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トップアナリストによる、今買うべきサイバーセキュリティ株3銘柄

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投資家は皆、株式市場で「成長の勝者」を見つけるゲームに参加しています。2023年は、AI(人工知能)に強いテック株が強気相場を牽引しました。バーンスタインのサイバー専門アナリストでありトップアナリストでもあるピーター・ウィード氏は、2024年にはサイバーセキュリティ銘柄のいくつかにチャンスを見出しています。

各顧客セグメントで優位性、プラットフォームベンターとしての強み

ウィード氏は次のように述べています。「当社が新たにカバーする企業はすべて、ネットワーク・セキュリティ分野におけるそれぞれの顧客セグメントでの優位性を活用しようとしており、アプリケーションおよびクラウド・ワークロード・プロテクション製品を開発中(多くはすでに出荷済み)です。これらの企業は、プラットフォームベンダーとして戦略的な地位にあります」

同氏は、投資家が購入すべきサイバーセキュリティ銘柄を3つ提案しており、ウォール街がそれらについてどのように考えているかを見るため、TipRanksデータベースで調べてみました。

ゼットスケーラー (ZS)

最初に紹介するのは、企業向けネットワーク・セキュリティのスペシャリスト企業、ゼットスケーラーです。同社は、「ゼロ・トラスト・エクスチェンジ」と呼ばれるクラウド上のプラットフォームを通じて、あらゆるタイプの顧客ネットワーク上のアプリ、デバイス、ユーザーを安全に接続する機能を提供しています。ゼロ・トラスト・エクスチェンジは、ユーザー間、アプリ間、マシン間の接続など、さまざまなレベルで動作します。

ゼットスケーラーのプラットフォームは、さまざまなレベルの接続を監視しています。同社のプラットフォームは1日あたり3,600億件以上のトランザクションを監視し、1日あたり90億件以上のセキュリティ・インシデントやポリシー違反を防止しています。同社のプラットフォームは、AIや機械学習によるクラウド効果に不可欠な500兆を超えるシグナルを毎日処理しています。

顧客、プラットフォームと製品の能力に満足

同社の顧客は、プラットフォームと製品の能力に満足しています。ユーザーエクスペリエンスの80%高速化、デジタルインフラの70%コスト削減、35倍の感染マシン数削減などです。ゼットスケーラーの顧客数は約7,700社にのぼり、その合計ユーザー数は4,100万人を超えています。

同社の直近決算は11月に報告された2024年度第1四半期(2023年8-10月期)で、複数の分野で継続的な成長を示しています。売上高は4億9,670万ドルで、前年同期比約40%増、予想を2,327万ドル上回りました。非GAAP(米国会計基準)の1株当たり利益(EPS)は67セントでした。これは前年同期の29セントから増加し、予想を18セント上回りました。当四半期末時点で、ゼットスケーラーの手元現金および流動資産は23億ドルでした。

どのようなクラウド採用企業にも対応可能

ウィード氏にとって、重要なポイントは、ゼットスケーラーがサイバーセキュリティ・セクターで確固たる地位を築いており、今後も高成長が期待できることです。ゼットスケーラーのSSE(セキュリティ・サービス・エッジ)製品は、クラウドネイティブまたはクラウド移行中の大企業向けにカスタマイズされており、同社はSSE市場を全般的に支配すると予想されます。

SSEはまだ始まったばかりのテクノロジーアーキテクチャであり、ゼットスケーラーはクラウドを採用するどのような顧客にもサービスを提供できる立場にあるため、成長の道筋は長いと見られます。SSEは、この10年間で年平均成長率30%程度で成長し、クラウドセキュリティを中心としたその他の製品も年平均成長率30%台半ばで成長すると予想しています。

ウィード氏は、この株に「アウトパフォーム(=買い)」のレーティングを付け、311ドルの目標株価は、今後12カ月で29%の上値余地を示唆しています。

TipRanksによれば、ウォール街のコンセンサス評価は「強気買い」です。とはいえ、240.35ドルの平均目標株価は、当分の間、株価がレンジ内にとどまることを示唆しています。

センチネルワン (S)

