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ストーリーハイライト
PDD、アリババ、バイドゥ(百度)などの中国テック株は、中国の景気刺激策や中国恒大集団の法的整理命令などのニュースもあり、最近の取引はかなり不安定になっています。それでも、株価が変動する中、ウォール街のアナリストはこれらの銘柄に強気を維持しています。
中国株への投資には、間違いなく高い地政学的リスクがあります。中国経済が逆風と戦い続ける中、中国ハイテク株の幅広いバスケットはどこまで下げるのか、疑問が残ります。
中国株(特にテック系)は万人受けするものではありませんが、ディープバリューを追求するのであれば、ここで興味をそそられないわけにはいきません。中国が景気刺激策を打ち出したことで、中国経済(そして打撃を受けている中国ハイテク株)にも、必要な後押しが期待できる可能性があります。
そこで、TipRanksの比較ツールで、ウォール街が2024年に上昇する可能性があると考える3つの米国上場中国テック株をチェックしてみます。
PDDホールディングス (NASDAQ:PDD)
まず、PDDホールディングス(「ピンドゥオドゥオ」として有名)は、過去2年間で最もホットな中国株の1つです。株価は2022年5月の安値から反転して以来、275%以上上昇しました。この1年の飛躍的な上昇により、新高値も射程圏に入ったものの、新たな潜在的なハードルが立ちはだかり、株価の反落を引き起こす可能性があります。
1月29日には、中国恒大集団の法的整理手続きのニュースが投資家の神経を逆なでし、株価は8%以上も急落しました。衝撃的なヘッドラインにもかかわらず、アナリストはPDD株に強気です。というのも、PDDのショッピングアプリは引き続き人気を集めており、一方で中国は潜在的な景気刺激策をさらに明らかにし続けているからです。
米国で大流行しているPDDのTemuアプリ(格安商品のeコマース)を無視することはできません。インフレとマクロの逆風が続く中、驚くほど低価格の一般消費財に対する消費意欲は引き続き強いです。
PDD 株の目標株価は?
TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が13人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の175.47ドルは、今後12カ月で34.8%の上値余地を示唆しています。
アリババ (NASDAQ:BABA)
PDD株が堅調なTemuの後押しを受けて上昇する一方、アリババはさらに奈落の底に沈み続けています。この記事を書いている時点では、株価は73ドル台に戻り、2022年後半に一時つけた安値(約58ドル)に迫っています。しかし、アリババは、生成人工知能(AI)の力を活用し、あらゆる恩恵を受けようとしているため、この状況は急変する可能性があります。
株価が長期的な支持線(60ドル台半ば)に近づいていますが、それでも株価の乱高下に対応する必要があります。とはいえ、アリババ元CEOのジャック・マー氏が最近、香港で取引されている株を5,000万ドル分購入したため、強気派への追い風となっています。
多くの点でアリババには大きな価値があるように思えますが、最終的に持続的上昇で報いられるのは、時間が経ってからでしょう。今のところ、政府の景気刺激策によるアリババの上昇は、中国恒大集団への懸念がヘッドラインを独占しているため、短命に終わっているようです。今後1年間は、アリババが壮大な売り浴びせから最終的に立ち直るための、潜在的なAI関連の発表に注目すべきでしょう。
アリババ株の目標株価は?
過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が18人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の118.60ドルは、今後12カ月で61.2%の上値余地を示唆しています。
バイドゥ (百度、NASDAQ:BIDU)
AIについては、バイドゥは最近Ernieチャットボット(自動会話プログラム)で話題になっています。報道によると、この技術はサムスンの最新スマートフォンGalaxy S24に搭載される予定です。Galaxyの絶大な人気を考えると、バイドゥのパートナーシップは大きな実を結び、株価が数年にわたる低迷から脱する助けになる可能性があります。
2024年に向けてさらに歩みを進めれば、洗練された大規模言語モデル(LLM)が、私たちのスマートフォンに対する見方を変えるかもしれません。実際、スマートフォンとAIは相性が良いように思えます。さらに、バイドゥは規制当局が提示する指針の範囲内で、AIの最前線で革新を遂げようとしており、市場で最も割安なAI銘柄の1つになりうるとの見方があります。
バイドゥ株の目標株価は?
過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の165.28ドルは、今後12カ月で53.4%の上値余地を示唆しています。
結論
中国のテック企業は、今後数四半期にわたって継続的な混乱とネガティブな経済ヘッドラインに直面するため、単純に強気になるのは難しいかもしれません。とはいえ、時期尚早かもしれませんが、上述の3銘柄は大局的には深いバリュープレイとなる可能性があります。「強気買い」3銘柄の中では、アナリストはアリババ (61.2%)が今後1年間で最も上昇する可能性があると見ています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、PDD, BABA, BIDU: Which Chinese Stock Do Analysts Like Most?原文の翻訳を中心にまとめています。
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