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レバレッジ型ETFとは?米国株投資

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レバレッジ型ETFへの投資は、短期間で大きなリターンを得るための一つの方法です。しかし、過大なリターンには過大なリスクが伴うため、投資家は同様に広いリスク許容度を持つ必要があります。ここでは、レバレッジ型ETFについて、また、保有すべきかどうかについて説明します。

上場投資信託(ETF)は、指数や異なるセクターの銘柄を独自に追跡する金融商品です。ETFは、追跡する指数、業界にフォーカスした形、商品ETF、通貨ETFなど、さまざまな要素・分野に基づいて分類されます。

SPF ETFやNDX ETFなどの指数連動型ETFは、さらにレバレッジ型ETF、インバース型ETFなどに分類されます。本日は、レバレッジドETFとは何か、その仕組み、投資のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

レバレッジ型ETFとは何か?

レバレッジ型ETFは、ベンチマーク・インデックスの日次のリターンを増幅させることを目的とした指数連動型ETFです。ETFのリターンは、デットやオプションや契約などのデリバティブ商品を利用することでレバレッジを掛けています。そのため、レバレッジ型ETFは、株式だけでなく、デリバティブ商品もそのファンド内に保有することになっています。

日次、短期での超過リターン

レバレッジ型ETFは、日次ベースで超過リターンを得ようとするものであり、必ずしも長期的な投資向きではないことに注意する必要があります。ETFのレバレッジをかけるために使用されるデリバティブ商品の多くは短期的で、満期日があります。したがって、投資家は、レバレッジ型ETFからのリターンが、長期的には原指数のリターンの2倍や3倍にならない可能性があることに留意する必要があります。

レバレッジETFは基本的に毎日リバランスを行います。つまり、毎晩時価評価され、翌日はまっさらな状態でスタートします。そのため、ETFが生み出すリターンが、長期にわたって原資産の2倍、3倍になるとは限らないということにも関連しています。

ダウ・ジョーンズ工業平均(DJIA)、S&P500(SPX)、ナスダック100(NDX)など、ほとんどの指数に対応するレバレッジ型ETFが存在します。レバレッジ型ETFは、その性質上、従来のETFよりもはるかにリスクが高いく、市場の停滞をヘッジするためのツールとしてよく利用されています。リスク志向の低い投資家には、レバレッジ型ETFは向いていません。

レバレッジ型ETFにはどのような種類があるのか?

レバレッジ型ETFには、大きく分けてダブルレバレッジ型とトリプルレバレッジ型の2種類があります。

  • ダブルレバレッジ型ETFは、原資産のリターンを2倍にすること、すなわち2倍のリターンを生み出すことを目的としています。
  • トリプルレバレッジ型ETFは、原資産のリターンを3倍にすること、すなわち3倍のリターンを生み出すことを目的としています。

レバレッジ型ETFの計算例

保有資産への影響を明確にするために、2倍レバレッジ型ETFの例を見てみましょう。ETFに100ドル投資し、1日目に原指数(インデックス)が2%上昇したとします。

インデックスのリターン = $100 + ($100 x 2%) = $102

ETFのリターン= $100 + ($100 x (2%*2)) = $104

さて、2日目に指数が2%下落したとします。これにより、指数の値は99.96ドルに下がりますが、レバレッジ型ETFに与える影響はその2倍で、値は99.82ドルに下がります。

インデックスのリターン = $102*(-2%) = $99.96

ETFのリターン = $104*(-4%) = $99.82

レバレッジ型ETFとは何か、その仕組みがわかったところで、レバレッジ型ETFのメリット・デメリットを検証してみましょう。

レバレッジ型ETFは良い投資先なのか?

メリット、デメリットに分けてレバレッジ型ETFを考察していきます。ご自身の投資スタイルと合うかどうか判断してみてください。

レバレッジ型ETFのメリット

  • デリバティブへのエクスポージャー – 個人投資家は、デリバティブ契約の取引に抵抗があるかもしれません。レバレッジ型ETFは、オプションやスワップなど、あらゆる種類のデリバティブ商品へのエクスポージャーを提供します。 
  • 流動性 – ETFはそれ自体、企業の株式と同じように取引所で簡単に取引できる利点があります。また、レバレッジ型ETFは、その性質上、短期的に売買されるため、1日の売買高がさらに大きくなります。
  • 超過リターンの可能性 – 前述のとおり、レバレッジ型ETFは原資産を上回るリターンを生み出す可能性があり、その多くは2倍、3倍の倍率になります。投資家は、レバレッジ型ETFの取引を慎重に行えば、過剰なリターンの恩恵を受けることができます。 

