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ディズニー株:メタバースでの布石で大きく株価が上昇する可能性

ストーリーハイライト

ウォルト・ディズニー(NYSE:DIS)がメタバースのパワーを解き放ち、株価が大きく上昇する可能性があります。空間コンピューティング・プラットフォームで優れた次世代コンテンツを提供できる可能性があり、ディズニー株は再びテクノロジーに精通し始めているようです。

ディズニーの株価は、堅調な直近四半期決算報告を受けて、最近少し地歩を固めています。予想を上回る決算だけでなく、人気オンラインゲーム「フォートナイト」のメーカーであるエピック・ゲームズに15億ドルの出資を行うなど、最近の動きから、ディズニーがメタバース(3次元の仮想空間)の領域でのポテンシャルを高めつつあるとアナリストは見ています。

株価は転換期へ

ディズニーのボブ・アイガーCEOが、ディズニーを再びトップに返り咲かせようとしている今、ディズニーの株価が大きく上昇しないわけがありません。アクティビスト投資家であるネルソン・ペルツ氏(彼は現在もディズニー取締役会のポジションを狙っています)が、積極的な変化を求めて圧力をかけていることも相まって、株価が転換期を迎えているとみられます。

エピック・ゲームズへの出資、ライバル社との最近のスポーツストリーミング提携、テイラー・スウィフトのコンサート映画『The Eras Tour』がDisney+ストリーミングプラットフォームに登場するというニュースなど、ディズニーに関してエキサイティングなイベントが続くことは久しぶりです。

Erasからスポーツストリーミングまで、ディズニーはメタバースに目を向けているのか

様々な意味で、テイラー・スウィフトのErasは、Disney+におけるディズニー以外の最大の作品になるかもしれません。Erasは消費者にDisney+のサブスクリプションを再開させる大きな理由となり、そして、最新四半期決算発表の最大の収穫は、バーチャルな領域におけるディズニーの野心であると考えられます。

コンサートや演劇、録画されたライブ体験は、テレビで見るのも楽しいですが、あたかも巨大なスクリーンで見るような、バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)の領域で楽しむのが一番とみられます。

ディズニーがバーチャルリアリティと空間コンピューティングの領域の開拓に前向きなのは、今に始まったことではありません。ディズニーはアップル(NASDAQ:AAPL)のVision Proに熱い視線を注いでおり、Vision Pro発表イベントではアイガーCEOはステージにいました。同氏はアップルの最新製品に可能性を見出しており、ディズニーの最近の動きは、没入型世界の領域に非常にうまく反映されそうです。

ディズニーの復活は、空間コンピューティングとVision Proによって促進される可能性

没入感を次のレベルに引き上げる「空間」コンピューティングやVision Proの市場拡大はこれからですが、ディズニーのような先進的なコンテンツクリエーターのおかげもあり、高品質の「空間」コンテンツがVision Proに押し寄せることは想像に難くありません。コンサートやビデオゲームなどの体験は別として、ディズニーのスポーツストリーミングの推進は、空間コンピューターやVRヘッドセットを介した仮想コートサイド席への第一歩かもしれません。

確かに、ディズニーのスポーツ専門チャンネル子会社のESPNは、同社のビジネスの足を引っ張ってきました。しかし、空間コンピューティングとストリーミングの領域では、ESPNがついにその価値を証明するかもしれません。空間コンピューティングが普及するのにあと2、3年かかるとしても、ディズニーの方向性を評価すべきでしょう。同社はまさにメタバースへと歩を進めているようです。

アナリストによると、ディズニー株は「買い」?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が16人、「中立」が4人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は115.50ドルで、今後12カ月で2.7%の上値余地を示唆しています。アナリストの目標株価は、安値82.00ドルから高値130.00ドルまでとなっています。

結論

ディズニーは、次世代の空間コンピューティング製品でいわゆる「キラー」アプリを開発する大企業のひとつになろうとしており、さまざまな意味で究極のメタバース・コンテンツ・プレイと言えそうです。

スポーツストリーミングからメタバース的なビデオゲーム(エピックの「フォートナイト」など)、コンサート体験まで、ディズニーはメタバースで果敢な挑戦を行っています。そして、この分野が発展するにつれ、同社は大きな成功を収める可能性があります。実際、ディズニーとアップルは、没入型バーチャルワールドのパワーを最大限に引き出そうと、共生関係を築きつつあるようです。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Disney Stock (NYSE:DIS): The Ultimate Back Door Into the Metaverse原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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