいとしています。

割安に見える株価

ロイヤル・カリビアンの株価は現在、予想PER13.6倍で取引されています。これは決して割高ではなく、実際、同業他社と比べて割安です。また、ロイヤル・カリビアンの利益は中期的に、つまり今後3~5年間、毎年約17.8%の成長が見込まれていることも注目に値します。

その結果、PEGレシオ(企業の利益成長率を加味して株価の水準を測る指標)は0.76倍となります。PEGレシオは、予想PERを中期的な予想成長率で割って算出されます。今後、ロイヤル・カリビアンの予想PERは、2025年に11.7倍、2026年に10.2倍に低下します。

ロイヤル・カリビアン株に対するアナリストの見方は?

TipRanksによれば、ロイヤル・カリビアン株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が10人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は150.67ドルで、今後12カ月で5.1%の上値余地を示唆しています。高値予想は174.00ドル、安値予想は115.00ドルです。最近の株価のアウトパフォームを考慮すると、アナリストは今後数カ月で目標株価を上方修正する可能性があります。

結論

ロイヤル・カリビアンの2024年第1四半期決算は、アナリスト予想を上回り、0.44ドルの大幅増益となりました。同社は、新型コロナ後の好調な予約パターンと世界最大のクルーズ客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」への関心に由来する幅広い追い風を経験しています。

バリュエーションの観点からも、ロイヤル・カリビアンは魅力的です。アナリストのコンセンサス評価は「強気買い」で、株価は予想PER13.6倍で取引されており、PEGレシオは1.0倍未満です。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Royal Caribbean Stock (NYSE:RCL): Undervalued and Outperforming原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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