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億万長者レオン・クーパーマンが選好する高配当銘柄:株式市場については「慎重な対応が必要」

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今年の大半は投資家心理が高揚し、市場は上昇基調にありました。しかし、夏の終わりにその勢いは止まり、この秋には主要株価指数が反落しました。年初来ではまだ上昇していますが、7月ほどではありません。この記事を書いている時点で、S&P500の年初来上昇率は9%、ナスダックは22%です。

ゴールドマン・サックスでキャリアをスタートし、現在は運用会社オメガ・アドバイザーズを経営する億万長者投資家でヘッジファンドマネージャーのレオン・クーパーマン氏は、株式市場に対して穏健なスタンスをとっています。投資家に警戒を促しているクーパーマン氏は、S&P500指数は現在割高であり、近い将来下落に直面する可能性が高いとの考えを表明しています。

バブルではなく順当な調整局面

クーパーマン氏は、「バブルではなく、順当な調整局面だと思います。問題を解決するには長い時間がかかるでしょう」と述べています。S&P500指数は昨年1月に4,800ドル近辺で最後の高値をつけましたが、クーパーマン氏はその水準に戻るには長い時間がかかると考えています。

ですから、慎重なマインドセットが必要で、それが配当株につながります。配当銘柄は、日々の市場変動に関係なく安定したインカムを提供し、今後のボラティリティからポートフォリオを守ってくれます。

クーパーマン氏が信頼を置く高配当銘柄を詳しく見てみました。

エナジー・トランスファー

エナジー・トランスファーは、北米のエネルギー・ミッドストリームセクターの主要プレーヤーです。ミッドストリーム企業は、パイプライン、輸送資産、貯蔵施設、ターミナル施設のネットワークを運営し、原油・天然ガスや精製品を必要な場所に移動させます。時価総額430億ドルを誇るエナジー・トランスファー社は、米国の41州で事業を展開し、パナマのパナマシティと中国の北京に海外事務所を構えています。

エナジー・トランスファーは11月上旬に第3四半期決算を発表する予定です。第2四半期の売上高は前年同期比29%減の183億ドルで、予想を20億ドル下回りました。希薄化後EPSは25セントで、予想に7セント届きませんでした。第3四半期の売上高は204億ドル、希薄化後EPSは25セントと予想されています。

増配を発表、配当利回りは9%へ

インカム志向の投資家にとって良い兆候となるのは、同社の配当です。10月20日に、普通株配当を31セントから31.25セントに増配すると発表しました。新配当は11月20日に支払われ、年率1.25ドルで、配当利回りは9%になります。

クーパーマン氏は、エナジー・トランスファーに対してロングで、強気です。同銘柄を約1,200株保有しており、現在の株価で1億6,300万ドルの価値があります。

Stifelのアナリスト、Selman Akyol氏にとって、エナジー・トランスファーは、良好なコモディティ市場環境の中で、今後も高いリターンが期待できる企業です。同氏は次のようにコメントしています。「ここ数年、エナジー・トランスファーは大規模な設備投資を終える一方で、負債の削減に注力してきました。コモディティ環境が好転し、全米で生産量が増加している今、同社は多額のフリーキャッシュフローを創出する態勢が整っています。米国のエネルギー需要が世界中で高まる中、エナジー・トランスファー株を保有することは投資家にとって有益であると考えます」

この5つ星アナリストは、エナジー・トランスファー株に「買い」レーティングを付け、目標株価を18ドルとし、今後1年間で30%の上値余地を示唆しています。配当利回りを加えると、トータルリターンは31%に達します。

全体としては、過去3カ月間のウォール街のアナリストレーティングは、8件の「買い」と1件の「中立」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。現在13.69ドルで取引されており、今後12カ月の平均目標株価は16.78ドルで、23%の上値余地を示唆しています。

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本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、‘Stay Cautious,’ Says Billionaire Leon Cooperman About the Stock Market — Here Are 2 High-Yield Dividend Stocks He’s Using for Protection原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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