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サイバーセキュリティ関連で今買うべき銘柄は?:フォーティネットとパロ・アルト・ネットワークス

ストーリーハイライト

フォーティネットとパロ・アルト・ネットワークスは、サイバーセキュリティ業界をリードしてきた2社です。しかし、この2社の間には大きなバリュエーションの差が生じており、この開きが正当なものなのか、そしてどちらのサイバーセキュリティ銘柄が優れているのか、詳しく見ていく必要があります。

この記事では、TipRanks の比較ツールを使って、フォーティネット(NASDAQ:FTNT) と パロ・アルト・ネットワークス (NASDAQ:PANW) の2つのサイバーセキュリティ銘柄を評価し、どちらが優れているかを判断しました。詳細な分析により、これら2社間のバリュエーションの大きなギャップは正当化されないため、押し目買いの好機が到来している可能性があります。

フォーティネットは、侵入検知システム、ファイアウォール、エンドポイントセキュリティ、その他のセキュリティソリューションを開発・販売するサイバーセキュリティ企業です。パロ・アルト・ネットワークスもサイバーセキュリティ企業で、主力製品は、高度なファイアウォールと、ファイアウォールを拡張して他のセキュリティをカバーするクラウドベースのセキュリティソリューションを組み合わせたプラットフォームです。

フォーティネットの株価は、昨夜の決算発表後に一時20%以上下落し、年初来で2%の上昇になっています。一方、パロ・アルト・ネットワークスの株価は年初来で77%急騰しています。

フォーティネット(NASDAQ:FTNT)

PERが37倍のフォーティネットは、パロ・アルト・ネットワークスに対して大幅なディスカウントで取引されています。フォーティネットの堅実なファンダメンタルズ、長年にわたって利益を上げている事実、長期的な株価上昇率に基づくと、強気な見方が適切と思われます。

フォーティネットの株価が過去3年間で112%、過去5年間で284%上昇していることを認識することが重要です。さらにさかのぼると、過去10年間で株価は1,343%上昇しており、フォーティネットはサイバーセキュリティの分野で明らかに巨人です。

長年にわたり堅調な利益を生み出し、売上高成長も魅力的

重要なのは、フォーティネットが長年にわたって堅実な利益を生み出してきたことで、純利益率は過去12カ月間で21%、2022年には19%、2021年には18%と報告されています。売上高は、2019年と2020年にそれぞれ20%ずつ着実に伸ばしたのに続き、2021年には29%増、2022年には32%増と、長年にわたって魅力的な売上高成長を続けています。

さらに、これらの売上高は、2021年に33億ドル、2022年に44億ドルと、すでに大きな基盤の上に来ており、過去12カ月で50億ドルに達しています。

最近の下落局面は、8月と昨日の決算関連の失望が引き金となっています。昨日の決算発表では、売上高ガイダンスは若干引き下げられましたが、EPS(1株当たり利益)ガイダンスは引き上げられました。それでも、長期的な株価上昇と魅力的な成長率は、一時的な下落局面があったとしても、同社株が長期的に買い持ちする価値があることを示しています。

フォーティネット株の目標株価は?

直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」14人、「中立」16人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は61.08ドルで、今後12カ月で23.39%の上値余地を示唆しています。

パロ・アルト・ネットワークス (NASDAQ:PANW)

一方、パロ・アルト・ネットワークスのPERは191倍で取引されており、株価が鈍化する兆しはありません。株価の急騰、52週高値近辺で取引されている事実、インサイダーセールスの多さを考慮すると、パロ・アルト・ネットワークスには弱気の見方が妥当と思われます。

フォーティネットと同様、パロ・アルト・ネットワークスも長期的に素晴らしい株価上昇を記録しています。株価は過去3年間で222%、過去5年間で300%、過去10年間で1,670%上昇しています。しかし、株価は52週高値の265.90ドルからそれほど離れておらず、株価が目先天井をつける可能性を示唆しています。

インサイダーが大量の自動売却取引

実際、インサイダーは過去3カ月間、情報開示売却取引を通じて210万ドル相当の株を手放しています。しかし、これには同時期に行われた相当数の非情報開示の自動売却取引は含まれていません。

自動売却取引が短期間に大量に行われるということは、インサイダーが株価が現在からさほど上昇しないと考えていることを示唆しており、これも株価が短期的に天井をつける可能性があることを示しています。

パロ・アルト・ネットワークス株の目標株価は?

直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」34人、「中立」4人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価281.83ドルは、今後12カ月で15.1%の上値余地を示唆しています。

結論:フォーティネットに対して強気、パロ・アルト・ネットワークスに対して弱気

重要なことは、両社のレーティングが異なるのは、どちらかに潜在的な問題があるというよりも、完全にバリュエーションによるものということです。パロ・アルト・ネットワークスの株価は短期間に急騰し、インサイダーさえも株を売却しているため、これ以上短期的に上昇することは考えにくいでしょう。

一方、フォーティネット株の売りは行き過ぎの可能性もありそうです。フォーティネットの業績が一時的に落ち込んだとしても、この2社の間にある大きなバリュエーションの差は正当化されるものではありません。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、FTNT vs. PANW: Which Cybersecurity Stock is the Better Buy Now?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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