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マクドナルド、5ドルのバリューセット導入の評価は?

ストーリーハイライト

マクドナルド(NYSE:MCD)は、より多くの消費者を獲得するため、米国の店舗で6月25日から5ドルのバリューセットを開始しました。このセットには、マックダブルバーガーまたはマックチキンサンドイッチ、4ピースのチキンマックナゲット、Sサイズのフライドポテト、Sサイズのソフトドリンクが含まれます。

マクドナルドの価格について顧客や米議会から批判

マクドナルドは、かなり高くなったファストフード価格について、顧客や共和党下院議員から厳しい批判を受けてきました。5月には、マクドナルドUSAの社長、ジョー・アーリンガー氏が消費者への手紙の中で、マクドナルドの価格上昇はインフレ率を超えていないと述べました。

アーリンガー氏は、2019年のビッグマックの平均価格は4.39ドルであり、インフレ、賃金上昇、サプライチェーンコストの上昇にもかかわらず、現在のビッグマックの平均価格は5.29ドル、つまり21%の上昇であり、100%の上昇ではないと指摘しました。

バリューセットが続々復活

過去2年間の高インフレは、消費者に大きな負担をかけています。一般的に、ファストフードチェーンは、経済が厳しい時期には人々がより安い食事を選ぶため、高インフレの恩恵を受けます。しかし、フルサービスのレストランや食料品店は、ファストフードチェーンと比較して、価値、価格、顧客経験、品質を重視するようになっています。

さらに、消費者の嗜好に微妙な変化が見られます。フロリダ州を本拠とするレストラン運営企業のダーデン・レストランツ(NYSE:DRI)のリック・カルデナスCEOは、先週の決算説明会で、顧客がクイックサービスレストランからカジュアルダイニングチェーンに移行していると述べました。

ファストフードチェーンは、バリュー戦争に向けて準備を進めています。今年初め、KFC(ケンタッキーフライドチキン、Yum Brands, NYSE:YUM)は、2ピースチキン、マッシュポテトとグレービーのサイド、ビスケットを提供する4.99ドルのバリューセットを導入しました。バーガーキング(Restaurant Brands International Inc, NYSE:QSR)は、5ドルのユアウェイミールを復活させました。

マクドナルドのバリューセットは利益率を拡大するか?

バリューセットがマクドナルドの利益率を拡大するかどうかはまだわかりません。しかし、マクドナルドのフランチャイズ加盟店はそれほど楽観視していません。彼らは、ファストフードチェーンのバリューセットがより多くの消費者を惹きつけると期待していますが、利益率を拡大する可能性は低いと考えています。

マクドナルドのあるフランチャイズ加盟店は、ヤフー・ファイナンスに対し、「バリュープロモーションは利益率を上げることは決してありません。しかし、来客数は増やせます。来客数の増加が、利益率の低下を相殺してくれることを願っています」と語りました。

TDコーウェンのトップアナリスト、アンドリュー・チャールズ氏もこの見解を共有しており、ヤフー・ファイナンスに対し、このようなバリューセットは消費者を惹きつけるだろうが、レストランは収益性を高めるために、顧客にプレミアムまたは追加アイテムを注文するよう促さなければならないだろうと述べました。

マクドナルド株は「買い」か?

TipRanksによれば、マクドナルド株に対してアナリストは慎重ながらも楽観的な見方をしています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が19人、「中立」が10人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。株価は年初来で10%以上下落しており、平均目標株価の310.84ドルは、今後12カ月で20.7%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、McDonald’s (NYSE:MCD) Introduces $5 Meal Deal Amid Backlash Over High Prices原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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