ストーリーハイライト
エンターテインメント大手のウォルト・ディズニー (NYSE:DIS)とインドのコングロマリットのリライアンス・インダストリーズが、インドにおけるメディア事業を統合することで合意したとブルームバーグが報じました。ディズニーによるこの戦略的な動きは、世界で最も人口の多い国で直面するストリーミング事業の困難に対応し、ポートフォリオを再構築することを目的としています。
この合意により、リライアンスのメディア部門は統合後の企業の株式を61%以上保有することになり、残りの株式はディズニーが保有する予定です。しかし、買収の最終決定時には、所有権の配分が変更される可能性もあります。
ディズニーのインドにおける困難
ディズニーはインドにおいて、ストリーミング事業における加入者ベースの維持というハードルに直面してきました。特に昨年のICCクリケット・ワールドカップでは、加入者数を増やすために試合の無料放送を選択しました。その結果、イベント期間中の視聴者数は大幅に増加しました。しかし、放映権料の高騰により、無料放送の実施は同社のスポーツ部門全体の収益性を圧迫しました。
ディズニーのボブ・アイガーCEOは、2023年第4四半期決算に関する電話会議で、インドの放送局事業は順調に推移し利益を出しているものの、ストリーミングプラットフォームは依然として困難な状況であることを認めました。しかし、アイガー氏は、同社がインド市場にとどまり、収益を向上させようとしていると強調しました。
なお、ディズニーは成長加速に注力する一方で、取締役会の再編を巡ってアクティビスト・ヘッジファンドと委任状争奪戦を繰り広げています。
ディズニーは「買い」か、「売り」か、「中立」か?
ディズニー株は年初来で19%以上上昇し、S&P 500指数 (SPX) の6.7%上昇を上回っています。ディズニー株のこの顕著な伸びは、コスト削減と事業立て直しの努力を反映しています。それでもアナリストは、ディズニーの見通しについては慎重な見方を崩していません。
TipRanksによれば、ディズニー株に関する過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が4人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価の116.71ドルは、今後12カ月で8.33%の限定的な上値余地を示唆しています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、M&A News: Disney (NYSE:DIS), Reliance to Merge Media Ops in India原文の翻訳を中心にまとめています。
米国株