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アナリストが注目する「強気買い」テック株3銘柄:AIの追い風に期待

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テックラリーは2024年も好調を維持する可能性があります。そして、人工知能(AI)の追い風が広がる中、マグニフィセント・セブン(アップルなどの超大型株7銘柄)が引き続きトップを走り続けるとは限りません。AIは、メガキャップ・テック株以外の銘柄にも大きな恩恵をもたらすでしょう。この記事では、AIに関連して好材料があり、アナリストから「強気買い」のコンセンサス評価を得ている3銘柄を紹介します。

TipRanksの比較ツールを使い、生成・予測AI技術の台頭から多くの恩恵を得られると見られる、サイバーセキュリティ・イノベーター(クラウドストライク)と、2つのウェブサイト開発会社(ウィックスとゴーダディ)をチェックしてみました。

クラウドストライク (NASDAQ:CRWD)

クラウドストライクは、米国のサイバーセキュリティテクノロジー企業で、投資家がサイバーセキュリティ関連銘柄として最初に思い浮かべる名前の1つです。実際、クラウドストライク株は、iシェアーズ・サイバーセキュリティ・アンド・テクノロジーETF (NYSEARCA:IHAK)のようなサイバーセキュリティETFにおいて、主要保有銘柄の一つです。

クラウドストライクの株価は今年回復モードにあり、年初来で129%以上上昇しました。この見事な回復により、新高値まであと16%ほどとなっています。

しかし、2021年から2022年にかけて、ピークから谷にかけて株価が3分の2ほども下落したのは驚きでした。それでも、今年の爆発的な反発を考えると、クラウドストライクの株価をあれほど下げた「ミスター・マーケット」の間違いは明らかでしょう。

セキュリティに関して、生成AIは日常言語形式で質問が可能に

最近発表された2024年第3四半期(2023年8-10月)の業績は、その後の株価上昇に反映されたように非常に素晴らしいものでした。売上高は前年同期比34%増の7億8,600万ドルで、アナリスト予想の7億7,700万ドルを上回りました。調整後1株当たり利益(EPS)は0.82ドルで、やはりアナリスト予想の0.74ドルを上回りました。

サイバーセキュリティ企業は、日々進化している攻撃者を凌駕し、優位に立つ必要があります。クラウドストライクのセキュリティ分析のための生成AIであるCharlotte AIは、特に興味深いものです。ユーザーは日常言語形式で質問を行うことができ、それに対して同社のセキュリティプラットフォームが迅速に回答します。セキュリティレベルを次のレベルに引き上げるのに役立つ可能性があります。

クラウドストライク株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が35人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価234.78ドルは、今後12カ月で0.93%の下降可能性を意味します。最近の株価上昇により、目標株価の上方修正が必要なのは明らかです。そして、ここ数日、着実に目標株価の引き上げが行われています。

ウィックス・ドット・コム (NASDAQ:WIX)

ウィックスはイスラエル企業で、使いやすいクラウドベースのウェブサイト制作ツールを提供しています。株価は2022年6月に底を打って以来、非常に不安定ながらも回復を続けています。2024年以降も好調を維持できるカタリストは多いとみられています。第3四半期の堅調な数字、ガイダンスの強化、生成AIの可能性を受けて、ウィックスの状況は上向きです。

ウィックスで最も興味をそそられるのは、チャットに基づいてカスタマイズされたウェブサイトを作成できる新しい会話AIです。実際、ウェブ開発の障壁は日に日に下がっているようです。AIの台頭により、ウィックスはユーザーにもっと力を与えることができるでしょう。そして、同社は、いわゆるマグニフィセント・セブンのような方法でAIを収益化できる可能性があります。

ウィックス株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、15人のアナリスト全員が「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の122.00ドルは、今後12カ月で20.2%の上値余地を示唆しています。

ゴーダディ (NASDAQ:GDDY)

ゴーダディは、ウェブサイト開発分野におけるもう1つのプレーヤーです。中小企業や個人向けのドメイン名登録・更新サービスやウェブサイトホスティング事業でよく知られていますが、ウェブサイト作成サービスと生成AIの事業機会が注目されています。

株価は最近、堅調な第3四半期決算発表を受けて、10月の安値から40%近く上昇しました。2024年にかけ、利益率と売上高成長率が再び上昇傾向になる可能性があります。そうでない場合でも、ゴーダディはAIへの取り組みから大きな恩恵を得られる立場にあるとアナリストは見ています。

実際、RBC CapitalとCitiの2人の著名なアナリストが、最近のレポートの中でゴーダディのAIへの取り組みを取り上げました。CitiのYgal Arounian氏は、ゴーダディの優れた生成AIベースのウェブサイト制作ツールであるAiroの発表を受け、目標株価を95ドルから125ドルに引き上げました。

RBCのBrad Erickson氏は、ゴーダディへのAIのインパクトを評価し、目標株価を90ドルから124ドルに引き上げました。ゴーダディはAI関連銘柄ですが、マグニフィセント・セブンがAIがらみのヘッドラインを独占しているため、多くの人が見落としているかもしれません。

ゴーダディ株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が8人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の104.88ドルは、今後12カ月で4.8%の上値余地を示唆しています。

結論

生成AIは、テックセクター全体に恩恵をもたらす可能性があります。この記事では、AIが今後数年にわたって進歩し続ける中で、大きな恩恵を得ることができる3つのテック企業を紹介しました。

実際、ChatGPTは、テックセクターの多くの銘柄を押し上げるかもしれないAI革新の波のほんの始まりでしょう。この記事で紹介した3社の中では、アナリストはウィックス株に今後12カ月で最も大きな上昇可能性(約20%)を見ています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、CRWD, WIX, GDDY: 3 “Strong Buy” Tech Stocks with AI Upside原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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