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オッペンハイマー、S&P500指数の上昇は2024年まで続くと予想:この2銘柄に注目

ストーリーハイライト

夏の反落局面を経て、S&P 500種株価指数はこの1カ月で約7%上昇し、市場は再び勢いを増しています。投資家の関心事は、この好転が、単なるリリーフラリー(一時的な反発)ではなく、強気相場の本格的な再開を示唆しているかどうかということです。

オッペンハイマーのテクニカル分析責任者であるAri Wald氏は、後者の可能性が高いと考えています。

「当社の分析によれば、2023年第3四半期のサイクル半ばの調整は一巡し、S&P500指数の上昇は24年上半期まで続くとみられます」とWald氏は最近述べました。「悲観的見方は十分な水準に達しており、市場間のトレンドは安定しつつあります。重要なことは今後の上昇局面のクオリティでしょう」

それでは、投資家はどの銘柄を買って上昇トレンドに乗ればいいのでしょうか?オッペンハイマーのアナリストは、投資家が今すぐ購入を検討すべきと考える2銘柄に注目しています。これらの銘柄をTipRanksのデータベースで確認しました。詳細をご覧ください。

オーマット・テクノロジーズ (ORA)

再生可能エネルギー分野から、地熱発電と回収エネルギー発電の米国企業、オーマット・テクノロジーズをご紹介します。1965年に設立された同社は、天然資源からクリーンで持続可能なエネルギーを取り出す革新的技術の開発と導入におけるパイオニアとしての地位を確立しています。オーマット社の中核となる専門技術は地熱エネルギーで、地球の熱を利用して発電する先進技術を開発しています。

ネバダ州リノを拠点とする同社は、北米・南米、欧州、アジア、アフリカにまたがる多様なプロジェクト・ポートフォリオにより、世界規模で事業を展開しています。地熱発電に加え、エネルギー回収プロジェクトにも積極的に取り組んでおり、さまざまな産業プロセスの廃熱を利用して電力を生産しています。

全ての主要セグメントで売上成長

同社の事業は、電力、製品、エネルギー貯蔵の3つの主要セグメントに分かれており、先ごろ発表された第3四半期決算では、これらすべてのセグメントが前年同期比で成長しました。全売上高は前年同期比18.3%増の2億810万ドルに達しましたが、アナリスト予想を29万ドル下回りました。

とはいえ、通年のガイダンスでは、売上高は8億2,500万ドルから8億3,800万ドルを見込んでおり、その中間値はコンセンサス予想の8億2,942万ドルを上回りました。

広範な事業の改善傾向

オッペンハイマーのアナリスト、Noah Kaye氏は、決算を精査し、強気の見方を裏付ける材料を多く見つけました。この5つ星アナリストは、「事業の改善傾向は広範に及んでおり、当社の見方では、困難な事業環境の中での回復力を反映しています」と述べています。

Kaye氏は「アウトパフォーム(=買い)」レーティングを付けており、目標株価の84ドルは、今後12カ月で42%の上値余地を示唆しています。

コンセンサスの内訳を見ると、意見はほぼ均等に分かれています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標は80ドルで、今後12カ月で35%の上値余地を示唆しています。

ブループリント・メディシンズ (BPMC)

オッペンハイマーが注目する次の銘柄は、医薬品セクターです。バイオ医薬品企業のブループリント・メディシンズは、精密医療に特化し、がんや特定の血液悪性腫瘍の治療のための革新的な治療法を生み出すことに専念しています。

医薬品開発企業にとっての大きな勝利は、製品を市場に投入することですが、ブループリントはすでにこの偉業を達成しています。

希少血液疾患治療薬でFDA承認取得

2021年6月以来、同社のAyvakitは、希少な血液疾患である進行性全身性肥満細胞症(SM)の治療薬としてFDA(米国食品医薬品局)の承認を受けています。さらに最近では5月に、この治療薬は、成人ISM(全身性慢性肥満細胞症)患者の治療に適応される、最初で唯一のFDA承認薬となりました。

ISM適応後最初の四半期である第3四半期のAyvakitの売上高は、前年同期比90%増の5,420万ドルでした。このうち4,910万ドルは米国内で創出されたもので、その総額はアナリスト予想の4,500万ドルを大幅に上回りました。

全売上高は前年同期比14.2%減の5,657万ドルでしたが、Ayvakitによる大幅な増収があったため、アナリスト予想を592万ドル上回りました。同様に、1株当たり損失もアナリスト予想よりも0.18ドル良い2.20ドルでした。

治療薬の対処可能な市場の大幅な拡大を予想

好調なAyvakitの売上と、それがさらに拡大する見通しが、オッペンハイマーのアナリスト、Matthew Biegler氏の強気な見方を支えています。

「Ayvakit発売前の主な弱気論のひとつは、同治療薬が地域社会や拠点以外に浸透するかどうかというものでした。まだ初期段階ではありますが、対処可能な市場は大幅に拡大するものと思われます。当社は、ピーク売上予測を6億5,000万ドルから10億5,000万ドルに引き上げます」

Biegler氏は「アウトパフォーム(=買い)」レーティングを付けし、目標株価の85ドルは、今後12カ月で44%の上値余地を示唆しています。

他のアナリストの意見は?過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」9人、「中立」3人、「売り」1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は79.17ドルで、今後12カ月で34.5%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Oppenheimer Expects the S&P 500’s Advance to Continue Into 2024 — Here’s Why These 2 Stocks Might Be Worth Buying原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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