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2024年のベストなサイバーセキュリティ関連銘柄は?

ストーリーハイライト

サイバーセキュリティ関連銘柄は2023年に堅調でしたが、多くのアナリストは、需要が引き続き旺盛で、さらに好調な時期が来ると考えています。2024年にAI以上に過熱する可能性があるのは、サイバーセキュリティかもしれません。

サイバーの脅威は時代とともに進化を続けており、国家が支援するグループやその他の組織が人工知能(AI)の力を利用して、最も安全なシステムをも迂回する可能性があります。実際、最高水準のサイバーセキュリティ防御を備えることの必要性はかつてないほど高まっており、テクノロジーの状況が変化し、危険にさらされるもの(単なる顧客データ以外)が増加するにつれて、その必要性は今後さらに高まる可能性があります。

そこで、TipRanksの比較ツールを使って、ウォール街が2024年に向けて明るい見通しを立てている3つのサイバーセキュリティ銘柄を見てみましょう。

マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)

マイクロソフトは生成AI競争の主要プレーヤーというだけでなく、マイクロソフト・セキュリティCopilotを擁するサイバーセキュリティ・プレーヤーでもあります。実際、多くのWindows OSユーザーは、サードパーティのセキュリティ・ソフトウェアの購入を見送り、マイクロソフト独自のセキュリティの必需品を選択したかもしれません。

マイクロソフト自身のセキュリティにロシアのハッカーが侵入したが、アナリストは依然強気

ほとんどの場合、サイバーセキュリティにおけるマイクロソフトの足場は目覚ましいものがあります。しかし最近、マイクロソフト自身のセキュリティがロシアのハッカーによって侵害され、上級幹部などの電子メールや添付文書が流出していたと発表しました。同社は、「現状では経営に重大な影響は与えていない」としており、アナリストもこういった状況を乗り越えるマイクロソフトの能力について依然強気です。

結局のところ、ロシアのハッカー集団は信じられないほど洗練されており、マイクロソフトは打撃を受ける多くの巨大企業の最初の一社に過ぎないのかもしれません。いずれにせよ、今回の情報漏洩は、市場で最高のサイバーセキュリティ・ソリューションを提供する重要性がフォーカスされることになりました。

今回のサイバーセキュリティ侵害は、マイクロソフトの株価にそれほど大きな影響を与えていません。アナリストは、サイバーセキュリティに加え、AIがマイクロソフトに大きな利益がもたらすと予想しています。

マイクロソフト株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が36人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の434.21ドルは、今後12カ月で9.8%の上値余地を示唆しています。

クラウドストライク (NASDAQ:CRWD)

次世代エンドポイント(ネットワークに接続されているPC、サーバーなどの端末)のプロテクションに関するクラウド型ソリューションを提供しているクラウドストライクは、サイバーセキュリティ・ソフトウェアの金字塔の1つです。過去1年間で、株価は180%以上急騰しました。最近のさらなる急騰で株価は史上最高値を更新しています。

マイクロソフトに対するハッキングの後、クラウドストライクのサイバーセキュリティ保護製品のエコシステムを考えると、同社が潜在的なシェア獲得企業として際立っているとみられます。

レーティングの格下げで一時的に下落も、まもなく回復

なお、ウェストパーク・キャピタルは最近、株価急騰を理由に、クラウドストライク株に対するレーティングを「買い」から「中立」に格下げしました。格下げ後に株価は一時的に下落したものの、株価が見事な上昇を再開するのに時間はかかりませんでした。

クラウドストライクのPSR(株価売上高倍率)は24.5倍で、長期的に見てかなりの割高領域に入っています。しかし、その先進的な製品と、AIの時代に入りさらに厳しさを増すサイバーセキュリティの状況を考えれば、プレミアムは正当化されると考えられます。

クラウドストライク株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が37人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。とはいえ、平均目標株価の291.00ドルは、今後12カ月で1.6%の下値余地を示唆しています。

パロアルトネットワークス (NASDAQ:PANW)

世界の企業、政府機関向けに包括的なサイバーセキュリティ・プラットフォームを提供しているパロアルトネットワークスの株価も、過去1年間で130%以上上昇しています。時価総額1,090億ドルの同社は業界の重鎮であり、その規模を強みにライバル企業に対する市場シェアを拡大する可能性があります。

比較的大きな企業であるパロアルトは、エンドポイント・サイバーセキュリティの製品群を飛躍的に向上させるための資金を有しています。そのため、同社株は息をのむような上昇を遂げていますが、アナリストは引き続き強気です。

モルガン・スタンレー、パロアルトをトップピックに

モルガン・スタンレー(NYSE:MS)は最近、パロアルトをサイバーセキュリティ分野のトップピックに選びました。2024年については、需要の増加が業界のさらなる成長につながると見ており、目標株価の395.00ドルは今後12カ月で15%の上値余地を示唆しています。

クラウドストライクと同様、株価のバリュエーションは急騰の中でかなり拡大しており、現在PSRは16.2倍です。急騰を続けている銘柄を追いかけるのは難しいですが、サイバーセキュリティへのエクスポージャーが不足しているのであれば、パロアルト株は検討する価値があります。

パロアルトネットワークス株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が30人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の334.19ドルは、今後12カ月で2.7%の下値余地を示唆しています。

結論

サイバーセキュリティ銘柄の最高値を更新する猛烈な上昇にもかかわらず、サイバー攻撃が最新のAIイノベーションよりも大きなニュースになるかもしれない今年、サイバーセキュリティのトップ銘柄をウォッチリストの上位にキープすることは理にかなっていると考えられます。

上述の3社の中では、アナリストの予想では、マイクロソフトの今年の上昇率予想が9.8%で最も高くなっています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、MSFT, CRWD, PANW: Which Cybersecurity Stock is Best for 2024?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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