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主要ヘッジファンド、2023年に過去最高のリターンを上げる

ストーリーハイライト

世界の主要ヘッジファンドは2023年は堅調に推移し、2021年の記録的な水準を上回るリターンを獲得しました。ファンド・オブ・ファンズのLCHインベストメンツの推計によると、上位20のヘッジファンドが昨年投資家にもたらしたリターンは670億ドル(約9兆8,000億円)で、2021年の650億ドルを上回りました。

なお、TipRanksでは、ヘッジファンドの年間成功率、平均リターン、統計的有意性(推奨数が多い)の3つのパラメータに基づいてヘッジファンドをランク付けしています。TipRanksのトップ・ヘッジファンド・マネージャーのランキングはダイナミックで、ポートフォリオの損益に基づいて変化します。投資家としては、ヘッジファンドがどこに資金を投じているかを知り、そのパフォーマンスを再現して魅力的なリターンを実現しようとすることは有益でしょう。

LCHによるトップ・ヘッジファンド・ランキング

昨年、ヘッジファンド・マネージャーは、株式への賢明な投資によって大きな利益を上げました。株式市場は利上げと地政学的懸念で年初は低迷しましたが、人工知能(AI)ブームが投資家心理を高揚させ、テック株は下期に史上最高値を更新しました。

2023年のヘッジファンド・ランキングの首位は、Christopher Anthony Hohn氏率いるTCIファンド・マネジメントで、リターンは129億ドルでした。2位は、ケン・グリフィン氏のシタデルで81億ドルでした。

フィナンシャル・タイムズのレポートによると、規制当局への提出書類に基づけば、2023年9月現在、TCIが最も多く保有しているのはアルファベット(GOOGL)、カナディアン・ナショナル鉄道(CNI)、ビザ(V)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、格付け会社のムーディーズ(MCO)でした。

ビル・アックマン氏のファンド、トップ20に返り咲き

3位はAndreas Halvorsen氏率いるバイキング・グローバル・インベスターズLPで、2023年に60億ドルのリターンを上げました。興味深いことに、ビル・アックマン氏のパーシング・スクエアは、2015年にリストから外れた後、35億ドルのリターンを上げ、今回トップ20リストに再ランクインしました。

LCHによると、設立以来最も優れたリターンを創出してきた20のヘッジファンドは、調査対象ヘッジファンドの運用資産総額の19%ほどですが、昨年は総利益の33%を獲得しました。上位20社は、運用開始以来の累積利益額(手数料控除後)に基づいて指定されています。

運用開始以来のヘッジファンド・ランキング上位20社では、シタデルが740億ドルのネットリターンで1位をキープし、D.E.ショーとミレニアムがそれぞれ561億ドルのリターンで続いています。驚くべきことに、上位20のヘッジファンドは、設立以来7,554億ドル相当のリターンを創出しています。

TipRanksによるヘッジファンド・マネージャー・トップ3

TipRanksは独自の方法でヘッジファンド・マネージャーを格付けしています。ヘッジファンドのパフォーマンスは、ヘッジファンド・マネージャーの銘柄選びの手腕と投資に左右されます。従って、TipRanksは、ポートフォリオのリターン、シャープレシオ、および期間中に獲得した平均リターンに基づき、マネージャーを格付けしています。

投資家はTipRanksのヘッジファンド・マネージャー・ページを活用して、ヘッジファンド・マネージャー、その投資先、パフォーマンスについてチェックできます。TipRanksのスターランキングシステムに基づき、本日現在のトップ3のヘッジファンドは以下の通りです。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Hedge Funds Earned Record Profits in 2023原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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