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QQQ:2023年の驚異的な上昇後もなお魅力的なETF

ストーリーハイライト

代表的なテック株ETF(上場投資信託)である「インベスコQQQ ETF (NASDAQ:QQQ)」は、2023年に史上最高値を更新しました。しかし、この上昇の後でも、世界トップクラスのイノベーター企業を揃えた強力なポートフォリオ、良好な実績、費用対効果の高さから、2024年以降も魅力的な投資対象であることに変わりはありません。

2023年に約55%という驚異的な上昇を遂げたQQQ ETFを見て、多くの投資家はこれから購入するには遅すぎると感じていることでしょう。しかし、この大幅な上昇の後でも、長期的にQQQを保有する理由はまだたくさんあります。

アナリスト、QQQに対して引き続き強気

QQQは世界で最も強く、最もダイナミックな企業を多く含む強力なポートフォリオであり、アナリストは引き続き強気です。QQQはナスダック(NDX)の非金融株100銘柄に投資しており、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)、アマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)のような世界で最も革新的な企業が含まれています。

こういった銘柄を保有しているため、QQQは、人工知能(AI)、半導体、サイバーセキュリティ、クラウド、eコマースなど、今後の市場の成長を牽引する重要テーマへのアクセスを投資家に提供します。

QQQ ETFの戦略は?

前述の通り、QQQはナスダック100指数に連動した投資成果を目指しており、インベスコによると、投資家は「ナスダックに上場する非金融大手100社のパフォーマンスにアクセス」できます。QQQは1999年に運用を開始し、現在では2,301億ドルの運用資産を有する株式市場最大級のETFです。

市場のトップ企業を保有

QQQは101銘柄を保有しており、上位10銘柄でETFの45.4%を占めています。以下は、TipRanksの保有状況ツールを使って作成したQQQの上位10銘柄の概要です。

ご覧の通り、QQQは過去10年以上にわたって市場を席巻したトップ・テック株や成長株の多くを保有しています。QQQの保有銘柄のトップはアップル(NASDAQ:AAPL)、次いでマイクロソフト。また、アマゾン、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ(NASDAQ:META)、アルファベット(NASDAQ:GOOG)(NASDAQ:GOOGL)、テスラ(NASDAQ:TSLA)など、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄のポジションも大きいのが特徴です。半導体大手のブロードコム(NASDAQ:AVGO)もトップ10に入っています。

マグニフィセント・セブン以外にも多くのトップ成長株へのエクスポージャーを提供

QQQは10大ポジション以外にも、インテル(NASDAQ:INTC)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)のような半導体大手、インテュイティブ・サージカル(NASDAQ:ISRG)やバーテックス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:VRTX)のようなヘルスケアイノベーティブ企業、アドビ(NASDAQ:ADBE)やインテュイット(NASDAQ:INTU)のようなソフトウェア企業など、多くのトップ成長株へのエクスポージャーを投資家に提供しています。

また、メルカドリブレ(NASDAQ:MELI)や中国のPDDホールディングス (NASDAQ:PDD)など、国際的な成長株への投資も可能です。

AI、バイオなど多くの長期的な発展テーマを包含

QQQは、半導体、AI、手術支援ロボット、バイオテクノロジーのブレークスルー、発展途上市場におけるeコマースなど、長期的な発展テーマを包括的に取り揃えています。

さらに、TipRanksのスマートスコア・システムは、QQQの保有銘柄を非常に高く評価しています。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的株式スコアリング・システムです。8つの主要な市場要因に基づき、銘柄を1から10までのスコアで評価します。8点以上がアウトパフォームと評価されます。

QQQの上位保有銘柄のうち、スマートスコアが8以上のアウトパフォーム相当の銘柄は7つあり、アマゾン、ブロードコム、メタ・プラットフォームズ、アルファベット・クラスA株がその筆頭です。

QQQのETFスマートスコアは8です。

良好なパフォーマンス

QQQは、世界トップクラスの企業へのエクスポージャーを提供するだけでなく、長期的なパフォーマンスにおいても目覚ましく信頼性の高い実績を上げています。

2023年末現在、QQQは年率10.0%という優れた3年トータルリターンを生成しています。さらに長期的に見た場合、QQQの実績は一段と素晴らしいものとなっています。12月31日現在、QQQの5年リターンは年率22.4%、10年リターンは年率17.7%という驚異的な数字を記録しています。

別の言い方をすれば、10年前にQQQに1万ドル投資していた場合、そのポジションは現在約5万ドルの価値があり、ほぼすべての投資家がそのリターンを享受していることになります。

長期的に広範な市場に大差を付けて勝利

ETFのパフォーマンスを判断するもう一つの方法は、長期的に市場全体と比較することです。多くのETFは、高パフォーマンスをうたっていますが、長期的には市場全体に勝つことができません。しかし、バンガード S&P 500 ETF (NYSEARCA:VOO)を市場全体の代理として使用した場合、QQQは過去10年間、市場に大差をつけて勝っています。上述の通り、QQQは過去10年間で年率17.7%のリターンを生成しており、VOOの10年間の年率12.0%のリターンをはるかに上回っています。

過去の実績が将来の成果を保証するものではありませんが、QQQの長期的な実績は将来的な見通しを示すものです。

有利な経費率

ETFに投資する前に考慮すべきもう一つの重要な点は、そのETFの手数料です。QQQの経費率はわずか0.20%で、この観点からも魅力的です。これは、QQQが10,000ドルの投資に対して毎年20ドルかかることを意味し、特に長期的なパフォーマンスを考慮すると、非常に合理的です。

アナリストによるとQQQは「買い」か?

過去3カ月間では、QQQの構成銘柄に対するアナリストのコンセンサス評価は、「買い」が87件、「中立」が15件、「売り」が0件で、QQQ自体のコンセンサス評価は「中程度の買い」です。QQQの平均目標価格の441.37ドルは、今後12カ月で11.4%の上値余地を示唆しています。

結論

2023年にQQQが急騰したにもかかわらず、このETFは依然として長期投資に適しています。QQQは、世界最強かつ最も革新的な100社のパワーを、1つの便利な投資手段としてポートフォリオに組み込むことができます。

QQQは、市場で最も魅力的な長期成長テーマの多くをカバーしており、TipRanksのスマートスコア・システムは同ETFの構成銘柄を非常に高く評価しています。QQQは、過去10年にわたり市場を打ち負かすリターンを創出してきた非の打ちどころのない実績と、投資家に優しい経費率が、長期的なコア資産としての魅力をさらに高めています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、QQQ ETF: Still Attractive after Dazzling 2023 Gains原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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