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アルファベット株に強気な3つの理由

ストーリーハイライト

本稿では、アルファベット(NASDAQ:GOOGL)株に対する強気姿勢に関する3つの理由を概説します。これらは、広告費の追い風、クラウドの可能性、そして株価の妥当なバリュエーションです。

アルファベットの2024年のパフォーマンスは比較的良好で、S&P500指数(SPX)に投資した場合の約2倍のリターンを達成しています。これは、特にグーグル検索のAIイノベーションが組み込まれている広告などの主要市場において、同社の成長期待に沿ったものです。

とはいえ、クラウドなど、アルファベットの将来性を評価する際に市場が見落としているセグメントもあると考えます。これが、他の大手テック企業に比べ、株価が妥当なバリュエーションで取引されている理由かもしれません。

広告費増加の追い風が恩恵に

アルファベットは現在、世界で最も圧倒的な広告会社の地位を保持しており、デジタル広告セクターは今後数年で大きく成長する態勢が整っています。

予測によると、世界のデジタル広告費は、2023年の6,790億ドル(うち検索広告が40%)から、2028年には9,650億ドルに急増し、年平均成長率(CAGR)は約7%に達する見込みです。デジタル広告をリードするアルファベットは、この成長軌道から大きな恩恵を受けられます。

デジタル広告には、従来のリニア広告(テレビやラジオなどの従来型マスメディアから一方的に配信される広告)とは明らかに異なる利点があります。より正確な成果測定が可能で、特定のオーディエンスにターゲットを絞った広告ができるため、ビジネスとマーケティングの両面から、より高いリターンが期待できる魅力的な選択肢です。

AI機能でグーグル検索とYouTubeを強化

検索エンジンセクターで圧倒的なシェアを誇るグーグル検索と、月間アクティブユーザー数27億人超を誇るYouTubeは、アルファベットの競争力を強化する極めて重要な資産です。LLM(大規模言語モデル)を活用して広告を関連検索にマッチさせる製品など、生成AI機能を組み込むことで、ユーザーはより複雑なクエリに対する答えを見つけることができ、利用率と結果に対する満足度が向上します。

グーグル・クラウドの可能性

アルファベットの経営陣によると、グーグル・クラウド部門とYouTubeは、2024年までに合わせて年間1,000億ドル以上の売上を達成する見込みです。

この目標を達成するため、同社はインフラ、特にサーバーへの投資に注力しており、2024年第1四半期の設備投資額は、2023年第1四半期の約2倍の120億ドルに達しました。ここ数年、利益をすべて成長に再投資しているため、グーグル・クラウド部門は赤字であったものの、アルファベットのクラウド・コンピューティング事業は依然として成長段階にあります。

同セグメントは2024年第1四半期に9%の営業利益率を計上し、9億ドルの営業利益を生み出しましたが、これはフリーキャッシュフローにはまだ反映されていない可能性が高いとみられます。

AWS並みの営業利益率を達成できれば数十億ドル規模の営業利益創出へ

ちなみに、アマゾン(NASDAQ:AMZN)のクラウド部門のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の営業利益率は約37%です。アルファベットが投資を通じてグーグル・クラウドの効率性向上に努める中、AWS並みのマージンを達成すれば、このセグメントから年間数十億ドルの営業利益を創出できる可能性があります。これは、アルファベットの中核事業である検索事業を超える重要な利益源となるでしょう。

適正価格の大型テック株

アルファベットは、年初来で株価が26%上昇したにもかかわらず、主要テック企業と比べて比較的割安なバリュエーションを維持しています。

今年のEPS(1株当たり利益)成長率を約30%とするコンセンサス予想を考慮すると、株価は予想株価収益率(PER)23倍で取引されており、これは「マグニフィセント7」と呼ばれる大型テック株の中で最も低い水準です。29倍のメタ・プラットフォームズ(NASDAQ:META)や25倍のテスラ(NASDAQ:TSLA)よりも割安です。

大規模投資は短期的なキャッシュフローにネガティブな影響

アルファベットは成長機会への大規模な投資を続けており、これは将来の拡大を促進するはずです。しかし、こうした投資は短期的なキャッシュフローにネガティブな影響を与えます。

とはいえ、高い純利益率(26%近く)、中核事業である検索事業の実質的な独占、1兆ドル規模に迫り成長を続ける業界内での完璧なバランスシートを持っています。これらの要素は通常、より高いバリュエーションを正当化するものですが、今のアルファベットには必ずしも当てはまりません。

アナリストによると、アルファベット株は「買い」か?

ウォール街のアナリストはアルファベット株の今後について非常に強気です。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が32人、「中立」が5人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は197.67ドルで、今後12カ月で12.2%の上値余地を示唆しています。

結論

アルファベットへの強気スタンスを維持する理由は、3つの要因だけにとどまりません。繰り返しになりますが、検索業界が力強い成長を続ける中、同社の圧倒的な地位と検索への継続的な投資努力が大きなリターンをもたらすとアナリストは確信しています。

さらに、クラウド・コンピューティングのような他のセグメントはまだ市場で過小評価されており、投資によって将来さらに強力なキャッシュフローがもたらされることで、価値創造の大きな可能性があると思われます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Reasons to be Bullish on Alphabet (NASDAQ:GOOGL) Stock原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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