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バンカメ、S&P500指数が11%上昇する「買い」シグナルを指摘 – 今注目する2銘柄

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ここ数カ月間、市場は非常に不安定で、上昇と下降を目まぐるしく繰り返しています。しかし、バンク・オブ・アメリカのストラテジスト、Savita Subramanian氏は、投資家が注目すべき強力な「買い」シグナルがあると見ています。

Subramanian氏が指摘しているのは、ウォール街のセンチメントの変化を正確に把握するセンチメント指標、セルサイド・インジケーター(SSI)です。現在、この指標は 「売り」よりも 「買い」に3倍近く、株式の強気な将来を示唆しています。

S&P500指数、4,850に達する可能性も

「SSIは信頼できる逆張り指標であり、言い換えれば、ウォール街が極端に弱気なときには強気のシグナルであり、その逆もまた然りです」とSubramanian氏は指摘しています。「金利上昇は株式心理の重荷となっていますが、企業や消費者は適応する時間があるため、予想以上に持ちこたえる可能性があると考えています」と付け加えています。

Subramanian氏によれば、SSIは、今後1年間でS&P500指数が11%上昇することを示しています。現在の水準を考えると、指数は4,850のピークに達する可能性があります。

この上昇は、株式投資家に広範な恩恵をもたらす可能性があります。バンク・オブ・アメリカのアナリストは、強気な株式環境で勝者となる可能性のある銘柄を探すため、今のところ大忙しです。TipRanksのデータベースを開き、バンカメの株式アナリストが今気に入っている銘柄を2つ見つけました。詳しく見てみましょう。

モンゴDB (MDB)

最初に紹介するのは、汎用データベースプラットフォーム・ソフトウェアの雄、モンゴDB です。同社は、ハイエンド・データベースシステムの開発者として有名です。モンゴDBの主力製品であるMongoDB Atlasは、ユーザーの意向を反映できるように設計されており、顧客は自分の好きなコーディング言語を使って、自分のやり方でデータを利用することができます。

数字を見れば、モンゴDBが大きな成功を収めていることは明らかです。10年以上前に製品をリリースして以来、数億回ダウンロードされ、顧客ベースは世界100カ国で数万人に拡大しています。さらに、製品の拡大という観点からは、同社はコースを通じて何百万人ものデータベース構築者を育成してきました。

株価は年初来で88%上昇

モンゴDBの株価は、年初来で88%上昇しています。その上昇の大部分は、6月に予想を上回る決算発表を受け、40%急騰したことによるものです。

直近の四半期決算(今年8月に発表された2024年度第2四半期)では、同社は再び予想を上回りました。これは、年初来で45,000の新規顧客(7月31日時点)を獲得した、力強い顧客成長の上に築かれました。

MongoDB Atlasの売上高は前年同期比で38%増加し、四半期全体の63%を占めました。当四半期の全体の売上高は4億2,380万ドルに達し、予想を3,300万ドル近く上回り、前年同期比で40%の伸びとなりました。非GAAP(米国会計基準)ベースのEPSは0.93ドルで、予想を48セント上回りました。

強力な競争優位性を保持

上述は堅調な成長株を示唆しており、バンク・オブ・アメリカのアナリスト、Brad Sillis氏は、同社について次のように書いています。「モンゴDBは、以下に示す通り強力な競争優位性を持っています。それは、1)大規模な開発者コミュニティ(コミュニティサーバーのダウンロード数は4億500万件)、2)独自のドキュメントストレージモデル、3)13のプログラミング言語のサポート、4)マルチチャネルでのセルフサービスと直接販売による市場開拓、です」。Sillis氏の基本シナリオでは、6年間の売上高年平均成長率を22%としています。

Sillis氏は「買い」レーティングを付けており、450ドルの目標株価は、今後12カ月で最大22%の上値余地を示唆しています。

全体としては、直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が22人、「中立」が4人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。現在の株価370ドルに対し平均目標株価は431.24ドルで、今後12カ月で16.5%の上値余地を示唆しています。

ノーザン・トラスト (NTRS)

ノーザン・トラストは、シカゴを拠点とする金融グループで、特に大手の機関投資家や個人富裕層にフォーカスしています。同社はプライベートバンクとして運営されており、資産サービシング、投資管理、ウェルス・マネジメント・サービスを顧客ベースに提供しています。今年9月30日現在の運用資産総額は1兆3,300億ドルにのぼります。

ノーザン・トラストは、130年以上の歴史を持ち、長期的な信頼と成功に基づいて確固たる評判を築いてきました。

ウェルス・マネジメント業界の逆風に直面

しかし今年に入り、ウェルス・マネジメント業界の逆風に直面し、株価は約20%下落しました。こうした困難には、インフレ率の上昇や金利の上昇が含まれ、同業界は複雑さを増しています。

この傾向は最新の2023年第3四半期決算にも反映されています。ノーザンの収入は17億4,000万ドルで、前年同期比1.1%減とコンセンサス予想を364万ドル下回りました。希薄化後EPSは1.49ドルで、これも予想を1セント下回りました。

このような困難にもかかわらず、ノーザン・トラストは普通株配当を維持しています。同社の配当の歴史は1989年に遡り、四半期ごとに支払われなかったことは一度もありません。現在の配当は、1月1日付支払いで普通株1株当たり75セント、年換算で3ドル、配当利回りは4.3%です。

魅力的なエントリーポイントを提供

この銘柄は、バンク・オブ・アメリカのアナリスト、Ebrahim Poonawala氏の目に留まりました。Poonawala氏は、次のように述べています。「ノーザン・トラスト株は、富裕層や超富裕層を顧客とする、ウェルス・マネジメントへのエクスポージャーを得るための魅力的なエントリーポイントを提供していると考えます。預金コストや株式・債券市場のボラティリティによるEPSおよびROE(自己資本比率)の下振れリスクは認めますが、これらはバリュエーションに反映されており、ノーザン・トラストは現在のサイクルを乗り切るのに十分なポジションにあると考えます」

上述により、Poonawala氏は「買い」レーティングを付け、目標株価の85ドルは、今後12カ月で23%の上値余地を示唆しています。

バンカメのアナリストは強気かもしれませんが、ウォール街はまだノーザン・トラストにコミットメントする準備ができていません。直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が9人で、コンセンサス評価は「中立」です。現在の株価69.35ドルに対して平均目標株価は75.91ドルで、今後12カ月で最大9%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Bank of America Says This ‘Buy’ Signal Could Trigger an 11% Upswing in S&P 500 Next Year — Here Are 2 Stocks the Banking Giant Likes Right Now原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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