目次
ストーリーハイライト
フィリップ・モリス・インターナショナル（NYSE:PM）は先週、第3四半期決算を発表しました。堅調な売上高と過去最高の調整後EPSはウォール街予想を上回り、ガイダンスも引き上げました。世界的なたばこ大手である同社は現在、次の四半期も続くと思われる様々な好材料を持っています。
具体的には、可燃用たばこの堅調な需要、非可燃用たばこの勢いの増加、買収したスウェディッシュ・マッチ（スウェーデンの無煙たばこ大手）の売上への大幅な貢献が、すべてフィリップ・モリスへの恩恵となっています。
第3四半期ハイライト-引き続き堅調な四半期に
フィリップ・モリスの第3四半期業績の売上高は91億ドルで、前年同期比13.8％増（為替中立ベースでは9.3％増）の大幅な伸びを示し、同社史上最も好調な四半期となりました。
この成長の原動力となったのは、紙巻きたばこと加熱式たばこユニット（HTU）の合計出荷量が2.2％増加したことです。特にHTUは18％増と顕著な伸びを示した一方、紙巻たばこは0.5％減とわずかな減少にとどまりました。可燃性たばこ部門は、9％を超える堅調な価格成長を遂げました。
それでは、フィリップ・モリスの各たばこ部門の詳細を掘り下げてみましょう。
消えない可燃性たばこの需要
投資家は長い間、可燃性たばこの需要減退が間近に迫っていると推測してきました。こうした予想に反して、可燃性たばこの需要は驚異的な強靱性を示しています。販売量は前年比0.5％の減少にとどまりました。
同時に、フィリップ・モリスは価格決定力を駆使しました。そうすることで、販売量のわずかな減少を和らげただけでなく、可燃性たばこ部門で6.2％という目覚ましい有機的成長率を達成しました。この成長の主な要因は、戦略的に実施された9％を超える値上げであり、この値上げは消費者によってスムーズに吸収されました。
加熱式たばこの成長は鈍化せず
フィリップ・モリスの加熱式たばこ部門は、減速の兆しを見せず、成長を続けています。これは、顧客基盤の一貫した拡大や、出荷量の18％増という驚異的な伸びからも明らかです。
特に、四半期末のデータでは、同社の主力電子たばこであるIQOS（アイコス）の総ユーザー数が2,740万人に達し、昨年の1,950万人から40.5％増加したことが明らかになりました。
スウェディッシュ・マッチが経口ニコチン部門の躍進に貢献
フィリップ・モリスは、可燃性たばこと加熱式たばこで目覚ましい業績を達成しただけでなく、スウェディッシュ・マッチの戦略的買収が大きな原動力となり、経口ニコチン部門でも急成長を遂げました。
経口製品の出荷量が急増し、前年の600万個から2億900万個へと3,383％という驚異的な伸びを記録しました。特に、ニコチンパウチとスヌース（たばこの葉をつめた小袋で口に含んで使う。スウェディッシュ・マッチの主力商品）の出荷数量は驚異的な急増となりました。
2023年度には過去最高益へ
堅調な売上高成長に加えて、第3四半期報告書には、1.67ドルという過去最高の調整後EPSを計上し、特筆すべき業績が示されています。注目すべきは、この数字が前年比20.3％増という目覚ましい伸びを示したことです。
この好業績を受け、経営陣は2023年度のガイダンスを上方修正しました。同社は現在、2023年度の為替中立ベースの調整後EPSを6.58～6.61ドルと予想しています。この見通しは、前年比成長率が10%から10.5%と大幅に上昇し、調整後EPSが過去最高を更新することを意味します。
アナリストによれば、フィリップ・モリス株は買いか？
過去3カ月のウォール街アナリストレーティングは、8件の「買い」と1件の「売り」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は108.39ドルで、19.3%の上値余地を示唆しています。
フィリップ・モリス株を売買する場合、どのアナリストに従うべきか迷っているのであれば、（1年間の時間枠で）最も収益性の高いアナリストはバークレイズのGaurav Jain氏で、1レーティングあたりの平均リターンは12.5%、成功率は67%です。
結論
フィリップ・モリスの堅調な第3四半期業績は、2023年通期に向け非常に有利な態勢を整えたことを反映しています。驚くべきことに、これは、たばこ株に対する投資家の嫌悪感が根強い中でも続いています。
可燃性たばこの目覚ましい成長、加熱式たばこの継続する勢い、スウェディッシュ・マッチの買収による大きな貢献は、同社の適応力と戦略的先見性を示しています。
可燃性たばこの需要が持続し、経口製品部門が勢いを維持する中、フィリップ・モリスは2023年に過去最高益を達成する態勢を整えています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Philip Morris (NYSE:PM) Stock Remains Enticing after Strong Q3 Earnings原文の翻訳を中心にまとめています。
米国株
