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AIの時代:次の勝者銘柄に注目

ストーリーハイライト

オープンAIによる生成AI(人工知能)のChatGPTが世界を席巻してから1年が経ちました。ここ数年、世界は多くのエキサイティングな技術革新を見てきましたが、生成AIの範囲と潜在的な影響力に匹敵するものはありません。生成AIはインターネットの発明以来、最も重要なテック開発として発展していくことが予想されます。

2023年には、AIと直接関係がある銘柄の株価が大きく上昇しました。投資家はエヌビディア(NVDA)のようなAI関連半導体企業から、アマゾン(AMZN)のようなAIサーバーを収容するデータセンターの運営企業、マイクロソフト(MSFT)のようなAI機能を支える大規模言語モデル(LLM)の実装企業に至るまで、AIへのエクスポージャーを高めています。

さらに2024年には、さまざまなAIを搭載したソフトウェア企業やAIを促進するソフトウェア企業へ投資の波が押し寄せるとアナリストは予想しています。

第二の波の到来

そして今後、AIの恩恵を受ける「第二の波」には、自社製品にAIの能力を活用することで、AIの恩恵を享受できる企業が含まれます。これらの企業は、AIの助けを借りて、プロセスの改善、効率性の向上、タスクの自動化、予測分析の増幅、サービスの強化などを実現します。ここで勝ち組になると予想されるのは、ITコンサルティング会社、データ管理プロバイダー、データセンター所有者、高速ネットワークのプロバイダーなどです。

例えば、ITコンサルティングとアウトソーシング・サービスを提供するコグニザント(CTSH)は、クライアントにカスタマイズされたAI搭載プラットフォームを提供し、事業戦略、バックオフィス、財務管理、顧客対応などでテックのパワーを活用できるよう支援しています。データ・アズ・ア・サービス(DaaS、クラウド上でデータセットを提供するサービス)プロバイダーのスノーフレイク(SNOW)は、ビジネス、金融、セキュリティアプリケーションのAIアルゴリズム学習に使用される実データと合成データセットを販売しています。

顧客・販売管理プラットフォームのプロバイダーであるセールスフォース(CRM)は、2016年から自社製品にAIを採用していますが、現在、同社は、インフラの健全性と遠隔測定をリアルタイムで処理するために生成AIを取り入れています。世界的な総合コンサルティング企業であるアクセンチュア(ACN)は、すでに自社のサービス・メニュー全体にAIを組み込んでおり、現在は生成AIスタジオのネットワークを立ち上げ、クライアントがテクノロジーの能力を活用してビジネスを最適化し、改革できるようにしています。デジタル・マーケティングとクリエイティブ・ソフトウェア分野の世界的リーダーであるアドビ(ADBE)は、デジタル・イメージングとクリエイション・プラットフォームに生成AIを組み込んでいます。

出典:グーグルファイナンス

また、企業向けワークフロー自動化プラットフォームを提供するサービスナウ (NOW)は、ワークフローの最適化、データインサイトの獲得、コンテンツの生成を支援する最先端のテクノロジーツールを自社製品に組み込んでいます。財務管理およびコンプライアンス・ソリューション企業のインテュイット(INTU)は、10年以上前からAIを活用しており、最近ではAIバーチャル財務アシスタントの「Gen」を発表しました。

サイバーセキュリティ企業のクラウドストライク(CRWD)は、同社の顧客のセキュリティ業務の複雑さを軽減する生成AIセキュリティアナリストを発表しました。車両群を追跡するコネクテッド・オペレーション・プラットフォームを提供するサムサラ(IOT)は、AIを活用して物理的資産の管理を目的としたオペレーションを最適化します。ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)ソフトウェアを提供するUiPath(PATH)は、自社製品にAIと生成AIを活用し、タスクの自動化を強化して生産性を向上しています。

出典:グーグルファイナンス

これらの企業は、生成AIの力を活用し、顧客への提供価値を高めることで、市場シェアを拡大し、売上高を上げている企業の一例に過ぎません。このように、上記の銘柄の多くはすでに市場で注目され、AIブームによって数十%上昇しました。過去1年間の上昇により、平均的には短期的な調整の影響を受けやすくなっていますが、長期的なパフォーマンスは事業と収益の成長という点での成果次第と考えられます。

結論

現在、AIの利用は、さまざまな作業を自動化し、ワークフローと結果の精度を高め、データを収集し、パターンを分析するためのツールを提供することによって、人間に力を与える方向に大きく傾いています。複数の新しいビジネスモデルや職業を生み出し、企業や投資家にとって一生に一度のチャンスを無数に生み出すでしょう。

しかし、まだルールが決まっていないレースの勝者を選ぶのは容易なことではありません。興奮に包まれる中、投資家は短期的な株価急騰銘柄を追うのではなく、企業の財務的な持続可能性や事業の将来性を考慮し、慎重に行動する必要があります。したがって、現時点では、AI技術の進歩が成長を支えている企業の銘柄を選ぶべきでしょう。もっと簡単に言えば、AIから大きな利益を得ることができ、かつ技術の可能性の実現に予想以上の時間がかかっても生き残ることができる、経済的な「堀(強力な競合優位性)」が注目される強力な企業を選ぶことです。

この作業には、財務データや事業の見通しを分析するなどの大変な作業が必要ですが、投資家は一人ではありません。TipRanksを利用することで、ウォール街の一流アナリストが作成した既存のリサーチや分析にアクセスすることができ、必要なデータを手元にもたらす株式スクリーナーなど、複数のツールを活用することができます。

下のチャートは、AI「第二の波」でご紹介した銘柄のTipRanksデータで、アナリストの平均目標株価、コンセンサス評価、TipRanksスマートスコア(8以上が「アウトパフォーム」を示唆)などが含まれています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、The Age of AI: Picking the Next Winners原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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