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石油メジャーのコノコフィリップス、地政学的緊張の高まりの恩恵を享受へ

ストーリーハイライト

表面的には時代遅れの銘柄に見える独立系石油メジャーのコノコフィリップスですが、欧州の地政学的危機がすぐに終結する見込みはないという厳しい現実があり、その他の要因からも原油価格上昇の恩恵を受ける可能性が高いです。このため、同社株は上昇する可能性が高いとみられます。

一見すると、コノコフィリップス(NYSE:COP)は時代遅れに見えるかもしれません。世界中でクリーンかつ持続可能なエネルギー源への移行が進んでおり、化石燃料業界は衰退に向かっているように見えていました。しかし、ウクライナでのロシアの軍事侵攻は終結の兆しを見せていません。

その結果、単純な需給バランスから原油価格は上昇し、コノコフィリップスのようなアップストリーム(上流部門)石油企業に恩恵をもたらすでしょう。よって、コノコフィリップス株の上昇を予想せざるを得ません。

需給バランスはコノコフィリップス株の上昇を示唆

ウクライナ戦争がいつ終わるかは、ロシアのプーチン大統領だけが知っています。ロシア側には和平に向けた動きがほとんど見られないため、紛争は続くでしょう。これはほぼ確実に、原油供給の減少とそれに伴うコノコフィリップス株の上昇につながるとみられます。

経済的な影響に関しては、需給関係ははっきりしています。国際エネルギー機関(IEA)によると、「ロシアは世界最大の原油輸出国であり、サウジアラビアに次ぐ世界第2位の原油輸出国」です。ロシアが消耗戦に固執している現状で、ウクライナを支援する西側諸国はロシア産原油の輸入を減らし続けるでしょう。

コノコフィリップスの株価はすでに上昇傾向

もしそうであれば、古典的な需給動向から原油価格の上昇が予想されます。コノコフィリップスは石油・ガスの探査・生産セグメントを専門としているため、株価の上昇が見込めます。

実際、すでに株価は上昇傾向にあります。過去3カ月間でコノコフィリップス株は約20%上昇しました。年初来でも16%近くの上昇です。(グラフ参照)

米国の国内政治と経済状況もコノコフィリップスを後押し

ロシアの軍事侵攻だけでなく、コノコフィリップスには、国内政治の情勢や好調な米国経済など、他の追い風もあります。

第一に、グリーンエネルギーへの移行が進む一方で、化石燃料の重要性は依然変わりません。米国社会は何十年にもわたって、化石燃料を中心としたインフラを構築してきました。もちろん、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを組み込む努力はされていますが、世界はまだ石油で動いているのです。

石油産業の票を考えると、化石燃料に対して強硬なスタンス取れず

ここで見落とされがちなのが、米国の政治的力学です。特に重要な選挙の年には、バイデン政権も民主党も化石燃料に対して強硬なスタンスは取れません。石油産業の労働者にも投票権があり、彼らの票は非常に重要です。

また、米国人の多くは依然としてガソリン車を運転しているため、原油価格が上昇すると支出をせざるを得ません。石油は、食料や水と並んで、生活に欠かせない品目です。人々は高い対価を払うか、深刻な制約を受けるしかありません。

このような理由から、コノコフィリップス株は様々な経済の嵐を乗り越えられると予想され魅力的な投資先となります。

2024年業績予想の見直しが必要か

これらの好材料を踏まえ、コノコフィリップスの2024年業績予想について改めて検討する必要があります。アナリスト予想は、EPS(1株当たり利益)8.71ドル、売上高586億3,000万ドルとなっています。これは、前年実績(EPS8.77ドル、売上高585億7,000万ドル)と比較すると、やや低い数字です。

しかし、強気なアナリストの予想は、EPS12.98ドル、売上高703億1,000万ドルとなっています。世界的な需給バランスを考慮すると、コノコフィリップスは業績予想の上限付近に着地する可能性が高いとみられます。供給の減少と需要の増加は、コノコフィリップス株にとって追い風となります。

ウォール街の評価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が16人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は137.74ドルで、今後12カ月で4%の上値余地を示唆しています。

結論

コノコフィリップスは一見、時代遅れの石油会社のように見えるかもしれませんが、実際はそうではありません。国内政治、国際情勢、経済状況のすべてが、石油の供給減少と需要増加という形でコノコフィリップス株の上昇を後押ししています。アップストリーム石油企業であるコノコフィリップスは、業績予想の見直しが必要でしょう。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、ConocoPhillips Stock (NYSE:COP): Set to Benefit from Geopolitical Tensions原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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