次のバーンスタイン選定銘柄は、サイバーセキュリティ・プラットフォームでネットワーク・システムに不可欠なデジタルインフラを保護するセンチネルワンです。センチネルワンは、データシステムとそれに関連する情報、処理、ストレージ・サブシステムを保護することに重点を置き、AIベースのソリューションを使用して、脅威の自律的な早期発見と対応を可能にします。

AIは、センチネルワンが提供する製品の「付加価値」です。つまり、同社のエンドポイント・セキュリティ・プラットフォームは、機械学習を利用して、PC、IoT(モノのインターネット)デバイス、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末、医療機器、「スマート」デジタル・プリンターなど、ネットワークに接続され、情報を発信または受信するあらゆるデバイスをよりよく監視する方法を常に学習するということです。

エンドポイント・セキュリティに注力

センチネルワンが特に力を入れているエンドポイント・セキュリティは、サイバーセキュリティの重要な側面です。これらのデバイスは、デジタル脅威の最も一般的な侵入経路の1つです。ラップトップやスマートフォンに対するコンピュータウイルス、マルウェア、フィッシング詐欺を考えてみてください。

センチネルワンの直近の決算発表である2024年度第3四半期(8-10月期)は、売上高と利益の両方でアナリスト予想を上回りました。売上高は、予想を785万ドル上回る1億6,420万ドルで、非GAAPベースEPSの3セントの損失は、予想を5セント上回りました。

ウィード氏は、センチネルワンにポジティブで、製品ラインを最新化する能力とともに、さらなる成長のために製品の適用範囲を多様化する同社の能力を挙げています。

同氏は「アウトパフォーム(=買い)」のレーティングを付け、目標株価を34ドルとし、今後12カ月で23%の上値余地を示唆しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が14人、「中立」が13人とほぼ互角で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。ここでもまた、平均目標株価の27.41ドルは、評価が株価に完全に織り込まれていて、横ばいが予想されることを意味しています。

クラウドストライク・ホールディングス (CRWD)

バーンスタイン推奨リストの最後を飾るのは、エンドポイント・セキュリティ、ID脅威検出、ランサムウェア対策でトップクラスの評価を得ているサイバーセキュリティ企業、クラウドストライクです。同社の「ファルコン・エンドポイント・プロテクション・プラットフォーム」は知名度、評価ともに高く、クラウドベースのセキュリティ・モジュール、デジタル・セキュリティ、オンライン・ネットワーク・プロテクションの分野で業界標準を確立した製品群を網羅しています。

クラウドストライクは、プラットフォームの有効性を高め、脅威をより迅速に可視化するために、AIテクノロジーを使用して、大量のセキュリティデータを選別しています。より迅速な検知はより迅速な無力化を意味するため、セキュリティ環境の簡素化につながります。これにより、クラウドストライクのシステムは、侵入、ランサムウェア、その他のサイバーベースの攻撃に対する単一のエージェントとなり、インストールした初日から最大限の保護を実現します。

株価、過去12カ月間で184%上昇

クラウドストライクの株価は過去12カ月間に184%の上昇を記録し、市場全体を大きく上回る好業績をあげています。2024年度第3四半期(2023年8-10月期)の好調な最新の決算発表も、それを後押ししています。売上高は前年同期比35.3%増の7億8,600万ドルで、予想を862万ドル上回りました。非GAAP基準の希薄化後EPSは82セントで、前年同期の40セントの2倍以上となり、予想を8セント上回りました。

ウィード氏は、クラウドストライクのクラウドファーストの方向性と、それがもたらす拡大の可能性を高く評価しており、次のように書いています。「クラウドストライクが提供するエンドポイント・プロテクション・プラットフォーム(EPP)は、クラウドで提供されるため、顧客のITアーキテクチャに関係なく、適切かつ同等の効果を発揮します。(中略)クラウドストライクは、EPPサービスの成長によって、今後10年間は20%台半ばの成長を続けられると当社は考えています」

ウィード氏は、「アウトパフォーム(=買い)」のレーティングを付けており、目標株価の334ドルは、今後12カ月で11%近くの上値余地を示唆しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が38人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。なお、株価は最近大幅に上昇し301.35ドルまで達しており、平均目標株価の296.68ドルをわずかに上回っています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Looking for Growth Winners? Bernstein Suggests 3 Cybersecurity Stocks to Buy原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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