米国株

マグニフィセント・セブンの中で最も株価上昇が期待できる銘柄は?

ストーリーハイライト

メタ、アマゾン、マイクロソフトなど、「マグニフィセント・セブン(壮大な7銘柄)」の大半は、良好な四半期決算を発表し、アナリストや投資家から大いに歓迎されました。そして、多くのアナリストは今年も引き続き上昇すると予想しています。

そこで、メタ、アマゾン、マイクロソフトに関して、TipRanksの比較ツールを使って、今後1年も業績を上げ続ける可能性を探ってみました。

メタ・プラットフォームズ (NASDAQ:META)

メタ・プラットフォームズは、この決算シーズンで最も目覚ましい四半期決算を発表しました。決算発表を受け、同社の株価は1日で20%以上急騰し、時価総額は2,045億ドル増加し、時価総額の1日当たりの伸びとしては米史上最大を記録しました。

配当の導入、AIの追い風、そしてAR(複合現実)/ VR(仮想現実)事業により、ウォール街の多くのアナリストは、メタ株はさらに上昇すると見ています。総合的に考えると、今回の急騰を受けても、強気を断念するのは難しい可能性があります。

実際、モルガン・スタンレーは、メタは大成功を収めた決算後でも買い続けるべき銘柄だと考えています。メタの新しいAIツールは、モルガン・スタンレーを強気にさせている要因の一つです。

依然としてメタの株価は「割安」

メタは配当(執筆時の利回り0.44%)を支払いながら成熟しつつありますが、成長軌道から外れたわけではありません。マーク・ザッカーバーグCEOと彼のチームが、「効率化の年」をいかに効果的に過ごしたかを考えると、むしろメタは最もエキサイティングなマグニフィセント・セブンのメンバーかもしれません。

同社がAIの1年(あるいは10年と言うべきか)に突入する中、同社株のPER(株価収益率)は23.7倍とマグニフィセント・セブンの大半を大きく下回っており、確かに割安すぎるようにみえます。VRやARの分野で同業他社に追いつきつつ、AI競争で優位に立とうとする経営陣は、巡航モードに落ち着くとは予想すべきではないでしょう。

メタ株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が38人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の522.00ドルは、今後12カ月で11.2%の上値余地を示唆しています。

アマゾン (NASDAQ:AMZN)

アマゾンの株価も、四半期決算発表を受けて上昇しています。株価は1日の取引で7%以上上昇しました。史上最高値の更新も目前(あと8%程度)であり、AIラリーの材料も豊富で、好調なホリデーシーズンも控えていることから、アナリストは決算後も株価に強気な見方を維持しています。

メタのように、アマゾンは広告主に適切なツールを提供したいと考えています。同社は欧州市場で新しいプライバシー・ツールを発表する一方、ストリーミング・サービスのプライム・ビデオで広告(および広告を排除する有料オプション)を開始し、広告市場に食い込んでいく構えのようです。

AIツールと広告の組み合わせが強みに

AIツールと広告を組み合わせれば、RBCキャピタルが新年のデジタル広告市場でアマゾンをトップテックのひとつ(他のひとつはメタ)と見ているのも不思議ではありません。アマゾンは、単にeコマースとクラウドの小売企業であることを超えようとしています。

アマゾン株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、40人全員が「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の207.72ドルは、今後12カ月で21.8%の上値余地を示唆しています。

マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)

マイクロソフトの決算発表においても、投資家は同社のAI戦略に感銘を受けました。多くの点で、マイクロソフトは、ハードウェアよりもソフトウェアに賭けることを好む人々にとって、所有すべきAI銘柄であることに変わりはありません。マイクロソフトはAI半導体競争の一定の恩恵を受ける準備が出来ていますが、同社は依然としてソフトウェアの巨人であり、ライバルを圧倒し続けるでしょう。

CoPilotのポテンシャル

AIソフトウェア「CoPilot」の優れたAI機能に魅了される人が増え、マイクロソフトのエコシステム採用がこれからどうなるのか興味深いところです。株価が年初来高値を更新し、PERが35倍を大きく上回っている現在でも、強気を避けることは難しいでしょう。

AIとは別に、マイクロソフトはXbox専用ゲームをライバル機のプレイステーションに持ち込む計画を共有することで、Xboxゲームのエコシステムを開放しようとしているようです。Xboxゲーム機の需要を抑制するかもしれませんが、マイクロソフトのゲームソフトの総取扱可能市場を拡大することは、正味ではプラスと考えられます。

マイクロソフト株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が32人、「中立」が1人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の469.45ドルは、今後12カ月で13.4%の上値余地を示唆しています。

結論

マグニフィセント・セブン銘柄は、今年も四半期決算で躍進を続ければ、さらに上昇する可能性があります。間違いなくAIは、今後の決算シーズンにおいて、「魔法」となりえるでしょう。この3銘柄の中では、アナリストはアマゾン株の上昇率が最も高い(21.8%)と見ています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、META, AMZN, MSFT: Which Stock Is Best after Their Magnificent Earnings?原文の翻訳を中心にまとめています。

米国株
この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事