レバレッジ型ETFのデメリット

  • 過剰な市場リスク – レバレッジ型ETFは、桁外れの市場リターンを生み出そうとするため、投資家にとって過剰な市場リスクももたらします。混乱した取引日には、投資家はETFの価値のほとんどまたはすべてを失う可能性があります。
  • 高い費用 – レバレッジ型ETFのファンドマネージャーは日々リターンを最大化しようとするため、その費用率は一般的に従来のETFよりも高くなります。金融派生商品の取引に関連する費用、管理手数料、取引手数料は、ファンドのリターンを低下させる可能性があります。
  • リスクの高い長期保有 – レバレッジ型ETFを保有することは、長期的な投資戦略として考慮すべきではありません。これらのETFは市場動向の影響を強く受けるため、長期間のリターンは必ずしも期待される投資目的に合致しない可能性があります。

レバレッジ型ETFのリスト

以下は、投資家が投資を決定する前に検討し、比較することができる代表的なレバレッジ型ETFの一部をご紹介します。

  • プロシェアーズ ウルトラプロ QQQ / ProShares UltraPro QQQ (TQQQ)
  • プロシェアーズ ウルトラプロ ショート QQQ/ ProShares UltraPro Short QQQ (SQQQ)
  • Direxionデイリーセミコンダクターブル3xシェアーズ/ Direxion Daily Semiconductor Bull 3x Shares (SOXL)
  • プロシェアーズ・ウルトラQQQ/ProShares Ultra QQQ (QLD)
  • プロシェアーズ・ウルトラS&P500/ ProShares Ultra S&P 500 (SSO)
  • Direxion デイリー S&P 500 ブル 3x シェアーズ/ Direxion Daily S&P 500 Bull 3x Shares (SPXL)

TQQQ

TQQQは、ProShares社が発行する3倍レバレッジされたNASDAQ 100指数に連動するETF(上場投資信託)です。

NASDAQ 100指数は、アメリカのNASDAQ市場に上場している、100社のテクノロジー企業を代表する株式指数です。主に、Apple、Microsoft、Amazon、Google、Facebookなど、大手テクノロジー企業が含まれています。

TQQQは、NASDAQ 100指数に連動し、そのパフォーマンスを3倍にレバレッジすることで、市場の上昇によるリターンを最大化することを目的としています。

SOXL

SOXLは、Direxion社が発行する3倍レバレッジされた半導体株ETF(上場投資信託)の一つです。

半導体株ETFは、半導体関連企業の株式に投資することを目的としたETFであり、SOXLはその中でも3倍レバレッジされたETFになります。

SOXLは、S&P Semiconductor Select Industry Indexに連動しており、半導体関連企業のうち、市場規模と流動性が高い企業を対象としています。主に、Intel、NVIDIA、Broadcom、Texas Instruments、Applied Materialsなどが含まれています。

QLD

QLDは、アメリカ合衆国の上場投資信託(ETF)の一つです。正式名称は「ProShares Ultra QQQ」であり、テクノロジー株を中心としたナスダック100指数に連動する2倍の上昇率を目指す、レバレッジ型のETFです。

また、QLDの投資対象となるナスダック100指数は、テクノロジー株の比重が高い指数であるため、テクノロジー株に強い関心を持つ投資家に人気があります。ただし、テクノロジー株の比重が高いため、その株価変動に大きく左右されることもあります。

SSO

SSOは、「ProShares Ultra S&P500」という名称の、アメリカ合衆国の上場投資信託(ETF)です。このETFは、標準的なS&P500指数に連動し、その値動きを2倍追求することを目的としています。つまり、S&P500指数の上昇率が1%の場合、SSOの目標リターンは2%になります。

SSOは、S&P500指数に連動するため、アメリカの大手企業の株式を多く含んでいます。このETFを保有することで、アメリカの経済全体に投資することができます。

SPXL

SPXLは、Direxion Daily S&P 500 Bull 3x Sharesという名称のアメリカの上場投資信託(ETF)であり、標準的なS&P 500指数に連動し、その値動きを3倍に追求することを目的としています。つまり、S&P 500指数の上昇率が1%の場合、SPXLの目標リターンは3%になります。

SPXLは、S&P 500指数に連動するため、アメリカの大手企業の株式を多く含んでいます。このETFを保有することで、アメリカの経済全体に投資することができます。

まとめ

レバレッジ型ETFへの投資は、ハイリスク・ハイリターンである。レバレッジ型ETFへの投資のメリットとデメリットをよく理解した上で、自分のリスクとリターンを考えて投資することが必要です。また、市場動向に対するヘッジとして活用することも可能ですが、素人投資家にとっては敬遠した方が無難かもしれません。

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